肖像 権 と パブリシティ 権 の 違い を わかりやすく解説! 知っておきたい基本

「肖像権」と「パブリシティ権」、この二つの言葉、似ているようで実は少し違うんです。 肖像権とパブリシティ権の違い を正しく理解することは、私たちのプライバシーを守る上でとても大切です。今回は、この二つの権利について、誰にでもわかるように、その違いとポイントを解説していきます。

肖像権とは? 顔や姿を守る権利

まず、肖像権とは、簡単に言うと「自分の顔や姿を無断で撮影されたり、公表されたりしない権利」のことです。自分の写真や映像が、本人の知らないところで使われてしまうのは嫌ですよね。肖像権は、そんな不快な思いから私たちを守ってくれる、いわば「顔や姿のプライバシー」を守る権利なんです。

肖像権には、大きく分けて二つの側面があります。

  • 撮影されない権利: 勝手に写真を撮られない権利です。
  • 公表されない権利: 撮られた写真を、勝手に公開されたり、使われたりしない権利です。

例えば、街を歩いていて知らない人にいきなり写真を撮られたら、誰だって嫌な気持ちになりますよね。また、撮られた写真が、意図しない形でインターネットに載せられてしまったら、もっと困ってしまいます。肖像権は、こうした状況から私たちを守ってくれる、 とても重要な権利 なんです。

パブリシティ権とは? 有名人の「顔」が持つ経済的価値を守る権利

次に、パブリシティ権についてです。パブリシティ権は、主に有名人や著名人が持つ権利で、自分の「氏名」や「肖像」が持つ経済的な価値、つまり「有名であること」から生まれる利益を、自分でコントロールできる権利のことです。簡単に言うと、「自分の顔や名前を使って、商売をされるのを防ぐ権利」と言えるでしょう。

パブリシティ権は、肖像権と似ていますが、より「経済的な側面」に重点が置かれています。有名人の顔や名前が勝手に商品に使われると、その有名人本人が得るはずだった宣伝効果や収入を奪われてしまう可能性があります。パブリシティ権は、そうした不当な利益の獲得を防ぐために存在しています。

権利の種類 主な目的 対象
肖像権 プライバシー保護、自己の姿のコントロール 一般の人々、有名人
パブリシティ権 経済的価値の保護、自己の肖像・氏名の商業利用のコントロール 主に有名人、著名人

例えば、人気アイドルの顔写真が無断でTシャツに印刷されて売られていたら、それはそのアイドルのパブリシティ権を侵害している可能性があります。アイドル本人が許可なく、自分の「顔」が商品に使われることを望んでいない場合、その使用は許されないのです。

パブリシティ権のポイント は、単に「顔を勝手に撮られたくない」という感情的な側面だけでなく、「自分の顔や名前が持つ、金銭的な価値をどう使うか」という経済的な側面が強いということです。有名人の場合、その顔や名前自体が大きなブランド価値を持っているからです。

両者の違いを整理しよう!

ここまでの説明で、肖像権とパブリシティ権の基本的な違いが見えてきたかと思います。改めて整理してみましょう。

  • 肖像権: 「自分自身の姿」そのものに対する権利。誰にでも等しく認められる基本的な権利。
  • パブリシティ権: 「有名であることによって生じる、氏名や肖像の経済的価値」に対する権利。主に有名人に認められる権利。

つまり、一般の人が「勝手に写真を撮られて公開されたくない」と主張するのは肖像権ですが、有名人が「自分の顔写真を使った商品が勝手に売られて、自分がお金を得られないのはおかしい」と主張するのはパブリシティ権の範疇になることが多いのです。

日常生活での肖像権の例

私たちの日常生活で、肖像権がどのように関係してくるのか、具体的な例を見てみましょう。

  1. 学校での写真撮影: 運動会や学芸会などで、先生が児童・生徒の写真を撮る場合。保護者への事前説明や、掲載場所の確認などが重要になります。
  2. SNSでの投稿: 友達との旅行写真などをSNSにアップする際。写っている友達に一言断るのがマナーであり、肖像権への配慮です。
  3. イベント会場での撮影: コンサートやスポーツ観戦などで、観客が写真を撮ること。会場のルールによっては、撮影が制限されることもあります。

肖像権は、個人のプライバシーを守るための非常に身近な権利 です。相手に不快感を与えないよう、写真撮影や公開には十分な配慮が必要です。

有名人を守るパブリシティ権の例

では、パブリシティ権がどのように有名人を守っているのか、具体的な例を見てみましょう。

  • CM出演料: 人気俳優がCMに出演する際、そのギャラはパブリシティ権を考慮して決められます。
  • グッズ販売: スポーツ選手の顔写真が入ったグッズが公式に販売される場合、その収益は選手にも分配されます。
  • 無許可の利用の禁止: 有名人の顔写真や名前を無断で商品パッケージや広告に使うことは、パブリシティ権の侵害になります。

パブリシティ権は、有名人が自らの「ブランド価値」を維持し、経済的な利益を確保するために不可欠な権利 です。

肖像権とパブリシティ権の境界線は?

「肖像権とパブリシティ権の違い」は、時に微妙なこともあります。どこからがパブリシティ権の侵害になるのか、境界線が曖昧なケースも存在するからです。

例えば、街角で偶然有名人を撮影した写真が、週刊誌に掲載された場合を考えてみましょう。

  • 肖像権の観点: プライベートな空間でなく、公の場所での撮影であれば、直ちに肖像権侵害とは言えない場合もあります。
  • パブリシティ権の観点: その写真が、有名人のイメージを損なうような使われ方をしたり、商業的な目的で利用されたりした場合は、パブリシティ権侵害となる可能性があります。

裁判などでは、その写真が「何のために」「どのように」使われたのか、という点が重視されます。 単純な撮影行為そのものよりも、その後の利用方法が権利侵害にあたるかどうかの判断に大きく影響します。

まとめ:知っておくべきこと

ここまで、肖像権とパブリシティ権の違いについて解説してきました。最後に、この二つの権利について、私たちが知っておくべきことをまとめます。

肖像権 自分の顔や姿を無断で撮影・公表されない権利。誰にでも認められる。
パブリシティ権 有名人の氏名や肖像が持つ経済的価値をコントロールする権利。主に有名人に認められる。

「肖像権とパブリシティ権の違い」 を理解し、相手の権利を尊重することが、より良い人間関係や社会生活を築く上で大切です。特に、インターネットが普及した現代では、知らぬ間に権利を侵害してしまう、あるいは自分の権利が侵害されてしまうケースも少なくありません。この機会に、ぜひ一度ご自身の周りでどのように関わっているのか考えてみてください。

これからも、あなたの権利を守るための知識を、わかりやすく発信していきます!

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