関係 代名詞 と 関係 副詞 の 違い をマスターしよう!

関係代名詞と関係副詞、どちらも先行詞を修飾する働きがありますが、その役割や使い方が異なります。 関係代名詞と関係副詞の違いを理解することは、英文読解や英作文のレベルアップに不可欠です。 この違いをしっかりと押さえることで、より自然で正確な英語表現ができるようになります。

文法的な役割の違いを徹底解説

関係代名詞と関係副詞の最も大きな違いは、文法的な役割です。関係代名詞は、先行詞が「人」や「もの」であり、後続の節の中で主語や目的語、補語といった名詞的な働きをします。一方、関係副詞は、先行詞が「場所」「時」「理由」といった副詞的な意味を持つ場合に使われ、後続の節で時・場所・理由などを説明する副詞的な働きをします。

具体的に見てみましょう。

  • 関係代名詞 (who, whom, whose, which, that) : 先行詞 + 関係代名詞 + 動詞 ... (主語になる)
  • 関係代名詞 (who, whom, whose, which, that) : 先行詞 + 関係代名詞 + 主語 + 動詞 ... (目的語になる)
  • 関係副詞 (where, when, why, how) : 先行詞 + 関係副詞 + 主語 + 動詞 ... (時、場所、理由などを説明する)

このように、関係代名詞は節の中で名詞の代わりになるのに対し、関係副詞は節全体を修飾する副詞の役割を担います。この違いを把握することが、関係代名詞と関係副詞の違いを理解する第一歩です。

先行詞の性質による使い分け

関係代名詞と関係副詞の使い分けは、先行詞がどのような性質を持つかによって決まります。先行詞が「人」ならwhoやwhom、先行詞が「もの」ならwhichやthatを使います。これらの関係代名詞は、後続の節で主語や目的語になることで、先行詞を詳しく説明します。

一方、先行詞が「場所」を表す場合はwhere、「時」を表す場合はwhen、「理由」を表す場合はwhy、「方法」を表す場合はhowといった関係副詞が使われます。これらの関係副詞は、先行詞が示す場所、時、理由、方法などを、後続の節が具体的に説明する役割を果たします。

例えば、「私が住んでいる街」という場合、「街」という場所が先行詞なので関係副詞whereを使います。「私が生まれた時」という場合、「時」が先行詞なので関係副詞whenを使います。

以下にまとめた表をご覧ください。

先行詞 関係代名詞 関係副詞
who, whom, whose -
もの which, that -
場所 which, that where
which, that when
理由 which, that why
方法 which, that how

後続の節の構造に注目

関係代名詞と関係副詞の違いは、後続の節の構造にも表れます。関係代名詞が導く節では、関係代名詞自身が主語や目的語になるため、節の中に「抜けている」要素があります。例えば、関係代名詞が主語になる場合は動詞がすぐに続きますし、目的語になる場合は主語と動詞が先行します。

対して、関係副詞が導く節は、関係副詞自身が副詞の役割を果たすため、節の中の主語や目的語といった要素は欠けていません。つまり、関係副詞の後には完全な文(主語+動詞など)が続くことが多いのです。

この「節の中に要素が欠けているか、それとも完全な文になっているか」という点を注意深く観察することで、関係代名詞と関係副詞のどちらを使うべきかを判断することができます。

  1. 関係代名詞が導く節: 主語が欠けている or 目的語が欠けている
  2. 関係副詞が導く節: 主語 + 動詞 + ... (完全な形)

例えば、「This is the book which I read.」では、whichが目的語にあたるため、主語+動詞の形になっています。一方、「This is the book which tells an interesting story.」では、whichが主語にあたるため、動詞がすぐに続いています。このように、節の構造は関係代名詞と関係副詞の使い分けの重要な手がかりとなります。

関係代名詞の「which」と関係副詞の「where」の置き換え

先行詞が「場所」の場合、関係代名詞のwhichを使うことも、関係副詞のwhereを使うことも可能です。しかし、この二つには明確な違いがあります。関係代名詞のwhichを使う場合、その前には前置詞が置かれることが多く、意味としては「~の中の」といったニュアンスになります。

例えば、「The town where I live.」は「私が住んでいる街」という意味ですが、「The town in which I live.」も同じ意味になります。しかし、関係副詞whereを使う場合は、前置詞は不要で、よりシンプルに場所を特定する際に用いられます。

また、「The town which is beautiful.」のように、whichが主語の役割を果たす場合もあります。この場合は、場所を表していても関係副詞whereは使えません。したがって、先行詞が場所であっても、後続の節の役割によって関係代名詞と関係副詞のどちらを使うかが決まるのです。

このように、関係代名詞と関係副詞は、似ているように見えても、文法的な役割や節の構造、そして意味合いにおいて違いがあります。

関係代名詞の「that」の柔軟性

関係代名詞の「that」は、人にも物にも使え、先行詞が省略される場合にも使える非常に便利な単語です。しかし、関係代名詞の「that」が使える場面と使えない場面を理解することが大切です。

  • 先行詞が人・物の場合:thatが使える。
  • 先行詞が省略される場合:thatが使える。(例: That's what I want.)
  • 非制限用法の場合:thatは使えない。thatの代わりにwhichを使う。
  • 前置詞の直後:thatは使えない。thatの代わりにwhichを使う。

特に、非制限用法(先行詞を補足説明するだけで、文の意味を限定しない用法)では、「that」は使用できません。この点に注意が必要です。

例えば、"My brother, who lives in Tokyo, is a doctor." のように、コンマで区切って追加情報を与える非制限用法では、whoが使われ、thatは使えません。

また、前置詞の直後でも「that」は使えません。「I'm looking for a book in which I can find the answer.」のように、前置詞inの後はwhichを使用します。

「that」の柔軟性ゆえに、その制限を理解しないと間違いやすいため、注意深い学習が求められます。

関係副詞の「how」と「that」

先行詞が「方法」を表す場合、関係副詞「how」が使われます。この「how」は、先行詞「the way」とセットで使われることが多く、どちらか一方を省略して使うこともよくあります。

例えば、「This is the way how he succeeded.」という文は、「これが彼が成功した方法です。」という意味になります。しかし、この場合、「the way」と「how」の両方を使うと冗長になるため、通常は「This is the way he succeeded.」または「This is how he succeeded.」のように、どちらか一方を省略するのが一般的です。

また、先行詞が「方法」を表す場合、関係代名詞の「that」を使って表現することも可能です。その場合、「This is the way that he succeeded.」となり、意味は同じになります。

ただし、「how」は方法に特化していますが、「that」はより広範な文脈で使われるため、文脈に応じて使い分けることが重要です。

まとめ:関係代名詞と関係副詞を使いこなすために

関係代名詞と関係副詞の違いを理解することは、英語をより深く理解し、正確に使うための重要なステップです。今回解説したように、両者は文法的な役割、先行詞の性質、後続の節の構造、そして特定の単語の置き換えといった点で異なります。

これらの違いを意識しながら、たくさんの例文に触れ、実際に自分で英文を作成してみる練習を重ねることが、関係代名詞と関係副詞をマスターする最良の方法です。焦らず、一つずつ理解を深めていきましょう。

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