「給与」「収入」「所得」、どれもお金に関係する言葉だけど、実はそれぞれ意味が違うんです。「給与 収入 と 所得 の 違い」をしっかり理解しておくと、税金のことや将来の計画を立てる上でとっても役立ちますよ。今回は、この3つの言葉の違いを、分かりやすく解説していきます。
給与、収入、所得、それぞれの定義と基本
まず、一番身近な「給与」から見ていきましょう。給与とは、会社などから毎月もらうお給料のこと。基本給に、残業代や各種手当などが加わった、いわゆる「手取り」になる前の金額を指すことが多いです。ただし、厳密には「総支給額」から税金などが引かれる前の金額です。
次に「収入」。収入は、給与だけでなく、アルバイト代、副業で稼いだお金、不動産収入、配当金など、1年間で得たすべてのお金の合計額を指します。つまり、給与は収入の一部と言えますね。 この収入の総額を把握することは、自分の経済状況を知る第一歩です。
そして、一番大切な「所得」です。所得は、収入から、その収入を得るためにかかった経費（給与所得の場合は「給与所得控除」というみなし経費）を差し引いた金額のこと。税金は、この所得に対してかかるのが基本です。給与所得者であれば、会社が源泉徴収をしてくれているので、意識する機会は少ないかもしれませんが、副業をしている場合などは自分で計算する必要があります。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 給与 | 会社などから毎月もらうお給料（総支給額） |
| 収入 | 1年間で得たすべてのお金の合計（給与＋副業＋…） |
| 所得 | 収入から経費を差し引いたもの（税金の計算に使われる） |
給与明細を読んでみよう！
普段何気なく見ている給与明細ですが、ここにも「給与」「収入」「所得」の考え方が詰まっています。明細には「総支給額」「控除額」「差引支給額（手取り）」などが記載されていますね。
- 総支給額 ：これは、給与に各種手当などが加わった、いわゆる「収入」に近い金額です。
- 控除額 ：ここには、所得税や住民税、社会保険料などが含まれています。これらは、所得を計算する上で差し引かれるもの、あるいは税金そのものです。
- 差引支給額（手取り） ：これが実際に口座に振り込まれる金額で、これこそが「所得」からさらに税金などが引かれた、使えるお金です。
給与明細は、自分の「収入」がどのように「所得」になり、そして最終的にいくら「手取り」として受け取っているのかを理解するための、まさに「教材」なのです。
収入の種類と所得への関係
収入には、給与所得以外にも様々な種類があります。例えば、フリーランスの人が請け負った仕事で得る「事業所得」や、アパートなどを貸し出して得る「不動産所得」などです。これらの収入は、それぞれ経費の計算方法が異なります。
事業所得の場合は、実際に事業にかかった経費を差し引くことができます。 例えば、パソコン代や通信費、家賃の一部などが経費として認められる場合があります。一方、給与所得の場合は、あらかじめ定められた「給与所得控除」というみなし経費が適用されます。
収入の種類が異なると、所得の計算方法も変わってくるため、確定申告などで自分で税金を計算する際には、どの種類の収入なのかを正確に把握することが重要になります。
所得税の計算方法：所得がどう税金になるか？
所得税は、先ほど説明した「所得」に対してかかる税金です。計算の基本的な流れは以下のようになります。
- 収入金額の計算 ：1年間のすべての収入を合計します。
- 必要経費の控除 ：収入の種類に応じて、必要経費（給与所得の場合は給与所得控除）を差し引いて、「所得金額」を計算します。
- 所得控除の適用 ：扶養家族がいる場合や、生命保険料を支払っている場合など、個人の事情に合わせて税金が軽減される「所得控除」を差し引きます。
- 課税所得金額の計算 ：上記で計算された金額に、税率をかけて所得税額を計算します。
この「所得控除」の種類が多岐にわたるので、自分の状況に合わせて漏れなく適用することが、節税につながります。
税金の種類：所得税だけじゃない！
所得税以外にも、私たちの生活には様々な税金が関わっています。例えば、住んでいる市町村に納める「住民税」もその一つです。住民税は、前年の所得に対して計算されることが一般的です。
また、給与明細にも記載されている「社会保険料」も、厳密には税金ではありませんが、所得から差し引かれるものとして、手取り金額に大きく影響します。これらも、将来の年金や医療保障に繋がる大切な負担です。
- 所得税
- 住民税
- （社会保険料：税金ではないが、所得から差し引かれる）
確定申告って何？
確定申告とは、1年間の所得と、それにかかる税金を自分で計算して税務署に申告する手続きのことです。給与所得者で、会社が年末調整をしてくれる場合は、基本的に確定申告は不要です。
しかし、副業で収入があったり、医療費控除や住宅ローン控除を受けたい場合などは、確定申告をすることで納めすぎた税金が還付されたり、税金が軽減されたりすることがあります。
確定申告は、自分の所得と税金の関係を正しく理解する上で、とても重要な機会となります。
経費とは？何が経費になるの？
経費とは、収入を得るために直接かかった費用のことです。給与所得者にとっては「給与所得控除」という形で、あらかじめ一定額が差し引かれますが、個人事業主やフリーランスの場合は、自分で実際の経費を計上する必要があります。
経費として認められるかどうかは、その支出が「事業と直接関連があるか」「収入を得るために必要だったか」という点が重要になります。例えば、パソコンや文房具代、事業用の家賃、交通費などが一般的に経費として認められます。
何が経費になるか正確に把握し、領収書などをきちんと保管しておくことが、節税の鍵となります。
所得控除の種類と節税効果
所得控除には、様々な種類があります。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
- 基礎控除 ：すべての人に適用される控除です。
- 配偶者控除 ：配偶者の所得が一定額以下の場合に適用されます。
- 扶養控除 ：扶養している家族がいる場合に適用されます。
- 医療費控除 ：1年間に支払った医療費が一定額を超える場合に適用されます。
- 生命保険料控除 ：生命保険料などを支払った場合に適用されます。
これらの所得控除をうまく活用することで、課税される所得金額を減らし、結果として所得税や住民税を減らすことができます。自分の状況に合わせて、利用できる控除がないか確認してみましょう。
「給与」「収入」「所得」の違いを理解することは、お金との付き合い方をより深く知るための第一歩です。今回解説した内容を参考に、ご自身の収入や所得について、一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。きっと、将来の計画を立てる上で、より具体的なイメージが湧いてくるはずですよ！