「心不全」と「うっ血性心不全」。この二つの言葉、なんとなく似ているようで、実は少し意味合いが違います。「うっ血 性 心不全 と 心不全 の 違い」について、今回は皆さんにわかりやすく、そして親しみやすく解説していきますね!
心臓のポンプ機能と「心不全」の全体像
まず、「心不全」というのは、心臓が全身に血液を送り出すポンプとしての働きが弱くなってしまった状態全般を指します。例えるなら、元気だったポンプがちょっとお疲れモードになって、本来の力を発揮できなくなってしまったイメージです。
このポンプ機能が低下すると、色々な困ったことが起こってきます。例えば、
- 体に必要な酸素や栄養が十分に行き渡らなくなる
- 体の中に水分が溜まりやすくなる
- 疲れやすくなったり、息切れしやすくなったりする
といった症状が現れることがあります。 つまり、「心不全」は心臓の機能低下という「病気の名前」そのものなのです。
心不全には、色々な原因があります。生まれつき心臓に病気がある場合もあれば、高血圧や心筋梗塞などが原因で心臓が弱ってしまうこともあります。
「うっ血性心不全」とは? 心臓が「詰まって」しまうイメージ
では、次に「うっ血性心不全」について見ていきましょう。「うっ血」というのは、血液の流れが悪くなって、血管の中に血液が溜まってしまう状態のことです。例えるなら、道路が渋滞して車が前に進めなくなってしまうようなイメージですね。
「うっ血性心不全」は、この「うっ血」が原因で起こる心不全の一種です。心臓のポンプ機能が弱ると、血液をうまく全身に送り出せなくなります。その結果、
- 心臓に戻ってくるべき血液が、心臓の手前で溜まってしまう(うっ血)
- 溜まった血液が、肺や体の他の部分に逆流してしまう
ということが起こります。この「うっ血」が原因で、さらに心臓に負担がかかり、症状が悪化してしまうのです。
具体的には、以下のような症状が現れることがあります。
| 症状 | 原因 |
|---|---|
| 息切れ、咳 | 肺に水分が溜まる(肺うっ血) |
| 足のむくみ | 足の血管に血液が溜まる(体うっ血) |
「うっ血性心不全」の具体的な症状
「うっ血性心不全」になると、具体的にどのような症状が出てくるのでしょうか。先ほど少し触れましたが、もう少し詳しく見ていきましょう。
まず、一番よく見られるのが「息切れ」です。特に、体を動かした時や、横になって休んでいる時に息苦しさを感じることがあります。これは、心臓から肺に血液がうまく戻らず、肺に水が溜まってしまう「肺うっ血」が原因です。
他にも、
- 夜中に息苦しくて目が覚めてしまう(起座呼吸)
- 咳が出やすい(特に横になった時)
- 足や顔がむくむ
- 体がだるい、疲れやすい
といった症状も、「うっ血性心不全」のサインかもしれません。
「うっ血性心不全」が起こるメカニズム
「うっ血性心不全」がどのようにして起こるのか、そのメカニズムをもう少し掘り下げてみましょう。心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋に分かれています。右心房に全身から戻ってきた血液を受け取り、右心室から肺に送り出します。肺で酸素を受け取った血液は、左心房に戻り、左心室から全身に送り出される、という流れになっています。
このポンプが弱ってしまうと、
- 右心不全の場合: 体に血液が溜まりやすくなり、足のむくみや腹水などが起こります。
- 左心不全の場合: 肺に血液が溜まりやすくなり、息切れや咳などの呼吸器症状が出やすくなります。
多くの場合、左心不全が先に起こり、それが悪化すると右心不全も併発することがあります。まさに、心臓のポンプ機能の低下が、体全体に「うっ血」という形で影響を与えてしまうのです。
「心不全」と「うっ血性心不全」の「違い」のまとめ
さて、ここまでの話を整理して、「うっ血 性 心不全 と 心不全 の 違い」をもう一度確認しましょう。
「心不全」は、心臓のポンプ機能が弱っている状態全般を指す、より広い概念です。病気の原因や結果を含めた、心臓の機能不全そのものを表します。
一方、「うっ血性心不全」は、その「心不全」の中でも、心臓のポンプ機能低下によって血液の流れが悪くなり、体の中に血液が溜まってしまう(うっ血)状態が特徴的なものです。つまり、**「うっ血」という具体的な症状を伴う心不全のタイプ**と言えます。
例えるなら、
- 「車が故障した」→「心不全」
- 「故障した車が渋滞を引き起こして、道路が詰まっている」→「うっ血性心不全」
というような関係性です。心不全という大きな枠組みの中に、うっ血性心不全という具体的な症状を持つ病態がある、と理解していただけると良いでしょう。
「うっ血性心不全」への対処法
もし「うっ血性心不全」と診断された場合、どのように対処していくのでしょうか。重要なのは、心臓の負担を減らし、症状を和らげることです。
主な対処法としては、
- 薬物療法: 利尿薬で体の中の余分な水分を排出し、心臓の働きを助ける薬(強心薬)などを使用します。
- 生活習慣の改善: 塩分や水分を控える、禁煙、適度な運動(医師の指導のもと)、十分な休息が大切です。
- 原因疾患の治療: 高血圧や不整脈など、心不全の原因となっている病気の治療も並行して行います。
これらの治療を継続することで、症状をコントロールし、より快適な生活を送ることが目指せます。 自己判断で薬をやめたりせず、必ず医師の指示に従うことが何よりも重要です。
まとめ:心臓の健康を守るために
「うっ血 性 心不全 と 心不全 の 違い」について、ご理解いただけたでしょうか? 心不全は、心臓のポンプ機能が弱まった状態全般を指し、うっ血性心不全はその中でも血液のうっ血が特徴的なタイプです。どちらも、早期発見と適切な治療が大切です。日頃から健康に気を配り、体の変化に気づいたら、専門医に相談するようにしましょう。皆さんの心臓が元気に働き続けることを願っています!