ジャムとマーマレード、どちらもパンに塗ったり、お菓子に使ったりと、私たちの食卓に彩りを添えてくれる果物の加工品ですが、実はその間には明確な違いがあります。今回は、そんな「ジャム と マーマレード の 違い」について、分かりやすく解説していきましょう。
果物の使い方が鍵！ジャムとマーマレードの基本の違い
ジャムとマーマレードの最も大きな違いは、 主に使用される果物の種類とその使い方 にあります。ジャムは、一般的に果肉を主に使用して作られます。いちごジャムならいちごの果肉、ブルーベリージャムならブルーベリーの実といった具合ですね。一方、マーマレードは、柑橘類（オレンジ、レモン、グレープフルーツなど）の果皮（ピール）も一緒に煮詰めて作られるのが特徴です。
この果皮を使うか使わないか、という点が、風味や食感に大きな変化をもたらします。果肉だけを使うジャムは、果物本来の甘みや酸味をダイレクトに楽しむことができます。食感も、果肉がそのまま残っているものから、ペースト状になったものまで様々です。
- ジャム： 主に果肉を使用。果物本来の風味を活かす。
- マーマレード： 果肉と果皮（ピール）を使用。柑橘系のほろ苦さが特徴。
ジャムの種類をさらに深掘り！
ジャムと一口に言っても、その種類は実に豊富です。定番のいちごやブルーベリーはもちろん、りんご、ぶどう、桃など、様々な果物がジャムとして私たちの元に届けられています。それぞれの果物の特徴を活かしたジャムがあり、その多様性がジャムの魅力の一つと言えるでしょう。
ジャムの定義は、農林水産省の「果実ジャムの表示に関する公正競争規約」によって定められています。この規約では、:
- 果実を砂糖と煮つめたもの
- 果肉または果汁を使用
- 糖度40%以上
といった条件が定められており、これらを満たすものが「ジャム」として販売されています。この条件があるおかげで、私たちは安心して美味しいジャムを選ぶことができるのです。
| 果物の種類 | 代表的なジャム |
|---|---|
| いちご | いちごジャム |
| ブルーベリー | ブルーベリージャム |
| りんご | りんごジャム |
マーマレードの奥深い世界：柑橘の魅力
マーマレードの主役は、やはり柑橘類です。オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ゆずなど、柑橘系の果物が持つ爽やかな香りと、果皮特有のほろ苦さがマーマレードの醍醐味です。このほろ苦さが、甘すぎるのが苦手な人にもマーマレードが愛される理由の一つでしょう。
マーマレードの製造過程では、果肉だけでなく、果皮を細かく刻んだり、千切りにしたりして、果肉と一緒に煮込みます。この果皮の量や切り方によって、マーマレードの食感や風味が大きく変わってきます。例えば、細かく刻んだピールは口当たりが滑らかになり、大きめにカットしたピールは歯ごたえのある食感を楽しむことができます。
- 果皮の処理： 果皮の苦味を和らげるために、下茹でをしたり、種を取り除いたりといった工夫が凝らされます。
- 柑橘の種類： 使われる柑橘の種類によって、風味や香りが大きく異なります。例えば、オレンジなら甘みと酸味のバランス、レモンなら爽やかな酸味と苦味、ゆずなら独特の香りと苦味が楽しめます。
「スプレッド」という広い概念
ジャムやマーマレードは、パンなどに塗って食べる「スプレッド」という大きなカテゴリーに含まれます。スプレッドには、ジャムやマーマレード以外にも、ピーナッツバターやチョコレートスプレッドなど、様々な種類があります。これらのスプレッドは、それぞれ独自の原料と製法で作られており、多様な食文化を形成しています。
スプレッドの目的は、基本的に食品の風味を豊かにしたり、食感を加えたりすることです。パンの味を単調にさせず、より美味しく、より楽しく食べるための工夫と言えるでしょう。
- ジャム・マーマレード： 果物の甘みや酸味、苦味を活かす。
- ピーナッツバター： ナッツの香ばしさとクリーミーさをプラス。
- チョコレートスプレッド： 濃厚なチョコレートの風味を楽しめる。
製法による違いも？
ジャムとマーマレードの製法にも、若干の違いが見られます。どちらも果物と砂糖を煮詰めるという点では共通していますが、マーマレードの場合は、果皮の処理が加わるため、工程が少し複雑になることがあります。
家庭で作る場合でも、マーマレードは果皮の苦味を調整するために、数回茹でこぼしたり、長時間煮込んだりすることがあります。一方、ジャムは果肉を潰したり、果汁を煮詰めたりするのが主な作業となります。
| ジャム | マーマレード | |
|---|---|---|
| 主な材料 | 果肉 | 果肉＋果皮 |
| 工程 | 煮詰める | 果皮の処理＋煮詰める |
表示のルールを知っておこう！
ジャムとマーマレードの表示については、先ほども触れた「果実ジャムの表示に関する公正競争規約」によって、一定のルールが定められています。このルールを知っていると、製品を選ぶ際に迷うことが少なくなります。
例えば、「果実○○」という表示は、果実を主原料としていることを示し、「○○ジャム」と表示されたものは、その果物を使ったジャムであることが分かります。また、マーマレードの場合は、「○○マーマレード」のように表示されるのが一般的です。
- 「果実○○」 ：果物由来の成分が多く含まれている。
- 「○○ジャム」 ：特定の果物を使ったジャム。
- 「○○マーマレード」 ：柑橘類を使ったマーマレード。
それぞれの楽しみ方！
ジャムとマーマレードは、それぞれに違った魅力があり、楽しみ方も多様です。パンに塗るだけでなく、ヨーグルトに混ぜたり、ケーキのフィリングにしたり、アイスクリームのトッピングにしたりと、色々なアレンジが可能です。
特にマーマレードは、そのほろ苦さを活かして、チーズとの相性も抜群です。クラッカーに乗せたチーズにマーマレードを少し添えるだけで、おしゃれな一品になります。また、料理に使うと、肉料理のソースに深みを与えてくれることもあります。
- ジャム： デザート系との相性が良い。
- マーマレード： チーズや肉料理との相性も抜群。
ジャムとマーマレードの違い、いかがでしたでしょうか？ どちらも果物の美味しさをギュッと閉じ込めた魅力的な食品です。この違いを知ることで、いつもの食卓がさらに豊かになるはずです。ぜひ、お気に入りのジャムやマーマレードを見つけて、色々な食べ方で楽しんでみてくださいね。