電波 と 電磁波 の 違い:知っておきたい基本と意外な関係

「電波」と「電磁波」、この二つの言葉、なんとなく似ているけれど、一体何が違うの? と思っている人もいるかもしれませんね。実は、 電波 と 電磁波 の 違い は、範囲の広さにあるんです。簡単に言うと、電波は電磁波の一部なのです。

電磁波とは? 全てを包み込む大きな傘

まず、電磁波についてお話ししましょう。電磁波というのは、電気の性質を持つ「電場」と、磁気の性質を持つ「磁場」が、波のように空間を伝わる現象のことです。これは、私たちが普段目にする光も、電子レンジで使われるマイクロ波も、そしてスマートフォンで通信に使われる電波も、すべて含んだ、とても大きなカテゴリーなんです。

電磁波は、その波の「波長」(波の山から山までの長さ)や「周波数」(1秒間に何回波が繰り返されるか)によって、様々な種類に分けられます。

  • 波長が短いもの(周波数が高いもの):X線、ガンマ線など
  • 波長が長いもの(周波数が低いもの):電波など

このように、電磁波という大きな枠組みの中に、様々な仲間の波が存在しているのです。

電波とは? 私たちの生活を支える「見えない通信線」

では、電波とは何でしょうか? 電波は、電磁波の中でも、特に波長が長く、周波数が低い部分を指します。この「電波」が、私たちの身の回りで「通信」に使われている、まさに縁の下の力持ちなのです。

具体的には、以下のようなものに電波が使われています。

  1. ラジオ放送
  2. テレビ放送
  3. 携帯電話の通信
  4. Wi-Fi
  5. レーダー

これらの技術はすべて、電波という「電磁波の仲間」を利用して、情報を遠くまで届けたり、物体の位置を測ったりしています。

電磁波 電波
電気と磁気が波になって伝わる現象全般 電磁波のうち、波長が長く周波数が低いもの

電磁波の「波長」と「周波数」による分類

電磁波は、その波長と周波数によって、性質が大きく異なります。この違いが、それぞれの電磁波がどのような役割を果たすかを決定づけているのです。

波長が短い(周波数が高い)電磁波は、エネルギーが強く、物質を透過する力が大きいです。例えば、医療で使われるX線や、宇宙から飛んでくるガンマ線などがこれにあたります。

一方、波長が長い(周波数が低い)電磁波は、エネルギーが弱く、物質を透過する力は小さいですが、遠くまで伝わりやすいという特徴があります。これが電波の得意とするところです。

電磁波のスペクトル(波長や周波数の並び)をイメージすると、その関係性がより分かりやすくなります。

  • 電波(長波、中波、短波、超短波、マイクロ波など)
  • 赤外線
  • 可視光線(私たちが「光」として認識するもの)
  • 紫外線
  • X線
  • ガンマ線

電波の「種類」とその利用

電波は、さらにその周波数帯によって細かく分類され、それぞれ異なる用途で活用されています。これらの分類を知ると、普段何気なく使っている技術が、どのように電波を利用しているのかが見えてきます。

例えば、

  • 超長波 (ELF/VLF): 潜水艦との通信などに使われることがありますが、非常に限られた用途です。
  • 長波 (LF)・中波 (MF): AMラジオ放送に使われています。
  • 短波 (HF): 国際放送やアマチュア無線などで使われます。
  • 超短波 (VHF): FMラジオ放送やテレビ放送(一部)、航空無線などに使われます。
  • 極超短波 (UHF): テレビ放送(地上デジタル放送)、携帯電話(3G/4G)、電子レンジなどに使われます。
  • マイクロ波 (SHF/EHF): 衛星放送、Wi-Fi、レーダー、無線LAN、5G(一部)などに使われます。

このように、周波数が高くなるほど、より多くの情報を、より細かく送ることができるようになります。

電磁波の「安全性」について

「電磁波は体に悪いのでは?」と心配する声も聞かれます。確かに、電磁波の中には、X線やガンマ線のように、エネルギーが非常に強く、人体に影響を与えるものもあります。これらは、使い方を誤ると健康被害につながる可能性があるため、厳重な管理が必要です。

しかし、携帯電話やWi-Fiなどで使われる電波(マイクロ波など)は、X線やガンマ線に比べてエネルギーがずっと弱いため、日常生活で浴びる程度の量であれば、直ちに健康に悪影響を与えるという科学的な証拠は、現時点では確認されていません。

もちろん、過剰な曝露は避けるべきという考え方もありますし、科学的な研究は現在も進められています。大切なのは、電磁波の種類と、その強さを理解することです。

電波と電磁波、まとめると

改めて、 電波 と 電磁波 の 違い を整理してみましょう。電磁波は、光や電波など、様々な波を含む大きな概念です。その中でも、通信に使われる特定の周波数帯のものを「電波」と呼んでいるのです。

電波は、私たちの生活を豊かにする上で欠かせない存在であり、その恩恵を受けていることを忘れてはなりません。スマートフォンでの連絡、インターネットの利用、テレビやラジオの視聴など、すべて電波のおかげです。

日常生活で「電波」と聞いたら、それは私たちの生活に役立つ、目に見えない通信の波のことだと理解しておけば大丈夫です。そして、「電磁波」という言葉が出てきたら、それはもっと広い範囲の、光や電波なども含んだ現象のことだと考えてください。

電波と電磁波の関係を理解することで、身の回りの技術がどのように動いているのか、より深く知ることができるようになります。この知識が、皆さんの「なるほど!」に繋がれば幸いです。

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