英語を勉強していると、よく似た形なのに意味が全然違う「it's」と「its」に混乱することがありますよね。「it's」と「its」の使い分けは、実はとってもシンプル。この二つの違いをしっかり理解すれば、もう迷うことはありません!
「it's」は「it is」か「it has」の短縮形
まず、「it's」について見ていきましょう。「it's」は、二つの単語がくっついて短くなった形です。具体的には、「it is」または「it has」の短縮形として使われます。この apostrophe (') が、抜けている文字の代わりに存在していることを示しています。
例えば、「It's raining.」は「It is raining.」を短くしたもので、「雨が降っています。」という意味になります。「It's a beautiful day.」も同様に、「It is a beautiful day.」で「なんて素晴らしい日なんだ!」となります。また、「It's been a long time.」は「It has been a long time.」の短縮形で、「長い時間が経ちました。」という意味です。 この「it's」は、文の中で動詞の役割を果たすことが多い ので、意味を考えるときに「it is」または「it has」に置き換えてみると分かりやすいでしょう。
- it's = it is
- it's = it has
ここで、さらに理解を深めるために、いくつかの例文を見てみましょう。
- It's fun to play outside. (It is fun to play outside.) - 外で遊ぶのは楽しいです。
- She said it's a great idea. (She said it is a great idea.) - 彼女はそれが素晴らしいアイデアだと言いました。
- I think it's going to be a hot summer. (I think it is going to be a hot summer.) - 暑い夏になりそうだと思います。
「its」は所有を表す
次に、「its」についてです。「its」は、所有を表す言葉で、日本語で言うところの「その」「それの」にあたります。人や物、動物などの「それ」が持っているものを表すときに使います。この「its」には、 apostrophe (') はつきません。ここが「it's」との一番大きな違いです。
例えば、「The dog wagged its tail.」という文。「its tail」は「その犬のしっぽ」という意味になります。犬という「それ」が持っている「しっぽ」なので、「its」が使われています。もし、「The dog wagged it's tail.」と書いてしまうと、「その犬は、それ(犬)がいっぱいあるしっぽを振った。」のような、意味がおかしくなってしまいます。
このように、「its」は名詞の前に置いて、その名詞が誰のもの(何のもの)であるかを示します。つまり、「its」は形容詞のような働きをします。 「its」が使われているときは、その後に必ず名詞が続く と覚えておきましょう。
ここで、比較表を見てみましょう。
| 単語 | 意味 | 使い方 |
|---|---|---|
| it's | it is / it has の短縮形 | 動詞として文を作る |
| its | その〜、それの〜 (所有) | 名詞の前に置いて所有を示す |
「its」のさらなる活用例
「its」の使い方が、さらに明確になるように、いくつか具体的な例を見ていきましょう。ここでは、動物や自然現象、物など、様々な「それ」が持つものを表現する際に、「its」がどのように使われるかを見ていきます。
まず、動物についてです。
- The cat is sleeping. Its fur is soft. (その猫は眠っています。その猫の毛は柔らかいです。)
- A bird built its nest in the tree. (鳥が木に巣を作りました。その鳥の巣です。)
次に、自然現象や物についてです。
- The sun shone brightly, warming the earth with its rays. (太陽が明るく輝き、その光線で地球を温めました。)
- The company launched its new product today. (その会社は今日、新しい製品を発表しました。その会社の新製品です。)
このように、「its」は「〜の」という関係性を表すのに非常に便利です。
「it's」と「its」の区別をつけるコツ
「it's」と「its」の区別をつけるための、いくつかの簡単なコツがあります。まずは、文を声に出して読んでみること。そして、意味を考えながら単語を置き換えてみることが、効果的です。
例えば、文中の「it's」や「its」を、一時的に「it is」や「it has」に置き換えてみて、文がおかしくならないか確認してみましょう。もし、置き換えても意味が通じるようであれば、それは「it's」の可能性が高いです。
- Check 1: Can it be replaced with "it is" or "it has"?
- Check 2: Is it showing possession (like "his" or "her")?
また、文法的な構造を意識することも大切です。「it's」は通常、動詞として機能しますが、「its」は名詞の前に置かれて所有を表します。この違いを理解していれば、どちらを使うべきか判断しやすくなります。
最後に、練習あるのみです。たくさんの英文に触れ、実際に自分で文を作ってみることで、自然と使い分けができるようになります。
よくある間違いとその解決策
「it's」と「its」を混同してしまうのは、英語学習者にとって非常によくある間違いの一つです。ここでは、そういった間違いがなぜ起こるのか、そしてどうすればそれを防げるのかについて掘り下げていきます。
一番の原因は、やはり見た目が似ていることです。特に、apostrophe (') の有無が、意味を大きく変えるため、注意が必要です。しかし、一度この違いを理解してしまえば、あとは慣れるだけです。
- Mistake 1: Confusing the apostrophe.
- Mistake 2: Not thinking about the meaning of possession.
解決策としては、先ほども触れましたが、文を分解して考えることです。例えば、「The cat chased its toy.」という文で「its」が使われている場合、「その猫のおもちゃ」という意味になります。「it is toy」では意味が通りません。このように、文脈から判断することが重要です。
また、日本語の「〜の」という表現が、英語では「it's」になるのか「its」になるのか、常に意識して学習を進めると良いでしょう。
まとめ:迷わないための最終チェック
最後に、これまで説明してきた「it's」と「its」の使い分けについて、迷ったときに役立つ最終チェックリストをまとめてみましょう。これらのポイントを意識することで、より自信を持って英語を使えるようになります。
まず、文中の「it's」または「its」に注目します。そして、以下の質問を自問自答してみてください。
- この単語は「it is」または「it has」の代わりに使われているか?
- この単語は、何か(物、人、動物)が持っているものを表しているか?
もし、質問1に「はい」と答えるなら「it's」を、質問2に「はい」と答えるなら「its」を使うべきです。両方に「いいえ」と答える場合や、どちらか判断に迷う場合は、文脈をもう一度よく確認してみましょう。
この簡単なチェックで、「it's」と「its」の使い分けが劇的に簡単になるはずです。
「it's」と「its」の使い分けは、英語の文章を正確に理解し、自信を持って書くために非常に重要です。今回説明した違いとコツをしっかりと頭に入れ、日々の学習に活かしてください。練習を重ねれば、きっとあなたもこの二つの単語をマスターできるはずです!