「中性脂肪」と「内臓脂肪」、なんとなく聞いたことはあるけれど、一体何が違うの?と疑問に思っていませんか?この記事では、この二つの脂肪の違いを分かりやすく解説し、あなたの健康管理に役立つ情報をお届けします。 中性脂肪と内臓脂肪の違いを理解することは、健康的な体づくりの第一歩です。
脂肪の正体:中性脂肪と内臓脂肪の基本
私たちの体には、エネルギー源として、また体を冷えから守るために脂肪が蓄えられています。その脂肪の代表格が「中性脂肪」と「内臓脂肪」です。一見似ているようで、実はそれぞれ異なる役割と性質を持っています。
中性脂肪とは、血液中を流れる脂質の一種で、私たちが食事から摂ったエネルギーが使われずに余った場合に、肝臓で合成されて蓄えられます。この中性脂肪は、体のエネルギー源として非常に重要ですが、増えすぎると様々な健康リスクを引き起こす原因となります。
-
中性脂肪の主な役割:
- エネルギー源
- 体温の維持
- 臓器の保護
一方、内臓脂肪は、その名の通り、お腹の臓器の周りにつく脂肪のことです。皮下脂肪がお腹の皮膚の下につくのに対し、内臓脂肪は体の内側に蓄積されます。この内臓脂肪は、見た目以上に体に悪影響を与えることが多く、注意が必要です。
内臓脂肪が危ない理由:そのメカニズムとリスク
内臓脂肪がなぜ危険視されているのか、その理由を掘り下げてみましょう。内臓脂肪は、単に体の外見に影響するだけでなく、体内で様々な悪さをすることが分かっています。
内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて代謝が活発です。そのため、増えやすく、また減らしにくいという特徴があります。さらに、内臓脂肪からは、悪玉ホルモンと呼ばれる様々な生理活性物質が分泌されます。これらの物質が、血糖値や血圧、コレステロール値などを悪化させる原因となります。
内臓脂肪が蓄積することによって引き起こされる主なリスクは以下の通りです。
| 病名 | 関連するリスク |
|---|---|
| メタボリックシンドローム | 内臓脂肪型肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症の複合 |
| 動脈硬化 | 心筋梗塞、脳卒中 |
| 脂肪肝 | 肝臓の機能低下 |
つまり、内臓脂肪の蓄積は、単なる体重増加ではなく、全身の健康を脅かす「生活習慣病の温床」となり得るのです。 内臓脂肪の増加を放置することは、将来的な病気のリスクを大きく高めてしまうことにつながります。
中性脂肪と内臓脂肪、どうやって測る?
では、自分の体の中性脂肪と内臓脂肪がどのくらいあるのか、どうやって知ることができるのでしょうか。健康診断などで確認できる項目や、自宅でできる目安について説明します。
中性脂肪の量は、血液検査で簡単に測定できます。健康診断の血液検査項目に「中性脂肪(トリグリセリド)」という項目がありますので、そこで数値を確認することができます。
-
健康診断での確認:
- 採血による中性脂肪値の測定
- 医師による問診や診察
一方、内臓脂肪の量は、直接測定するのが難しい場合があります。しかし、いくつかの指標で「内臓脂肪の蓄積度」を推測することができます。
最も一般的なのは、腹囲(ウエスト)を測る方法です。男性は85cm以上、女性は90cm以上の場合、内臓脂肪型肥満と診断される基準の一つとなります。さらに、BMI(体格指数)と腹囲を組み合わせた「内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)」の診断基準も重要です。
自宅でできる簡易的な内臓脂肪のチェック方法もあります。市販されている「内臓脂肪レベル」を測定できる体組成計などを使うと、おおよそのレベルを知ることができます。ただし、これはあくまで目安であり、正確な診断は医療機関で行うことが大切です。
中性脂肪を減らすには?食事のポイント
中性脂肪の数値を改善したいと思ったら、まず見直したいのが食生活です。どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
中性脂肪は、主に糖質やアルコールの過剰摂取によって増加します。そのため、これらの摂取量を控えることが重要です。特に、甘い飲み物やお菓子、ごはんやパンなどの炭水化物の摂りすぎには注意しましょう。
また、中性脂肪を減らすのに役立つ栄養素を積極的に摂ることも大切です。
-
積極的に摂りたい食品:
- 青魚(サバ、イワシなど):EPAやDHAを豊富に含み、中性脂肪を下げる効果が期待できます。
- 食物繊維が豊富な食品(野菜、きのこ、海藻など):血糖値の急上昇を抑え、中性脂肪の増加を抑えるのに役立ちます。
調理法も工夫しましょう。揚げ物や炒め物などの油を多く使う料理は控えめにし、蒸す、茹でる、焼くといった調理法を選ぶのがおすすめです。
内臓脂肪を減らすには?運動の重要性
内臓脂肪を効果的に減らすためには、運動が欠かせません。どのような運動が効果的なのでしょうか。
内臓脂肪は、有酸素運動によって燃焼されやすいという特徴があります。ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなど、自分が楽しみながら続けられる有酸素運動を日常的に取り入れましょう。目安としては、週に3日以上、1回30分以上行うことが推奨されています。
運動をする際のポイントはいくつかあります。
-
運動で意識したいこと:
- 無理のない範囲で、継続すること
- 運動前後のストレッチで怪我を予防すること
- 楽しみながら、飽きないように工夫すること
また、筋力トレーニングも併せて行うことで、基礎代謝が上がり、より効率的に脂肪を燃焼できる体になります。スクワットや腹筋運動などの自重トレーニングから始めてみるのも良いでしょう。
中性脂肪と内臓脂肪、どちらを優先して減らすべき?
「中性脂肪も内臓脂肪も気になる…どちらを先に減らせばいいの?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。それぞれの特徴を踏まえて、優先順位を考えてみましょう。
一般的に、内臓脂肪は中性脂肪よりも改善が見られやすいと言われています。食生活や運動習慣を少し見直すだけで、数週間から数ヶ月で効果が現れることもあります。内臓脂肪を減らすことは、メタボリックシンドロームの改善にも直結するため、健康リスクを早期に下げる上で非常に効果的です。
しかし、中性脂肪の値が高い場合も、放置は禁物です。中性脂肪の異常は、動脈硬化を促進するリスクを高めるため、心血管疾患の予防という観点からも重要です。
結局のところ、 中性脂肪と内臓脂肪は互いに関連しており、どちらか一方だけを改善するというよりは、両方同時にケアしていくのが理想的です。
知っておきたい!専門家への相談
自分でできる範囲で頑張ることも大切ですが、どうしても改善が見られない場合や、健康状態に不安がある場合は、専門家への相談を検討しましょう。
まずは、かかりつけ医や健康診断の担当医に相談するのが良いでしょう。現在の健康状態や、どのような生活習慣の改善が必要か、具体的なアドバイスを受けることができます。
また、食事については栄養士、運動についてはトレーナーなど、それぞれの専門家から、よりパーソナルな指導を受けることも可能です。専門家のサポートを受けることで、より効果的かつ安全に目標を達成できるでしょう。
まとめ:健康的な体を手に入れるために
「中性脂肪と内臓脂肪の違い」について、ご理解いただけたでしょうか。中性脂肪は血液中の脂質、内臓脂肪はお腹の臓器周りにつく脂肪であり、それぞれ異なる性質と健康への影響を持っています。しかし、どちらも適正な範囲を超えて蓄積すると、健康リスクを高めることに繋がります。バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、定期的に健康状態をチェックすることで、健康的な体を手に入れ、病気を予防していきましょう。