「n システム」と「オービス」、どちらもスピード違反などを取り締まるための装置ですが、その仕組みや目的にはいくつかの違いがあります。今回は、この n システム と オービス の 違い について、分かりやすく解説していきます。日常生活で車を運転する上で、これらの装置の存在を知っておくことは、安全運転のためにも非常に重要です。
似ているようで違う！n システム と オービス の基本性能
まず、それぞれの装置の基本的な役割から見ていきましょう。n システムとオービスは、どちらも交通違反の取り締まりを目的としていますが、その「撮り方」や「見つけ方」に特徴があります。
- オービス： 一般的に、固定式のカメラで、一定の区間を通過する車両の速度を測定します。速度超過が確認された場合、車両を自動的に撮影します。
- n システム： こちらは、移動式や半固定式のものもあり、より柔軟な設置が可能です。レーダーやレーザーを使って速度を測定し、違反車両を撮影します。
このように、オービスは「ここにありますよ！」と分かりやすい場所に設置されていることが多いのに対し、n システムは「いつ、どこで取り締まっているか分からない」という心理的な効果を狙っている面もあります。 どちらも、安全運転を促進し、事故を減らすために設置されている ことを忘れないようにしましょう。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
| 装置名 | 主な特徴 | 設置形態 |
|---|---|---|
| オービス | 固定式、一定区間の速度測定 | 道路脇に設置 |
| n システム | 移動式・半固定式、柔軟な設置 | 車両に搭載、三脚設置など |
オービスの進化：最新型オービスの秘密
一口にオービスと言っても、実は様々な種類があります。昔からあるフィルム式のものから、デジタル化されたもの、そして最近ではさらに進化を遂げたオービスも登場しています。
最新のオービスは、単に速度を測定するだけでなく、以下のような機能を持つものもあります。
- 画像鮮明化： 違反車両のナンバープレートはもちろん、運転手の顔まで鮮明に撮影できるようになっています。
- 多機能化： 速度違反だけでなく、信号無視や一時停止違反なども取り締まれるタイプが登場しています。
- AI活用： AI（人工知能）を搭載し、より正確な違反検知や、取り締まりの効率化を図っているものもあります。
これらの進化は、ドライバーの安全意識を高め、より多くの違反を未然に防ぐことを目的としています。 最新のオービスだからといって、基本的な取り締まりの目的が変わるわけではありません。
n システムの多様性：どこで活躍している？
n システムは、その名の通り「新型」とも言われ、オービスよりも後から導入されたり、より多様な形で使われたりしています。その柔軟な設置方法が、n システムの大きな特徴です。
n システムが活躍する場面としては、以下のようなものがあります。
- 移動オービス： パトカーに搭載されていたり、三脚で設置されたりするため、取り締まる場所を移動できます。
- ループコイル式： 道路に埋め込まれたコイルで車両を感知し、通過速度を測定します。
- レーダー式・レーザー式： 電波やレーザーを使って車両の速度を測定します。
このように、n システムは様々な技術を組み合わせて、より広範囲で、かつ臨機応変な取り締まりを可能にしています。 「まさかこんなところに？」という場所で取り締まりが行われることもある ため、常に注意が必要です。
取り締まりの「目」：n システムとオービスの撮影方法の違い
では、具体的にどのように違反を「見つけ」、そして「記録」するのでしょうか。n システムとオービスでは、その方法に違いが見られます。
オービスは、一般的に設置場所が決まっているため、ドライバーは「あの場所はオービスがある」と認識しやすい傾向があります。そのため、オービスの手前で速度を落とすドライバーもいるでしょう。しかし、近年のオービスは高性能化しており、以下のような特徴があります。
- レーダー波・光（ストロボ）： 速度を測定する際にレーダー波を使用し、違反を検知するとストロボが光って撮影します。
- デジタルカメラ： フィルムではなく、高画質のデジタルカメラで撮影するため、ナンバーはもちろん、運転者の顔もはっきりと記録できます。
一方、n システムの撮影方法は、さらに多様です。
- レーザー光： より正確な速度測定のためにレーザー光を使用するタイプがあります。
- デジタルビデオカメラ： 動画で車両の動きを捉え、速度を計測するものもあります。
- カメラの場所： 路肩のポールや、移動式の車両に搭載されていることが多く、オービスのように「ここ！」と分かりにくい場合があります。
どちらの装置も、違反の証拠を確実に記録するために、最新の技術が使われています。
「〇〇cm」の攻防：取り締まりの精度と許容範囲
「スピード違反は、実際にはもう少し余裕があるのではないか？」と考える人もいるかもしれません。しかし、これらの装置の精度は非常に高く、わずかな速度超過でも検知される可能性があります。
警察庁が発表している基準によると、一般道の法定速度プラス15km/h以上、高速道路では法定速度プラス20km/h以上での超過は、取り締まりの対象となりやすいとされています。ただし、これはあくまで目安であり、装置の誤差や検問の状況によっては、これより少ない超過でも検挙される可能性はゼロではありません。
安全運転を心がけ、法定速度を遵守することが最も確実な方法です。
装置ごとの精度について、以下にまとめます。
| 装置名 | 主な測定方式 | 精度 |
|---|---|---|
| オービス | ループコイル、レーダー、レーザー | 非常に高い（装置による） |
| n システム | レーダー、レーザー、ビデオ | 非常に高い（装置による） |
違反通知はいつ来る？：n システムとオービスの通知プロセス
取り締まりの対象になった場合、違反通知がいつ、どのように届くのかも気になるところです。n システムとオービスでは、通知のタイミングや方法に若干の違いが見られることがあります。
オービスの場合、固定式であることが多いため、撮影された後、ナンバープレート情報から所有者を特定し、後日、警察から通知が届くのが一般的です。通知が届くまでには、数週間かかることもあります。
一方、n システム、特に移動式のものは、その場で停止を求められる場合や、後日、検問などで補足される場合もあります。しかし、多くのn システムも、オービスと同様に、撮影後、ナンバープレート情報をもとに後日通知が送られてくるケースが多いです。
- 通知方法： 通常は、車両の使用者（所有者）宛てに、運転免許センターや警察署から「交通違反告知書（青切符）」が郵送されます。
- 通知までの期間： 装置の種類や取り締まりの状況によりますが、数日から数週間程度かかることが多いです。
いずれの場合も、通知が届いたら、期日までに適切に対処することが重要です。
通知プロセスを比較すると、以下のようになります。
- 撮影： 違反車両が装置に検知される。
- 情報特定： ナンバープレート情報から車両の所有者を特定する。
- 通知作成： 違反内容を記載した通知書を作成する。
- 郵送： 車両の所有者宛てに通知書を郵送する。
これは、n システムとオービスに共通する基本的な流れです。
最後に、n システムとオービスの違いについて、もう一度おさらいしておきましょう。
n システムとオービスの主な違いは、設置方法の柔軟性や、取り締まりの「見えにくさ」 にあります。オービスは固定式で分かりやすい場所に設置されていることが多いのに対し、n システムは移動式や半固定式で、より多様な場所で取り締まりを行うことができます。しかし、どちらの装置も、ドライバーの安全運転を促し、交通違反を減らすという目的は同じです。
これらの装置の存在を理解し、常に安全運転を心がけることが、私たちドライバーにとって最も大切なことです。