「18 0ステンレス と 18 8 ステンレス の 違いって何?」と疑問に思ったことはありませんか? 実は、この「18」というのは、ステンレス鋼に含まれるクロムの割合を指しています。そして、その後に続く数字はニッケルの割合を示しているんです。このわずかな成分の違いが、それぞれのステンレス鋼の特性を大きく左右し、私たちの身の回りの様々な製品で使い分けられているんですよ。
クロムとニッケルの役割:ステンレス鋼の「味付け」
ステンレス鋼の「ステンレス」という名前は、「錆びにくい」という意味から来ています。この錆びにくさを生み出しているのが「クロム」という金属です。クロムは、ステンレス鋼の表面に「不動態皮膜」という薄くて丈夫な膜を作り、これが酸素や水との接触を防ぎ、錆びるのを抑えてくれるんです。18 0ステンレスも18 8ステンレスも、どちらもこのクロムを18%含んでいるので、基本的な錆びにくさは持っています。
では、18 0ステンレスと18 8ステンレスの「違い」は何でしょうか? それは、ニッケルの含有量です。18 0ステンレスにはニッケルがほとんど含まれておらず、18 8ステンレスには約8%のニッケルが含まれています。このニッケルが、ステンレス鋼の「味付け」のような役割を果たし、いくつかの重要な特性に変化をもたらします。 このニッケルの含有量の違いこそが、18 0ステンレス と 18 8 ステンレス の 違い を理解する上で最も重要なポイントです。
- クロム: 錆びにくさの主役
- ニッケル: 特性をグレードアップさせる名脇役
18 0ステンレスの特徴:シンプルさと経済性
18 0ステンレスは、ニッケルをほとんど含んでいないため、比較的安価で製造できるという経済的なメリットがあります。そのため、私たちの生活の中で、よく目にする製品に多く使われているんです。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- カトラリー(スプーン、フォーク、ナイフなど)
- キッチンツール(お玉、フライ返しなど)
- 調理器具の一部(一部の鍋の側面など)
もちろん、クロムが18%含まれているため、日常的な使用で錆びる心配はほとんどありません。ただ、18 8ステンレスに比べると、加工のしやすさや、より過酷な環境下での耐食性(錆びにくさ)はやや劣ると言えます。
18 8ステンレスの魅力:優れた耐久性と加工性
一方、18 8ステンレスは、ニッケルを約8%含んでいるため、18 0ステンレスよりもさらに優れた特性を持っています。ニッケルが加わることで、ステンレス鋼はよりしなやかで加工しやすくなり、さらに耐食性も向上します。
18 8ステンレスの主な特徴は以下の通りです。
- 加工性の向上: ニッケルのおかげで、曲げたり伸ばしたりといった加工がしやすくなります。
- 耐食性の向上: より広い範囲の環境で錆びにくくなります。特に酸やアルカリに強い傾向があります。
- 美しい光沢: ニッケルは、ステンレス鋼に深みのある美しい光沢を与えます。
用途の違い:それぞれの得意分野
18 0ステンレス と 18 8 ステンレス の 違い は、それぞれの用途にも大きく影響します。
18 0ステンレスは、その経済性と十分な錆びにくさから、日常使いのカトラリーやキッチンツールに広く採用されています。例えば、普段使いのフォークやスプーンは、ほとんどが18 0ステンレス製と言えるでしょう。
対して、18 8ステンレスは、より高い耐久性や耐食性が求められる場面で活躍します。
| 用途例 | ステンレスの種類 |
|---|---|
| 日常使いのカトラリー | 18 0ステンレス |
| 高品質なキッチンシンク | 18 8ステンレス |
| 医療器具 | 18 8ステンレス |
お手入れ方法:どちらも簡単!
18 0ステンレス も 18 8ステンレス も、基本的にはどちらも特別なお手入れは必要ありません。普段使いには、使用後すぐに水で洗い流し、柔らかい布で水分を拭き取るだけで十分です。
- 日常のお手入れ: 使用後すぐに水洗い、水分を拭き取る。
- 頑固な汚れ: 柔らかいスポンジに中性洗剤をつけて洗う。
- 注意点: 金属たわしや研磨剤入りの洗剤は、表面に傷をつけてしまう可能性があるので避ける。
ただし、18 8ステンレスの方がより耐食性が高いため、万が一、長期間放置してしまったり、強い洗剤を使ってしまったりした場合でも、18 0ステンレスよりは錆びにくい傾向があります。
磁性について:意外な違い
18 0ステンレス と 18 8 ステンレス の 違い を見分ける一つの方法として、「磁性」があります。
18 0ステンレスは、ニッケルが少ないため、磁石に付きやすい性質を持っています。一方、18 8ステンレスは、ニッケルが多く含まれることで、本来は磁石に付きにくくなります。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、製造工程での加工などによって、18 8ステンレスでもわずかに磁性を持つ場合があることを覚えておきましょう。
- 18 0ステンレス: 磁石に付きやすい。
- 18 8ステンレス: 原則として磁石に付きにくい(例外あり)。
まとめ:賢く選ぶためのポイント
これまで見てきたように、18 0ステンレス と 18 8 ステンレス の 違い は、主にニッケルの含有量にあり、それが製品の特性や用途に影響を与えています。
普段使いのカトラリーやキッチンツールであれば、経済的で十分な性能を持つ18 0ステンレスで問題ありません。しかし、より高い耐久性や耐食性、見た目の美しさを求めるのであれば、18 8ステンレスを選ぶのがおすすめです。
どちらのステンレス鋼も、適切にお手入れをすれば長く使うことができます。それぞれの特徴を理解して、目的に合った製品を選んでみてくださいね。
このように、18 0ステンレスと18 8ステンレスは、それぞれに良さがあり、私たちの生活の様々な場面で活躍しています。それぞれの「違い」を知ることで、より賢く、より快適に、これらのステンレス製品を選ぶことができるようになるはずです。