nd フィルター と pl フィルター の 違い を 知って、写真表現の幅を広げよう!

写真撮影をしていると、よく「NDフィルター」と「PLフィルター」という言葉を耳にするかと思います。この二つのフィルター、名前は似ていますが、実は全く違う役割を持っているんです。「nd フィルター と pl フィルター の 違い」をしっかり理解することで、あなたの写真表現の可能性はぐっと広がるはず。この記事では、それぞれのフィルターの特性から、どんな時にどちらを使うべきなのかまで、分かりやすく解説していきます。

NDフィルター:光の量をコントロールする万能選手

NDフィルターは、「Neutral Density Filter」の略で、日本語にすると「減光フィルター」と呼ばれます。このフィルターの最大の特徴は、 色味を変えずに光の量を減らすことができる 点です。まるでサングラスのように、レンズに入る光の強さを均一に抑えてくれるイメージですね。なぜ光の量を減らす必要があるのか、それは主に日中の明るすぎる場所で、スローシャッターを切るためです。例えば、滝の流れを絹糸のように滑らかに写したり、日中の海で水面をぼかしたりするのに大活躍します。

NDフィルターには、効果の強さによって様々な種類があります。数字で表されることが多く、数字が大きいほど光を遮る量が多くなります。

  • ND2:光を1/2に減らす
  • ND4:光を1/4に減らす
  • ND8:光を1/8に減らす
  • ND1000:光を1/1000に減らす

これらの数字を覚えておくと、フィルター選びの際に役立ちます。また、NDフィルターには「可変式」といって、ダイヤルを回すことで光の減光量を調整できるタイプもあります。これは一本で色々な場面に対応できるので便利ですよ。

NDフィルターの使いどころを具体的に見てみましょう。

  1. 日中の開放F値撮影: 明るすぎる日中に、絞りを開けて(F値を小さくして)被写界深度を浅くしたい時に使います。背景をぼかしたポートレート撮影などで威力を発揮します。
  2. 長時間露光撮影: 日中に川の流れや波の動きを滑らかに表現したい時に、シャッタースピードを遅くするために使用します。
  3. 動画撮影: 動画でも、明るすぎる場面で適切な露出を得るためにNDフィルターが使われます。

PLフィルター:反射を抑えてクリアな世界を写し出す

一方、PLフィルターは「Polarizing Filter」の略で、「偏光フィルター」と呼ばれます。こちらはNDフィルターとは全く異なり、 光の反射を抑えたり、空の色を濃くしたりする効果 があります。水面のギラつきを抑えて水中をきれいに見せたり、葉っぱのテカリを抑えて緑を鮮やかにしたり、青空をよりドラマチックに表現したりするのに使われます。NDフィルターのように光の量を一律に減らすのではなく、特定の方向からの光だけをカットするイメージです。

PLフィルターは、レンズの前に装着するタイプと、レンズ自体に内蔵されているタイプがあります。一般的に、レンズの前に装着するタイプが主流で、これは「C-PLフィルター」などと呼ばれます。このフィルターは、回すことで偏光の効果を調整できるのが特徴です。レンズの先端部分を回すことで、効果の強弱をコントロールできます。

PLフィルターで写真がどのように変わるのか、いくつか例を挙げてみましょう。

  • 水面やガラスの反射除去: 水中の魚や、窓越しの景色などをクリアに撮影するのに役立ちます。
  • 空の青さを強調: 特に晴れた日の青空を、より深く鮮やかな青色にすることができます。雲とのコントラストも際立ちます。
  • 葉や草のテカリ除去: 植物の表面のギラつきを抑え、みずみずしい緑色を表現できます。

PLフィルターの効果は、撮影する角度によって大きく変わります。空を写す場合、太陽と直角の方向にフィルターを向けると最も効果が高まります。逆に、太陽と同じ方向や反対方向では効果が弱まります。この特性を理解して使うことで、より意図した通りの表現が可能になります。

PLフィルターの仕組みを簡単に表にまとめると、以下のようになります。

フィルターの種類 主な効果 調整方法
PLフィルター 反射の抑制、空の青さの強調 回転させることで調整

NDフィルターとPLフィルターの併用:表現の可能性をさらに広げる

さて、「nd フィルター と pl フィルター の 違い」を理解したところで、この二つを併用するとどうなるでしょうか?実は、NDフィルターとPLフィルターは、両方を同時に使うことができます。例えば、晴れた日の日中に滝を撮影したい場合を考えてみましょう。滝の流れを絹糸のように写すためにはNDフィルターで光量を減らす必要がありますが、同時に水面のギラつきを抑えたい場合もあります。そんな時は、NDフィルターとPLフィルターを重ねて使用することで、両方の効果を得ることができるのです。ただし、フィルターを重ねると画質が低下する可能性もあるため、必要に応じて使い分けることが重要です。

併用する際の注意点もいくつかあります。

  • 光量の低下: NDフィルターで光量を減らしているところに、さらにPLフィルターで一部の光をカットするため、露出はさらに暗くなります。
  • 色味の変化: フィルターの種類によっては、重ねることでわずかに色味が変化することがあります。特に安価なフィルターでは注意が必要です。
  • 厚み: フィルターを重ねると厚みが増し、広角レンズでケラレ(画面の端に黒い影が出る現象)が出やすくなることがあります。

これらの注意点を踏まえつつ、積極的に併用することで、さらにクリエイティブな表現が可能になります。

NDフィルターの種類:長時間露光の味方

NDフィルターには、その減光能力によってさらに細かく分類されます。長時間露光をより効果的に行うためには、それぞれの特性を理解することが大切です。例えば、ND4やND8といった比較的弱い減光能力のフィルターは、日中でも絞りを開けすぎずに、少しだけスローシャッターにしたい場合に適しています。一方、ND400やND1000といった強力な減光能力を持つフィルターは、真昼の太陽の下でも、数秒から数十秒といった超長時間露光を可能にします。

NDフィルターの主な種類と用途をまとめると、以下のようになります。

  1. ND2~ND8: 日中の少し明るい場面で、絞りを開けたり、シャッタースピードを少し遅くしたい場合に。
  2. ND64~ND200: 日中の日差しが強くなってきた場面で、より効果的に光量を減らしたい場合に。
  3. ND400~ND1000以上: 真昼の太陽の下でも、長時間露光で水の流れを滑らかにしたい場合や、雲の動きを表現したい場合に。

また、NDフィルターには、写真用と動画用で設計が異なる場合もあります。動画撮影では、コマ送り速度との関係で、常に一定のシャッタースピードが求められるため、より正確な減光量を持つNDフィルターが重要になります。

PLフィルターの種類:反射を自在に操る

PLフィルターにも、その性能や構造によっていくつかの種類があります。最も一般的なのは「C-PLフィルター」(円偏光フィルター)で、これはレンズの前面に装着し、回転させることで偏光の効果を調整できます。このC-PLフィルターは、水面やガラスの反射を効果的に除去するだけでなく、空の青さを強調する効果も持っています。より鮮やかな描写を求める写真家にとっては、必須のアイテムと言えるでしょう。

PLフィルターには、以下のような特徴があります。

  • 反射除去能力: 水面やガラスなどの非金属面の反射を軽減し、被写体をクリアに写し出します。
  • 彩度向上: 空の青色や植物の緑色といった彩度を効果的に高めます。
  • コントラスト向上: 特に空と雲のコントラストを際立たせ、ドラマチックな風景写真に仕上げます。

PLフィルターの効果を最大限に引き出すためには、撮影時の太陽との位置関係が重要です。一般的に、太陽に対して90度の角度で撮影すると、最も効果が高まります。これは、光の反射が最も強くなる角度だからです。この点も考慮して、撮影場所や構図を決めると良いでしょう。

NDフィルターとPLフィルター、どちらを選ぶべきか?

「nd フィルター と pl フィルター の 違い」を理解した上で、では具体的にどちらを使えば良いのか、迷うこともあるでしょう。これは、あなたが「何を写したいか」「どのような表現をしたいか」によって決まります。もし、日中の明るい場所で、水の流れを滑らかに写したい、あるいは被写界深度を浅くしたいのであれば、NDフィルターが最適です。一方、水面やガラスの反射を抑えたい、空をもっと青く鮮やかにしたい、ということであれば、PLフィルターを選ぶべきです。

それぞれのフィルターが活躍するシーンをまとめた表を見てみましょう。

目的 おすすめフィルター 具体的な効果
日中の長時間露光(滝、川など) NDフィルター 水の流れを絹糸のように滑らかに写す
日中の開放F値撮影(背景ボケ) NDフィルター 絞りを開けて被写界深度を浅くする
水面やガラスの反射除去 PLフィルター ギラつきを抑え、水中や奥の景色をクリアに見せる
空の青さの強調 PLフィルター 青空をより鮮やかに、ドラマチックにする

もちろん、両方の効果が必要な場合は、併用することも可能です。しかし、まずはそれぞれのフィルターが持つ基本的な効果を理解し、単体で使いこなせるようになることが上達への近道です。

初心者のうちは、まずはどちらか一方のフィルターから試してみることをおすすめします。例えば、風景写真をよく撮る方なら、まずPLフィルターから導入してみると、写真の印象が大きく変わることを実感できるはずです。そして、徐々にNDフィルターの必要性も感じてくるかもしれません。

NDフィルターの注意点:色かぶりと迷光

NDフィルターを使う上で、いくつか注意しておきたい点があります。まず、NDフィルターは光を減らすフィルターなので、どうしても写真に色かぶり(本来の色とは異なる色が付いてしまうこと)が生じることがあります。特に、安価なフィルターや、非常に強力な減光能力を持つフィルターでは、この色かぶりが顕著になることがあります。撮影後にRAW現像で補正することも可能ですが、あらかじめ色かぶりの少ない高品質なフィルターを選ぶことが大切です。

また、NDフィルターには「迷光」という問題も起こり得ます。迷光とは、レンズに入ってはいけない光が内部で反射し、写真のコントラストを低下させたり、フレア(レンズフレア)を発生させたりする現象です。特に、NDフィルターの形状によっては、レンズの側面から光が入り込みやすくなることがあります。これを防ぐためには、レンズフードをしっかり装着したり、NDフィルターの周りに遮光テープなどを貼ったりする工夫が有効です。

これらの注意点を理解しておくことで、NDフィルターをより効果的に、そしてトラブルなく使用することができます。

PLフィルターの注意点:広角レンズでのケラレと色味の変化

PLフィルターも、NDフィルターと同様に、使用する上でいくつか注意点があります。その一つが、広角レンズでの「ケラレ」です。PLフィルターは、レンズの前面に装着し、回転させて効果を調整しますが、このフィルター自体に厚みがあるため、特に広角レンズで撮影する際に、画面の端に黒い影(ケラレ)が現れることがあります。このケラレを防ぐためには、薄型のPLフィルターを選んだり、撮影後にトリミングで対応したりする必要があります。

また、PLフィルターは、その性質上、写真の色味に影響を与えることがあります。特に、空を写す際に、フィルターの回転角度によっては、本来の空の色とは異なる、不自然な青色になってしまうことがあります。これは、PLフィルターが光の偏光を調整する際に、特定の波長の光をカットしてしまうためです。この色味の変化を活かすこともできますが、意図しない色味にならないように、撮影時にはプレビュー機能などを活用して、色味を確認しながら調整することが重要です。

さらに、PLフィルターは、レンズに装着したままだと、撮影のたびに回転させて効果を調整する必要があるため、少し手間がかかるという側面もあります。しかし、その効果は絶大なので、風景撮影をされる方にはぜひおすすめしたいフィルターです。

これらの注意点を理解し、適切に使いこなすことで、PLフィルターを最大限に活用し、より魅力的な写真を撮影することができるでしょう。

NDフィルターとPLフィルターの使い分けのまとめ

さて、ここまで「nd フィルター と pl フィルター の 違い」について、それぞれの特徴や使い方を詳しく解説してきました。改めて、どちらのフィルターを使うべきか、その判断基準をまとめてみましょう。それは、あなたの「撮りたいもの」と「達成したい表現」によって決まります。

  • 日中の明るい場所で、動きのある被写体を滑らかに写したい (例:滝、川、雲の流れ)
  • 日中の明るい場所で、意図的に被写界深度を浅くしたい (例:ポートレートで背景をぼかす)
  • → このような場合は、 NDフィルター の出番です。
  • 水面やガラスの反射を抑えて、クリアな映像にしたい
  • 空の青さを強調して、ドラマチックな風景にしたい
  • 植物の葉のテカリを抑えて、みずみずしい緑を表現したい
  • → このような場合は、 PLフィルター が最適です。

さらに、NDフィルターとPLフィルターは、状況に応じて併用することも可能です。例えば、晴れた日の海岸で、水面の反射を抑えつつ、波の動きを滑らかに表現したい場合などは、両方のフィルターを組み合わせて使用することで、より高度な表現が可能になります。ただし、フィルターを重ねることで画質が低下する可能性もあるため、慎重な判断が必要です。

最終的には、それぞれのフィルターの特性を理解し、実際に撮影してみて、ご自身の目で効果を確認しながら使い分けるのが一番の近道です。ぜひ、これらの知識を活かして、あなたの写真表現の幅を広げてください。

いかがでしたでしょうか?「nd フィルター と pl フィルター の 違い」について、ご理解いただけたかと思います。どちらのフィルターも、写真撮影において非常に強力なツールです。あなたの撮影スタイルや目的に合わせて、ぜひ活用してみてください。これらのフィルターを使いこなすことで、これまで以上にクリエイティブで魅力的な写真を撮ることができるはずです。さあ、カメラを持って、新しい表現の世界へ飛び出しましょう!

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