日本語の「敬語」って、なんだか難しそう…と思ったことはありませんか？ 実は、「敬語」と「尊敬語」は、同じように使われがちですが、少しずつ意味が違うんです。今回は、そんな「敬語 と 尊敬 語 の 違い」を、分かりやすく、そして楽しく学んでいきましょう！
敬語と尊敬語、基本を理解しよう！
まず、「敬語」とは、相手への敬意を示すための言葉遣いの総称です。相手を立てたり、へりくだったりすることで、円滑な人間関係を築くためにとても大切なんですよ。この「敬語」の中に、さらにいくつかの種類があります。そして、その中でも特に注目したいのが「尊敬語」なんです。
「尊敬語」は、相手の動作や状態を高めて、相手への敬意を表す言葉のこと。例えば、「食べる」を「召し上がる」と言ったり、「行く」を「いらっしゃる」と言ったりするのが尊敬語です。 相手を敬う気持ちを、言葉で直接的に表すのが尊敬語の役割 なのです。
では、具体的にどのような言葉があるのでしょうか？いくつか例を見てみましょう。
- おっしゃる (言う)
- ご覧になる (見る)
- なさる (する)
- いらっしゃる (行く、来る、いる)
このように、普段使っている言葉が、尊敬語になると全く違う形になることもあります。これらの言葉を使いこなせるようになると、相手に「この人は礼儀正しいな」と思ってもらえるはずです。
謙譲語の役割とは？
尊敬語と並んで、敬語の重要な柱となるのが「謙譲語」です。謙譲語は、自分や身内（自分の会社の人など）を低めて、相対的に相手を高めることで敬意を表す言葉遣いのことです。
例えば、「あげる」という言葉がありますね。これを謙譲語で言うと「さしあげる」となります。「私が資料を（あなたに）さしあげます」のように使います。この場合、「さしあげる」という言葉を使うことで、資料を受け取る相手が自分より上位にいることを示しているのです。
謙譲語には、主に二つの種類があります。
- 自らをへりくだる謙譲語 ：自分や身内の行為をへりくだって表現することで、相手を高めます。例：「伺う（行く）」、「申し上げる（言う）」、「拝見する（見る）」
- 相手への配慮を示す謙譲語 ：相手の都合を伺うような表現も、広義には謙譲語に含まれることがあります。例：「～ていただく」、「～くださる」（これは尊敬語としても扱われることがあります）
謙譲語を適切に使うことで、相手への敬意だけでなく、自分の誠実さや丁寧さも伝えることができます。ビジネスシーンでは特に重要視されることが多いですね。
丁寧語の基本形
ここまで、尊敬語と謙譲語について見てきましたが、敬語の最も基本的な形として「丁寧語」があります。丁寧語は、言葉遣いを丁寧にすることで、相手に不快感を与えないようにするための言葉遣いです。
丁寧語の代表的なものは、「～です」「～ます」「～ございます」といった語尾です。これらを付けるだけで、普段の話し言葉が丁寧な印象になります。
- 「これ、おもしろいよ。」→「これは面白い です 。」
- 「友達と遊ぶ。」→「友達と遊び ます 。」
- 「どうぞ、お座りください。」→「どうぞ、お座り ございます 。」（少し古風ですが、丁寧さが増します）
丁寧語は、相手が誰であっても、どのような場面でも使える万能な敬語です。まずはこの丁寧語をしっかりマスターすることが、敬語の第一歩と言えるでしょう。
尊敬語と謙譲語の使い分け
さて、ここで「尊敬語」と「謙譲語」の使い分けについて、もう少し詳しく見ていきましょう。この二つを混同してしまうと、かえって失礼になってしまうこともあります。
一番のポイントは、 誰の動作や状態を高く表現したいか 、という点です。
| 種類 | 対象 | 例 |
| 尊敬語 | 相手、目上の人 | 「先生が いらっしゃいました 。」 |
| 謙譲語 | 自分、身内 | 「私が先生に資料を お持ちしました 。」 |
このように、先生の「来る」という動作は尊敬語で「いらっしゃる」とし、自分の「持っていく」という動作は謙譲語で「お持ちする」とするのが正しい使い方です。相手を立てるのか、自分をへりくだるのか、意識することが大切です。
美化語について
敬語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語の他に、「美化語」というものもあります。美化語は、言葉を美しく、上品に聞こえさせるための言葉遣いです。
美化語の代表的なものは、「お」「ご」を付けることです。「お茶」「ご飯」「お土産」などがそうです。これらは、相手への敬意を直接的に表すわけではありませんが、言葉遣いを丁寧で上品にする効果があります。
美化語は、主に名詞につきます。また、特定の動詞や形容詞につくこともあります。例えば、「お話しする」「ご存知」などです。
美化語は、日常会話でもよく使われており、自然に身につけやすい敬語と言えるでしょう。しかし、何にでも「お」「ご」を付ければいいというわけではありません。例えば、「お車」は正しいですが、「お自動車」とはあまり言いません。
まとめ：敬語で広がるコミュニケーション
「敬語」は、相手への敬意を示すための日本語の素晴らしい文化です。「尊敬語」や「謙譲語」、「丁寧語」、「美化語」など、それぞれの役割を理解することで、より豊かで円滑なコミュニケーションが可能になります。最初は難しく感じるかもしれませんが、日々の会話で意識して使っていくうちに、きっと自然と身についていきますよ。ぜひ、今日からあなたも敬語マスターを目指しましょう！