「ほくろ と メラノーマ の 違いって、ちゃんと理解してる？」そう聞かれると、自信を持って答えられる人は意外と少ないかもしれません。多くの人が「ほくろ」だと思っているものが、実は「メラノーマ」という皮膚がんの初期段階だった、なんてことも。ここでは、この二つの違いを分かりやすく解説し、もしもの時に慌てないための知識を深めていきましょう。
「ほくろ」と「メラノーマ」、どこが違うの？
まず、一番大切なのは「ほくろ」は皮膚の細胞が正常に増殖してできる「良性」の腫瘍であり、「メラノーマ」は皮膚がんの一種である「悪性」の腫瘍だということです。つまり、根本的に性質が異なります。しかし、見た目が似ている場合もあるため、注意が必要です。
ほくろは、成長を止めた後に形や色が変化することはあまりありません。一方、メラノーマは、以下のような変化を示すことがあります。 この変化に気づくことが、早期発見の鍵となります。
- 形が左右対称ではない
- 境界線がギザギザしている
- 色が均一でない（黒一色ではなく、茶色や赤みが混ざっているなど）
- 直径が6mm以上と大きい
- 時間とともに大きくなる、盛り上がる、出血するなど形や色が変わる
これらの特徴を覚えていると、いざという時に役立ちます。
メラノーマの初期症状に注目！
メラノーマの初期症状は、必ずしも「黒いできもの」とは限りません。中には、薄い茶色やピンク色をしているものもあります。そのため、単に「ほくろ」と決めつけずに、注意深く観察することが大切です。
初期のメラノーマは、以下のような特徴を持つことがあります。
- 形・輪郭： いびつで、左右対称ではない。
- 色： 一箇所に濃淡があり、複数の色が混ざっている。
- 大きさ： 一般的に6mmを超えることが多いが、それより小さくても注意が必要。
- 変化： 数ヶ月〜数年かけて、徐々に大きくなったり、盛り上がったり、出血したりする。
「このほくろ、最近ちょっと変かも？」と感じたら、迷わず皮膚科を受診しましょう。
ほくろの一般的な特徴
一般的なほくろは、生まれた時からあるものや、成長するにつれて現れるものまで様々です。ほとんどのほくろは、心配する必要のない良性のものです。
| 特徴 | 説明 |
| 形 | 丸く、左右対称であることが多い |
| 色 | 均一な茶色または黒色 |
| 大きさ | 一般的に6mm以下 |
| 変化 | ほとんど変化しないか、ゆっくりと変化する |
ただし、まれにほくろがメラノーマに変化する可能性もゼロではありません。そのため、定期的な自己チェックは欠かせません。
メラノーマの危険信号（ABCDEルール）
メラノーマを見分けるための分かりやすい目安として、「ABCDEルール」があります。これは、変だと思ったほくろやシミに対して、このルールに当てはまるかどうかをチェックする方法です。
- A (Asymmetry)： 非対称性。ほくろを半分に割ったときに、左右対称にならない。
- B (Border)： 境界不整。ほくろの輪郭がギザギザしている。
- C (Color)： 色調不均一。黒一色ではなく、濃淡があったり、複数の色が混ざっていたりする。
- D (Diameter)： 直径。一般的に6mmを超える。
- E (Evolving)： 変化。ほくろの形、大きさ、色などが、前と比べて変化している。
これらのうち、一つでも当てはまる場合は、専門医の診察を受けることを強くお勧めします。
どんな人がメラノーマになりやすい？
メラノーマになるリスクは、誰にでもありますが、特に以下のような人は注意が必要です。
- 紫外線への曝露が多い人： 日焼けを繰り返す、屋外での活動が多いなど。
- 遺伝的要因： 家族にメラノーマになった人がいる。
- ほくろの数が多い人： 顔や体に100個以上のほくろがある場合。
- 肌の色が白い人： 紫外線の影響を受けやすい。
これらのリスク要因を知っておくことで、より一層、自身の肌の状態に気を配ることができます。
自己判断は禁物！専門医への相談が大切
「このほくろ、大丈夫かな？」と不安になったら、自己判断せずに必ず皮膚科医に相談しましょう。専門医は、ダーモスコープという拡大鏡を使ってほくろの状態を詳しく調べたり、必要に応じて生検（一部または全部を採取して検査すること）を行ったりして、正確な診断を下します。
早期に発見されれば、メラノーマも適切に治療することで、予後が良い場合が多いのです。だからこそ、異常を感じたらすぐに受診することが大切です。
「ほくろかな？」と思ったとしても、それがメラノーマだったとしても、早期発見・早期治療が何よりも重要です。日頃から自分の肌をよく観察し、少しでも気になる変化があれば、迷わず専門医の診察を受けましょう。