「mp4とmpegって、結局何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、mp4とmpegは密接な関係にありますが、それぞれ特徴があります。この違いを理解することで、動画ファイルを選ぶ際の迷いがなくなりますよ。今回は、このmp4とmpegの違いを分かりやすく解説していきます。
mp4 と mpeg の 違い:知っておくべき基本
mp4(MP4)とmpeg(MPEG)は、どちらも動画を保存するための「ファイル形式」や「規格」のことです。しかし、単に「mpeg」と言う場合、それはより広範な規格群を指すことが多く、mp4はその中でも特に一般的で、私たちが普段よく目にする動画ファイル形式の1つなのです。 この違いを理解することは、動画の再生や編集、共有をする上で非常に重要になります。
- MPEG (Moving Picture Experts Group) : 動画圧縮技術の標準化を行うグループの名前であり、そのグループが定めた規格の総称でもあります。
- MP4 (MPEG-4 Part 14) : MPEG規格の1つであり、具体的には「MPEG-4」という規格の、さらに「Part 14」という部分を指します。
つまり、mp4はmpegという大きな枠組みの中の、特定の規格ということになります。身近な例で言うと、MPEGが「お菓子」という大きなカテゴリーだとすれば、MP4は「クッキー」のような具体的な種類、と考えると分かりやすいかもしれません。
| 規格 | 説明 |
|---|---|
| MPEG | 動画圧縮技術の標準化グループおよびその規格群 |
| MP4 (MPEG-4 Part 14) | MPEG規格の1つで、広く普及している動画ファイル形式 |
mp4とmpegの歴史的背景
MPEGという規格が作られたのは、デジタルテレビ放送やDVD、インターネットでの動画配信など、様々な場面で動画を効率的に扱う必要が出てきたからです。当初はMPEG-1やMPEG-2といった規格が主流でしたが、より高画質で、より少ないデータ量で、さらに多くの種類の情報を扱えるようにと、改良が重ねられていきました。
その改良の過程で生まれたのが、MPEG-4という規格群です。MPEG-4は、単に映像や音声だけでなく、文字情報や3Dデータなども一緒にまとめられる、より柔軟な設計になっています。そして、このMPEG-4の規格の1つとして定義されたのが、私たちがよく使う「.mp4」という拡張子のファイル形式なのです。
- MPEG-1: DVDの初期などで使用
- MPEG-2: 地上デジタル放送やDVDで広く使用
- MPEG-4: より高機能で柔軟な規格。MP4はこの一部。
mp4とmpegの技術的な違い(動画圧縮)
mp4とmpegを区別する上で、動画を圧縮する技術も重要になります。MPEG規格には、映像を圧縮するための様々な「コーデック」と呼ばれる技術が含まれています。例えば、MPEG-2で使われる「MPEG-2 Video」や、MPEG-4で使われる「H.264/AVC」などがあります。
MP4ファイルは、これらのMPEG-4規格で定められたコーデック(特にH.264/AVCが有名)を使って圧縮されることが多いです。H.264/AVCは、MPEG-2よりも高い圧縮率で、同等以上の画質を実現できるため、現在でも非常に広く使われています。つまり、mp4という「容器」の中に、H.264/AVCという「中身(映像データ)」が入っている、といったイメージです。
- MPEG-2 Video : MPEG-2規格で使われる動画圧縮技術。
- H.264/AVC (Advanced Video Coding) : MPEG-4規格で使われる動画圧縮技術。高効率で現在主流。
mp4とmpegのファイル構造の違い
mp4とmpegは、ファイルに情報がどのように格納されているか(ファイル構造)にも違いがあります。mpegの古い規格(MPEG-1やMPEG-2)では、映像や音声のデータが連続して並んでいるようなシンプルな構造でした。そのため、ファイルの一部だけを再生したり、編集したりするのが少し難しかったです。
一方、mp4(MPEG-4 Part 14)は、「コンテナフォーマット」という考え方を採用しています。これは、映像、音声、字幕、メタデータ(タイトルや作者情報など)といった様々な種類のデータを、1つのファイルの中に整理して格納できる仕組みです。これにより、より柔軟なファイル管理や、スムーズな再生が可能になりました。
| ファイル構造 | 特徴 |
|---|---|
| MPEG (初期規格) | 映像・音声データが連続して格納されるシンプルな構造 |
| MP4 (MPEG-4 Part 14) | 映像・音声・字幕・メタデータなどをまとめて格納できるコンテナフォーマット |
mp4のメリットと普及の理由
mp4がこれほどまでに普及したのには、いくつかの大きな理由があります。まず、前述の通り、H.264/AVCなどの高効率な圧縮技術を使えるため、高画質な映像を小さなファイルサイズで保存できることです。これは、インターネットでのストリーミング再生や、スマートフォンでの動画視聴において非常に有利です。
また、mp4は様々なデバイスやOS(Windows, macOS, iOS, Androidなど)で幅広くサポートされています。特別なソフトをインストールしなくても、ほとんどの環境で再生できる互換性の高さも、普及を後押ししました。さらに、YouTubeやSNSなど、多くのオンラインプラットフォームで標準的に使われていることも、mp4が私たちの生活に溶け込んでいる理由と言えるでしょう。
- 高画質・小容量: H.264/AVCなどによる効率的な圧縮
- 高い互換性: 多くのデバイスやOSで再生可能
- オンラインプラットフォームでの標準: YouTubeなどでの採用
mpegとの比較:どちらを選ぶべきか?
「mp4とmpegの違い」という観点で見ると、現在、私たちが「動画ファイル」として一般的に使うのは、ほとんどがmp4(MPEG-4 Part 14)形式です。一方、MPEGという言葉は、より広い意味で、MPEG-1やMPEG-2といった古い規格や、それらの規格で使われる圧縮技術全体を指す場合に使われることが多いです。
したがって、これから新しく動画ファイルを作成したり、ダウンロードしたりする際には、特別な理由がない限り、mp4形式を選ぶのがおすすめです。なぜなら、mp4は現代の動画視聴環境に最適化されており、最も汎用性が高いからです。
- mp4 : 現在の主流。汎用性が高く、高画質・小容量。
- mpeg : 広範な規格群を指す。古い規格(MPEG-1, MPEG-2)も含む。
mp4とmpegの将来性
動画技術は日々進化しており、MPEGグループも新しい規格の開発を続けています。例えば、MPEG-4よりもさらに高効率な圧縮を実現する「H.265/HEVC」や、次世代の「VVC (Versatile Video Coding)」といった規格が登場しています。これらの新しい規格も、mp4というコンテナフォーマットの中で利用されることが一般的になるでしょう。
つまり、mp4という「容器」は、これからも様々な新しい「中身(圧縮技術)」を格納するために、進化していくと考えられます。この柔軟性こそが、mp4が長きにわたり動画フォーマットのスタンダードであり続ける理由の1つと言えるでしょう。
まとめると、mp4はMPEGという大きな枠組みの中で発展してきた、現代的で非常に使いやすい動画ファイル形式です。この2つの違いを理解して、動画ライフをより快適に楽しんでくださいね!