http と https の 違いを徹底解説!インターネットをもっと安全に使いこなそう

ウェブサイトを閲覧しているときに、URLの先頭に「http」または「https」と表示されているのを見たことがあると思います。この「http」と「https」の違いは、実はインターネットを安全に使う上でとても重要なんです。今回は、この http と https の 違い について、分かりやすく解説していきます。

通信の「鍵」の有無がhttpとhttpsの決定的な違い

まず、http と https の違いの最も大きな点は、「通信が暗号化されているかどうか」です。httpは「Hypertext Transfer Protocol」の略で、ウェブブラウザとサーバー間で情報をやり取りするための基本的なルールです。一方、httpsは「Hypertext Transfer Protocol Secure」の略で、httpに「Secure(安全)」が加わったもの。つまり、通信が暗号化されているんです。

暗号化されているということは、まるで秘密の通路を通って情報を送っているようなものです。もし、httpで送られた情報が途中で第三者に盗み見られた場合、その内容はそのまま読めてしまいます。しかし、httpsで暗号化されていれば、たとえ途中で盗み見られたとしても、解読できない文字列に変換されているため、安全なのです。

この通信の暗号化こそが、http と https の違いにおいて最も重要視されるべき点です。

  • http: 通信が暗号化されていない
  • https: 通信が暗号化されている

httpsで実現される3つの安全

httpsが安全だと言われるのには、いくつかの理由があります。まず、先ほども説明した「通信の暗号化」。これにより、第三者によるデータの盗聴を防ぐことができます。例えば、ログイン情報やクレジットカード番号などの個人情報を送る際には、httpsで通信されていることが必須と言えるでしょう。

次に、「なりすまし防止」の機能です。httpsでは、ウェブサイトが本物であることを証明する「SSL/TLS証明書」というものを使います。これは、ウェブサイトの運営者が信頼できる機関によって確認されていることを示します。これにより、偽のウェブサイトに誘導されてしまうリスクを減らすことができます。

最後に、「データの完全性」です。通信中にデータが改ざんされていないかをチェックする仕組みもあります。たとえ第三者がデータを途中で書き換えようとしても、httpsであればそれに気づくことができるのです。

  1. 通信の暗号化(盗聴防止)
  2. なりすまし防止(SSL/TLS証明書による本人確認)
  3. データの完全性(改ざん検知)

SSL/TLS証明書とは?

SSL/TLS証明書は、ウェブサイトが信頼できることを証明する「身分証明書」のようなものです。ウェブサイトの運営者が、信頼できる第三者機関(認証局)に申請し、審査を通過することで発行されます。この証明書があることで、ブラウザはウェブサイトの運営者が本当にそのウェブサイトの管理者であるかを確認できるようになるのです。

具体的には、ブラウザはウェブサイトにアクセスする際に、そのSSL/TLS証明書をチェックします。証明書が有効で、かつ信頼できる認証局によって発行されている場合、ブラウザは「このウェブサイトは安全です」というサイン(アドレスバーが緑色になったり、鍵マークが表示されたり)を出してくれます。

この証明書がない、あるいは無効な証明書を使っているウェブサイトにアクセスすると、ブラウザは警告を表示することがあります。これは、そのウェブサイトが安全でない可能性を示唆しているため、注意が必要です。

証明書の種類 確認レベル 用途例
ドメイン認証SSL/TLS証明書 ドメインの所有権のみを確認 個人ブログ、情報サイト
企業実体認証SSL/TLS証明書 ドメイン所有権と組織の実在性を確認 ECサイト、企業サイト
EV SSL/TLS証明書 最も厳格な審査(組織の実在性、法的地位など) 銀行、政府機関、大規模ECサイト

ブラウザの表示とhttp/https

普段私たちがウェブサイトを閲覧する際に、ブラウザの表示はhttpとhttpsの違いを色濃く反映しています。httpsで接続されているウェブサイトの場合、URLの横に「鍵マーク」が表示されることが一般的です。これは、通信が暗号化されており、安全であることを示しています。

一方、httpで接続されているウェブサイトの場合は、鍵マークは表示されず、場合によっては「保護されていない通信」といった警告が表示されることもあります。特に、個人情報などを入力する場面でこのような表示が出た場合は、注意が必要です。

近年では、Googleなどの検索エンジンも、httpsで接続されているサイトを検索結果で優遇するようになっています。これは、ユーザーがより安全にインターネットを利用できる環境を推奨するためです。

ブラウザが提供するこれらの表示は、私たちがウェブサイトの安全性を判断するための重要な手がかりとなります。常に鍵マークの有無や警告表示に注意を払うようにしましょう。

なぜhttpからhttpsへの移行が進んでいるのか

ウェブサイトの運営者にとって、httpsへの移行はもはや「オプション」ではなく「必須」になりつつあります。その背景には、前述したセキュリティ上のメリットに加えて、以下のような理由があります。

  • ユーザーからの信頼向上: 鍵マークが表示されることは、ユーザーに安心感を与え、サイトへの信頼を高めます。特に、個人情報を取り扱うサイトでは、httpsへの対応は必須と言えるでしょう。
  • SEO(検索エンジン最適化)への影響: Googleをはじめとする検索エンジンは、httpsで接続されているサイトを高く評価する傾向があります。これは、ユーザーの安全を最優先に考えるGoogleの姿勢の表れです。
  • 最新のウェブ技術の利用: 一部の新しいウェブ技術(例えば、一部のブラウザ機能やHTTP/2など)は、https接続を前提としています。これらを利用するためには、httpsへの移行が不可欠です。

これらの理由から、多くのウェブサイトが積極的にhttpsへの移行を進めています。もし、あなたのウェブサイトを運営しているなら、ssl/tls証明書を取得し、https化することを強くおすすめします。

httpとhttpsの具体的な使い分け

では、httpとhttpsは具体的にどのように使い分ければ良いのでしょうか。結論から言うと、 原則として、すべてのウェブサイトでhttpsを利用することが推奨されます。

特に、以下のような場面ではhttpsが必須です。

  1. ログインページや会員登録ページ: ユーザー名やパスワードなどの個人情報がやり取りされるため、暗号化が必須です。
  2. オンラインショッピングや決済ページ: クレジットカード情報などの機密性の高い情報が送受信されるため、httpsが絶対条件です。
  3. 問い合わせフォーム: 名前やメールアドレスなどの個人情報が含まれるため、安全な通信が求められます。

一方で、単なる情報公開のみで、ユーザーが個人情報を入力する機会がないウェブサイトであっても、httpsを利用することが推奨されます。これは、将来的な機能拡張や、ユーザーからの信頼を得るためです。

httpとhttpsの切り替え方法

httpからhttpsへの切り替えは、ウェブサイトの運営者にとっては少し専門的な作業になりますが、一般的には以下の手順で行われます。

  • SSL/TLS証明書の取得: 信頼できる認証局から証明書を購入または無料で取得します。
  • サーバーへの証明書のインストール: 取得した証明書をウェブサーバーに設定します。
  • ウェブサイトのURL変更: 「http://」を「https://」に変更します。
  • リダイレクト設定: 旧httpのURLへのアクセスを新httpsのURLへ自動的に転送するように設定します。

これらの作業は、利用しているレンタルサーバーの提供元がSSL/TLS証明書の導入をサポートしている場合も多いので、まずはそちらに確認してみるのが良いでしょう。もし自分で設定するのが難しい場合は、専門の業者に依頼することも可能です。

切り替え作業自体は、ウェブサイトのダウンタイム(一時的にサイトが見られなくなる時間)を最小限に抑えながら行うことが可能です。

httpとhttpsの未来

インターネットがますます安全性を重視する方向へと進む中で、httpは徐々に姿を消していくと考えられます。Googleはすでに、Chromeブラウザでhttpサイトに対して「保護されていない通信」という表示をより目立つようにしており、今後さらに利用を推奨しない方針を強めるでしょう。

httpsは、もはや特別なものではなく、ウェブサイト運営における「基本」となります。私たちは、ウェブサイトを閲覧する際に、常にhttpsで安全な通信が行われているかを確認する習慣をつけることが大切です。

将来的には、httpという通信方式自体がほとんど見られなくなり、すべてのウェブサイトがhttpsで安全に通信されるのが当たり前になる未来が来るかもしれません。

このように、httpとhttpsの違いを理解し、httpsで安全な通信が行われているウェブサイトを積極的に利用することは、インターネットをより安全で快適に利用するための第一歩です。これからも、この知識を活かして、安心・安全なインターネットライフを送りましょう!

関連記事: