心療 内科 と 精神科 の 違い を わかりやすく解説!

「心療内科」と「精神科」、どちらも心の不調を診てくれるお医者さんだけど、具体的に何が違うの?と疑問に思ったことはありませんか?実は、心療内科と精神科の大きな違いは、 アプローチの仕方や得意とする症状 にあります。この違いを知っておくと、自分がどの科にかかれば良いか迷った時に役立ちますよ。

心と体のつながりを診る心療内科

心療内科は、心の状態が体の症状として現れる「心身症」を中心に扱います。例えば、ストレスで胃が痛くなったり、動悸がしたり、不眠になったりといった、 「これって心のせい?」と思うような体の不調 に注目します。心療内科のお医者さんは、患者さんの心だけでなく、体にも現れている症状を全体的に診て、原因を探っていきます。

心療内科での治療では、以下のような方法が取られることが多いです。

  • カウンセリング
  • リラクゼーション法
  • 薬物療法(症状を和らげるための薬)

このように、心療内科では、心と体の両方のアプローチで、症状の改善を目指します。 心のケアが、体の不調を改善することにつながる という考え方が特徴です。

心の病気そのものを専門とする精神科

一方、精神科は、うつ病、統合失調症、パニック障害、不安障害など、 気分や思考、行動に影響を与える様々な心の病気 そのものを専門に扱います。もちろん、心療内科で扱うような心身症の患者さんも診ることはありますが、より精神的な症状に重きを置いていると言えます。

精神科の診療では、次のようなことが一般的です。

  1. 問診(詳しくお話を聞く)
  2. 心理検査
  3. 診断
  4. 治療方針の決定(薬物療法、精神療法、社会復帰支援など)

精神科では、病気のメカニズムを理解し、より専門的な治療を提供することを目指しています。 病気そのものを特定し、適切な治療につなげること が大切にされています。

受診する科を選ぶポイント

では、具体的にどのような場合にどちらの科を選ぶと良いのでしょうか。まずは、ご自身の症状を整理してみましょう。

こんな症状なら… 心療内科も検討 精神科も検討
ストレスからくる胃痛、頭痛、動悸、不眠
気分の落ち込みがひどく、何もする気になれない
急に強い不安に襲われる、パニック発作
幻聴や幻覚がある

まずは、自分の体の不調なのか、それとも心の病気そのもののように感じるのか 、という点で考えてみると良いでしょう。もし迷った場合は、かかりつけ医に相談するか、どちらの科でもまずは診てもらえるか問い合わせてみるのがおすすめです。

心療内科と精神科の重複する部分

ただし、心療内科と精神科は、全く別物というわけではありません。両方の科で共通して行われる治療法もあります。

  • 薬物療法: 症状を和らげるために、抗うつ薬や抗不安薬などが処方されることがあります。
  • 精神療法(カウンセリング): 専門家との対話を通じて、心の悩みや問題を解決していく方法です。

どちらの科でも、患者さんの状態に合わせて、これらの治療法を組み合わせて行う ことがあります。そのため、初診でどちらの科にかかっても、必要に応じてもう一方の科を紹介されることもあります。

どちらの科も「心」を扱う専門家

心療内科も精神科も、患者さんの「心」の健康をサポートする専門家であることに変わりはありません。 「心の病気は恥ずかしい」「精神科は怖い」といったイメージを持っている方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

どちらの科も、専門的な知識と技術をもって、一人ひとりに合った治療法を提供してくれます。 大切なのは、悩みを抱え込まず、専門家の力を借りること です。

心療内科と精神科、どちらを選ぶべき?

結局、どちらの科が良いのか迷うときは、以下の点を参考にしてみてください。

  1. 体の症状が強く、それがストレスと関係していると感じる場合: 心療内科から始めてみるのが良いかもしれません。
  2. 気分の落ち込み、意欲の低下、強い不安感など、精神的な症状がはっきりしている場合: 精神科の方が専門的な治療を受けやすい可能性があります。
  3. どちらか迷う場合、または両方の症状がある場合: まずはどちらかの科で相談してみましょう。

「心の不調かな?」と思ったら、まずは勇気を出して相談することが第一歩 です。

専門医による診断の重要性

心療内科と精神科のどちらを受診するにしても、 専門医による正確な診断が非常に重要 です。自己判断で「これは〇〇病だ」と決めつけてしまうと、適切な治療が遅れてしまう可能性があります。

診察では、以下のようなプロセスで診断が進められます。

  • 詳細な問診: 症状の経過、生活習慣、家族歴など、様々なことを詳しく聞かれます。
  • 身体診察: 体に異常がないか、医師が直接診察します。
  • 心理検査: 必要に応じて、性格や精神状態を調べる検査が行われます。

これらの丁寧なプロセスを経て、はじめて適切な診断と治療が開始される のです。

治療の目標とゴール

心療内科と精神科、どちらの科でも、最終的な治療の目標は、患者さんがより良く生活できるようになることです。

治療の目標 心療内科 精神科
症状の緩和 〇(心身両面) 〇(精神的症状)
原因の理解と対処 〇(ストレス要因など) 〇(病気のメカニズムなど)
再発予防
社会生活への復帰

病状によっては、心療内科と精神科の両方の視点からのアプローチが必要になることもあります。

まとめ:迷ったら相談!

心療内科と精神科のどちらを受診すべきか、少しはイメージがつかめたでしょうか?大切なのは、 「心の不調かな?」と思ったら、一人で悩まず、まずは専門家である医師に相談する ことです。どちらの科にかかるのが適切かは、医師が判断してくれます。あなたの心の健康を第一に考えて、適切なサポートを受けてくださいね。

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