デザインの世界に足を踏み入れたばかりの皆さん、「photoshop と illustrator の 違いって何?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、この二つはクリエイターの強力な味方ですが、得意なことが全然違うんです。この二つの違いを理解することは、あなたのアイデアを形にする上でとっても大切なんですよ!
1. 絵の具と定規:描画方法の違い
photoshop は、まるでデジタルな絵の具箱。写真のように、ピクセル(点)の集まりで絵を描いていきます。だから、写真のレタッチや、筆のタッチを活かした絵を描くのが得意なんです。一方、illustrator は、数学的な「点」と「線」で形を作っていきます。まるで定規で線を引くように、正確な図形やロゴを作成するのに向いています。
この違いが、それぞれの得意分野に繋がっています。
- photoshop: 写真の質感をそのまま活かしたい、グラデーションを滑らかに表現したい、手書き風の温かみを加えたい場合に最適です。
- illustrator: ロゴ、アイコン、イラスト、文字のデザインなど、シャープでクリアな線が求められるものを作るのに適しています。
この描画方法の違いこそが、photoshop と illustrator の最も根本的な違いであり、どちらを選ぶべきかを決定する重要なポイントになります。
| photoshop | illustrator |
| ピクセルベース(ラスター形式) | ベクターベース(ドロー形式) |
写真加工とイラスト作成:用途の違い
photoshop は、写真の明るさや色合いを調整したり、不要なものを消したり、コラージュを作ったりと、写真加工のスペシャリストです。まるで写真に魔法をかけるように、イメージ通りの仕上がりに近づけることができます。肌のシミを消したり、風景の空の色を変えたり、そんな作業はお手の物です。
一方、illustrator は、イラストやロゴ、図形などのデザインを得意とします。線画のイラストや、フラットな塗り分けが特徴のキャラクターデザイン、企業のロゴマークなど、シンプルで分かりやすいデザインを作るのに強みを発揮します。後から色を変えたり、サイズを大きくしても、線がギザギザにならないのが嬉しいところです。
具体的には、以下のような使い分けが一般的です。
- 写真のレタッチ・合成:photoshop
- ロゴ・アイコンデザイン:illustrator
- Webサイトのバナー作成:どちらも可能ですが、イラスト中心ならillustrator、写真中心ならphotoshop
あなたの作りたいものが「実写に近いもの」なのか、「デザインされたもの」なのかを考えると、どちらが向いているかが分かりやすくなります。
拡大・縮小時の画質:解像度の秘密
photoshop で作成した画像は、拡大するとピクセルが目立ってしまい、画質が荒くなることがあります。これは、ピクセルという「点」で描かれているため、拡大するとその「点」が大きくなり、ギザギザに見えてしまうからです。まるで、細かい砂絵を無理に大きく引き伸ばしたようなイメージですね。
しかし、illustrator で作成したものは、数学的な計算によって描かれているため、どれだけ拡大・縮小しても画質が劣化しません。どんなに大きなポスターに印刷しても、小さな名刺サイズにしても、常に鮮明なままです。これは、イラストレーターの大きな魅力の一つと言えるでしょう。
- photoshop: 固定解像度。拡大で画質が荒れる可能性がある。
- illustrator: 解像度に依存しない。拡大・縮小しても画質が劣化しない。
この「拡大・縮小しても画質が変わらない」という特性は、印刷物など、様々なサイズで展開されるデザインにおいて、illustrator が非常に強力なツールであることを示しています。
文字の扱い:フォントの力
photoshop で文字を入力すると、その文字はピクセルとして扱われます。そのため、拡大すると文字もギザギザしてしまうことがあります。文字の形を大きく変えたり、歪ませたりする編集は得意ですが、文字そのもののクオリティを保ったままサイズ変更を繰り返すのには向いていません。
一方、illustrator は文字を「パス」という線で表現するため、拡大・縮小しても文字が劣化しません。さらに、文字の形を自由に変形させたり、アウトライン化してパスとして編集したりと、文字のデザインを極めることができます。フォントの選択肢も豊富で、文字にこだわりたいデザイナーにとっては必須のソフトと言えるでしょう。
| photoshop | illustrator |
| 文字をピクセルとして扱う | 文字をベクターパスとして扱う |
「文字をデザインの一部として扱いたい」「文字に装飾を加えたい」という場合は、illustrator の方が圧倒的に有利です。
得意なファイル形式:保存の工夫
photoshop の得意なファイル形式は、写真の保存によく使われるJPEGやPNG、そして編集途中の状態を保存できるPSDなどです。これらの形式は、写真の色味やグラデーションを綺麗に表現するのに適しています。
illustrator は、ベクター形式のAI(Adobe Illustrator)やEPS、SVGなどが得意です。これらの形式は、拡大・縮小しても画質が劣化しないため、ロゴやイラストなどのデザインデータを保存するのに最適です。PDF形式もよく使われ、印刷物やWebでの共有に便利です。
それぞれのファイル形式の主な用途をまとめると以下のようになります。
- JPEG: 写真やイラストの共有(ファイルサイズが小さい)
- PNG: 透過画像(背景なし)の保存
- PSD: photoshopでの編集用
- AI: illustratorでの編集用
- EPS: 印刷業界でよく使われるベクター形式
- SVG: Webで使われるベクター形式
「どこで使うか」「どのように保存したいか」を考えることで、最適なファイル形式と、それに適したソフトが見えてきます。
クリエイティブの共演:使い分けと連携
photoshop と illustrator は、それぞれ得意なことが違いますが、実は組み合わせて使うことで、さらに強力なツールになります。例えば、illustrator でロゴを作成し、そのロゴをphotoshop で写真に合成するといった使い方も一般的です。
「まずはillustrator でイラストの輪郭をきれいに描いて、それをphotoshop に持ってきて色を塗ったり、質感を加えたりする」といった、二つのソフトを連携させたワークフローは、多くのクリエイターに活用されています。
このように、それぞれの強みを理解し、目的に応じて使い分けることが、よりクオリティの高い作品を生み出す秘訣です。
- illustrator でロゴの元データを作成。
- photoshop で写真にロゴを配置し、自然な馴染ませ加工を行う。
「どちらか一つだけ」ではなく、「どう組み合わせればより良いものが作れるか」という視点を持つことが、クリエイティブの可能性を広げます。
いかがでしたか? photoshop と illustrator の違い、少しは分かっていただけたでしょうか? どちらのソフトも、あなたのアイデアを形にするための素晴らしい道具です。それぞれの特徴を理解して、あなたのクリエイティビティを存分に発揮してくださいね!