麻疹 と 風疹 の 違い を徹底解説!知っておくべきポイント

麻疹(はしか)と風疹(ふうしん)は、どちらもウイルスによって引き起こされる感染症で、発熱や発疹といった似た症状が出ることがあります。しかし、原因となるウイルスや症状、合併症、そして予防法など、麻疹 と 風疹 の 違い はいくつかあり、それぞれ注意が必要です。この違いを理解することで、ご自身や大切な人の健康を守るための知識を深めることができます。

似ているようで違う!症状と原因ウイルスの違い

麻疹と風疹は、どちらも飛沫感染で広がる、いわゆる「かぜ」のような病気と思われがちですが、その原因となるウイルスが異なります。麻疹は「麻疹ウイルス」、風疹は「風疹ウイルス」という、それぞれ別のウイルスによって引き起こされます。そのため、症状の現れ方や経過にも違いが見られます。

具体的には、以下のような違いがあります。

  • 麻疹:
    1. 潜伏期間が比較的長く(10~14日程度)、初期症状として高熱、咳、鼻水、結膜炎(目やに、充血)が現れます。
    2. 口の中に白い小さな発疹(コプリック斑)が見られるのが特徴的です。
    3. その後、顔や耳の後ろから始まり、全身に広がる赤褐色の発疹が出ます。
  • 風疹:
    1. 潜伏期間は麻疹より短く(14~21日程度)、初期症状は比較的軽いことが多く、微熱、咳、鼻水、喉の痛みなどです。
    2. 特徴的なのは、耳の後ろや首のリンパ節が腫れることです。
    3. 発疹は麻疹よりも薄いピンク色で、顔から始まり、数日で消えていくのが一般的です。

麻疹 と 風疹 の 違い を早期に把握することは、適切な治療や感染拡大を防ぐ上で非常に重要です。

重症度と合併症:見過ごせないリスク

麻疹と風疹の最も大きな違いの一つは、その重症度と合併症のリスクです。風疹は一般的に軽症で済むことが多いのですが、麻疹は重症化しやすく、様々な合併症を引き起こす可能性があります。

麻疹 風疹
肺炎、中耳炎、脳炎(重篤な場合、後遺症が残ることも)など 関節炎、血小板減少性紫斑病など(まれに脳炎を起こすことも)

特に注意が必要なのは、風疹における「先天性風疹症候群」です。妊娠初期の女性が風疹に感染すると、お腹の赤ちゃんに心疾患、難聴、白内障などの重い障がいが現れる可能性があります。 この先天性風疹症候群を防ぐことは、麻疹 と 風疹 の 違い を理解する上で、最も見過ごせない点と言えるでしょう。

感染力と潜伏期間:知っておきたい広がりやすさ

麻疹と風疹は、どちらも感染力が非常に強い病気ですが、その感染経路や潜伏期間には違いがあります。

麻疹は、空気感染をするため、感染している人が咳やくしゃみをしたり、話したりした際に飛び散ったウイルスが空気中に漂い、それを吸い込むことで感染します。そのため、感染力が非常に強く、集団発生しやすい特徴があります。

風疹も飛沫感染ですが、麻疹ほど空気感染の力は強くありません。それでも、感染力が高いことに変わりはなく、接触によって感染が広がります。

以下に、それぞれの潜伏期間と感染期間をまとめました。

  • 麻疹:
    1. 潜伏期間:10~14日
    2. 感染期間:発疹が出現する数日前から、発疹出現後4日程度まで(ただし、免疫がない人は発疹出現後10日程度まで感染源となりうる)
  • 風疹:
    1. 潜伏期間:14~21日
    2. 感染期間:発疹出現の1週間前から、発疹出現後1週間程度まで

診断方法:どのように見分ける?

麻疹と風疹の診断は、主に症状や流行状況、そして検査によって行われます。医師は、患者さんの訴える症状や、発疹の様子、周りで同じような病気が流行していないかなどを総合的に判断します。

より正確な診断のためには、血液検査や鼻や喉のぬぐい液を使った検査が行われます。これらの検査で、それぞれのウイルスに対する抗体やウイルスの遺伝子を検出することで、麻疹か風疹かを特定します。

早期に正確な診断を受けることが、麻疹 と 風疹 の 違い を見極め、適切な処置をとるための第一歩となります。

治療法:対症療法が中心

麻疹と風疹のどちらも、現在のところ、ウイルスそのものを直接攻撃する特効薬はありません。そのため、治療は基本的に症状を和らげる「対症療法」が中心となります。

具体的には、発熱や痛みに対して解熱鎮痛剤を使用したり、咳や鼻水などの症状が強い場合には、それらを緩和する薬が処方されたりします。また、二次的な細菌感染を防ぐために抗生物質が使われることもあります。

感染を広げないためにも、そしてご自身の回復を早めるためにも、症状が出たら無理せず安静にし、医師の指示に従うことが大切です。

予防法:ワクチン接種が最も効果的

麻疹と風疹を予防する上で、最も効果的なのはワクチン接種です。日本国内では、麻疹と風疹を同時に予防できる「MRワクチン」が定期接種として推奨されています。このワクチンは、麻疹と風疹の両方に対する免疫を効果的に得ることができます。

特に、過去に麻疹にかかったことがない、またはワクチンを接種したことがない方は、感染リスクが高まります。 麻疹 と 風疹 の 違い を理解した上で、ご自身の免疫状況を確認し、必要であればワクチン接種を検討することが、自分自身と周りの人々を守るための最善策と言えるでしょう。

以下は、MRワクチンの接種スケジュールです。

  1. 1期:1歳~2歳未満
  2. 2期:小学校入学前1年間(4歳~6歳未満)

麻疹と風疹は、似ているようで異なる感染症です。それぞれの特徴を理解し、適切な予防策を講じることで、これらの病気から自分自身と大切な人を守ることができます。もし、気になる症状がある場合は、迷わず医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

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