企業 年金 と 厚生 年金 の 違い を わかりやすく解説!どっちがお得?

「企業年金と厚生年金の違いって何?」そう思っている方も多いのではないでしょうか。一見難しそうに聞こえますが、この二つの年金制度の違いを理解することは、将来のお金について考える上でとても大切です。ここでは、企業年金と厚生年金の違いについて、分かりやすく解説していきます。

制度の基本:誰が、どのように、なぜ?

まず、厚生年金は、日本に住む会社員や公務員などが、国が運営する年金制度です。これは、病気やケガ、老齢、障害、死亡といった万が一の時に、自分や家族の生活を支えるためのセーフティネットのようなものです。給料から保険料が天引きされる形で、みんなで少しずつお金を出し合って、将来みんなのために使われるという仕組みになっています。

一方、企業年金は、会社が従業員のために用意する、厚生年金に上乗せする形で支払われる年金です。会社によって導入しているかどうかも違いますし、どんな種類の企業年金があるかも様々です。 従業員の老後の生活をより豊かにするために、会社が独自に設けている制度 と言えるでしょう。

この制度の違いを理解することは、将来のライフプランを立てる上で非常に重要です。企業年金があるかないかで、将来受け取れる年金額は大きく変わってきますからね。

  • 厚生年金:国が運営する、加入が義務付けられている年金
  • 企業年金:会社が従業員のために設ける、加入は任意の場合が多い年金

給付の仕組み:どうやってお金がもらえるの?

厚生年金は、原則として65歳から受け取ることができます。ただし、受給開始年齢は将来的に引き上げられる予定もあります。年金額は、これまで払ってきた保険料の総額や、加入期間、そして現役時代の収入などによって決まります。計算方法が少し複雑なので、正確な金額は日本年金機構のウェブサイトなどで確認するのがおすすめです。

企業年金は、その種類によって受け取り方が異なります。

企業年金の種類 受け取り方
確定給付年金 (DB) 毎月一定額が年金として受け取れる、または一時金として受け取れる
確定拠出年金 (DC) 自分で運用した結果によって受け取れる金額が変わる

一般的に、企業年金も60歳や65歳など、一定の年齢から受け取れるようになります。受け取り方も、年金形式で毎月もらうか、一時金としてまとめてもらうかを選択できる場合が多いです。

加入資格:誰が加入できるの?

厚生年金は、基本的に会社員や公務員など、企業に勤務している人が加入対象となります。自営業者やフリーランスの方などは、国民年金に加入することになります。厚生年金は、国民年金に上乗せされる形で加入する制度です。

企業年金については、導入している会社に勤務している従業員が加入対象となります。ただし、会社によっては、勤続年数などの条件が設けられている場合もあります。また、企業年金にはいくつかの種類があり、それぞれ加入条件が異なることもあります。

例えば、確定拠出年金(DC)の場合、加入者自身が運用を行うため、ある程度の金融知識が必要とされることもあります。しかし、多くの場合、会社が研修の機会を提供したり、運用のアドバイスを行ったりしています。

  1. 会社員・公務員 → 厚生年金に加入
  2. 企業年金導入企業の従業員 → 企業年金に加入できる場合がある

保険料の負担:誰がいくら払うの?

厚生年金の保険料は、会社員の場合、給料から天引きされます。会社と従業員が折半して負担するのが一般的です。つまり、給料の約18.3%(2024年現在)が厚生年金保険料となり、その半分を会社が、半分を従業員が負担していることになります。

企業年金の場合、保険料の負担は企業や制度によって異なります。

  • 会社が全額負担するケース
  • 会社と従業員が一部ずつ負担するケース
  • 従業員が任意で追加拠出できるケース (確定拠出年金の場合)

企業年金があることで、将来受け取れる年金額が増えるのはもちろん、会社が保険料の一部、あるいは全額を負担してくれるのであれば、従業員にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

税制上の優遇:税金はどうなるの?

厚生年金保険料は、全額所得控除の対象となります。つまり、保険料を支払った分だけ、所得税や住民税が軽減されるということです。これは、将来のために貯蓄をしていることへの、国からのサポートとも言えます。

企業年金にも、税制上の優遇措置があります。特に確定拠出年金(DC)は、個人型確定拠出年金(iDeCo)と同様に、掛金が全額所得控除になるため、所得税・住民税の軽減効果が大きいです。

さらに、運用益に対しても税金がかからない、または優遇される制度もあります。これにより、将来のための資産形成がより効率的に進められるようになります。

この税制優遇は、将来の老後資金を準備する上で、非常に魅力的なポイントです。

  1. 掛金が所得控除の対象
  2. 運用益が非課税または軽減

将来の年金額:どっちが有利?

将来受け取れる年金額については、一概にどちらが有利とは言えません。厚生年金は、加入期間や収入によって決まるため、加入していれば必ず一定額が受け取れます。これは、将来の生活設計を立てる上で、安心材料となります。

一方、企業年金は、その種類や運用成績によって、受け取れる金額が大きく変動する可能性があります。確定給付年金(DB)であれば、あらかじめ決められた金額が受け取れますが、確定拠出年金(DC)の場合は、自分で運用した結果次第で、受け取れる金額が増えることもあれば、減ることもあります。

しかし、企業年金は厚生年金に上乗せされるものなので、もし企業年金制度が充実していれば、トータルで受け取れる年金額は厚生年金だけの場合よりも多くなる可能性が高いです。

年金の種類 年金額の目安 変動要因
厚生年金 加入期間・収入による なし(確定)
企業年金 (DB) あらかじめ定められた額 なし(確定)
企業年金 (DC) 運用結果による あり(変動)

最終的には、ご自身の状況や会社の制度、そして将来のライフプランに合わせて、どのような年金制度が自分にとって有利なのかを考えることが大切です。

まとめ

企業年金と厚生年金の違いは、制度の運営主体、加入資格、給付の仕組み、保険料の負担、そして税制上の優遇など、様々な点にあります。厚生年金は国が運営する基本的な年金制度であり、企業年金は会社が従業員のために用意する上乗せの制度です。どちらも将来の安心のために大切な制度ですので、ご自身の状況に合わせて、しっかりと理解を深めていきましょう。

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