「退社」と「退職」、どちらも会社を辞めることには変わりないのですが、実は少しニュアンスが違います。 退社 と 退職 の 違い を正しく理解しておくと、今後のキャリアや手続きで迷うことが少なくなりますよ!
「退社」は、その日の業務を終えて帰ること
まず、「退社」について見ていきましょう。これは、文字通り「会社を退く」という意味ですが、日常的によく使われるのは、その日の仕事が終わって、会社から帰ることを指す場合です。
- 例:「定時になったので、もう退社します。」
- 例:「今日は残業せずに、早めに退社しました。」
このように、まだ会社との雇用関係は続いているけれど、その日の勤務は終了した、という状態を表します。 この「退社」は、あくまでその日の業務を終えるという意味合いが強い のです。
場合によっては、会社を辞める意思表示をして、有給休暇などを消化しながら最終出社日を迎えるまでの期間を指して「退社」と言うこともありますが、一般的には「その日の勤務終了」と捉えられることが多いです。
「退職」は、会社との雇用契約を解消すること
一方、「退職」は、会社との雇用関係そのものを終わらせることを指します。これは、会社を辞めるという最終的な意思表示であり、法的な手続きも伴います。
退職には、いくつかの種類があります。
| 退職の種類 | 説明 |
|---|---|
| 自己都合退職 | 自分の意思で会社を辞める場合。転職やキャリアアップ、家庭の事情などが理由。 |
| 会社都合退職 | 会社の経営状況の悪化による解雇や、倒産など、会社側の都合で辞めさせられる場合。 |
| 契約期間満了 | 契約社員やパートタイマーなどで、契約期間が終了した場合。 |
「退職」という言葉を聞いたら、それは正式に会社を辞める手続きが進んでいる、あるいは完了したのだと理解しておきましょう。
退職すると、健康保険や年金の手続き、失業保険の申請など、様々な公的な手続きが必要になります。
退社と退職、より広い意味での使い分け
「退社」と「退職」は、どちらも会社から離れることを意味しますが、その使われ方には微妙な違いがあります。
先ほども触れましたが、「退社」は日常会話で「今日の仕事終わり!」というニュアンスで使われることが多いです。
- 「お先に失礼します。 退社 します。」(今日の仕事が終わって帰る)
- 「来月で 退職 することになりました。」(会社との雇用関係を終わらせる)
しかし、文脈によっては「退社」も会社を辞めることを指す場合があります。例えば、「来月をもって 退社 します」という言い方も、会社との雇用契約を解消する意味で使われることがあります。 この場合、「退職」とほとんど同じ意味合いで使われています。
ただし、一般的には「退職」の方が、よりフォーマルで、会社との関係を正式に終わらせるという強い意味合いを持っています。
退職の意思表示と退社日
会社を辞めることを決めたら、まずは上司に退職の意思を伝え、退職日を決めます。この、会社との雇用関係を解消する日を「退職日」と呼びます。
- 例:「 退職 の意思を伝え、来月末を 退職 日としました。」
それまでは、通常通り会社に出勤し、業務を行います。その日の業務が終わって帰ることを「 退社 」と言います。つまり、 退職日までの間は、毎日「退社」をしている ということになります。
退職日が近づいてくると、引き継ぎの準備をしたり、挨拶回りをしたりと、慌ただしくなりますね。
失業保険と退職の種類
会社を辞めた後、すぐに次の仕事が見つからない場合に、国から給付されるのが失業保険(雇用保険の基本手当)です。この失業保険を受給できるかどうか、またその期間や金額は、 退職 の種類によって異なります。
- 自己都合退職 の場合:一般的に、離職票が届いてから7日間の待期期間があり、その後2ヶ月から3ヶ月の給付制限期間が設けられることが多いです。
- 会社都合退職 の場合:自己都合退職に比べて給付制限期間が短かったり、なかったりします。
退職 する際は、自分がどの種類の退職になるのかを把握しておくことが大切です。
ハローワークで手続きをする際には、離職票などの書類が必要になります。
退職金について
会社によっては、長年勤めた従業員に対して「退職金」を支給する制度があります。退職金は、 退職 した際に会社から支払われる一時金のことです。
退職金の支給条件や金額は、会社ごとに定められています。退職する前に、就業規則などで確認しておくと良いでしょう。
- 例:「勤続20年で 退職 し、まとまった 退職金 を受け取った。」
退職金 は、老後の生活資金や、次のキャリアへの投資などに充てることができます。
社会保険と退職後の手続き
会社を 退職 すると、健康保険や年金などの社会保険の手続きが必要になります。 退職 した会社から「健康保険資格喪失証明書」や「年金手帳」などの書類を受け取ったら、速やかに手続きを行いましょう。
-
健康保険
:
- 以前の会社の健康保険を任意継続する
- 国民健康保険に加入する
- 家族の健康保険の扶養に入る
-
年金
:
- 国民年金に加入する
- (厚生年金に加入していた場合)
退職 後の社会保険の手続きは、生活に直結するため、とても重要です。
退社(退職)後のキャリアプラン
会社を 退職 することは、人生の大きな転換点です。新しいキャリアを築くための良い機会とも言えます。
退職 を決めたら、次に何をしたいのか、どのような働き方をしたいのかをじっくり考えることが大切です。転職活動をするのか、独立するのか、あるいはしばらく休養期間を設けるのかなど、様々な選択肢があります。
- 転職 :自分のスキルや経験を活かせる仕事を探す
- 独立・起業 :自分のアイデアやビジネスプランを実現する
- 休養・充電 :心身をリフレッシュし、次のステップに備える
退職 後のキャリアプランをしっかり立てることで、より充実した未来を築くことができます。
このように、「退社」は日常的な勤務の終了を、「退職」は会社との雇用関係の解消を指すことが一般的です。どちらの言葉を使うかによって、相手に伝わるニュアンスが変わってきます。この違いを理解しておけば、コミュニケーションもスムーズになるはずです。新しい門出に向けて、しっかりと準備を進めていきましょう!