「企業」と「会社」、これらの言葉、普段何気なく使っていますが、実はそれぞれ意味が少し違うんです。 企業 と 会社 の 違い を理解することは、社会に出る上でとても大切。今回は、この二つの言葉の違いを、10代の皆さんにも分かりやすく、そして少し面白く解説していきますね！
「企業」とは？ 大きな目標を持った組織！
まず、「企業」という言葉から見ていきましょう。企業というのは、もっと大きな概念なんです。簡単に言うと、 「利益を得ることを目的として、事業活動を行う組織」 のこと。これだけ聞くと「会社」と似ていますが、企業はもっと広範囲な意味を含みます。例えば、個人事業主も、広い意味では「企業」の一部と言えますし、営利を目的としないNPO法人などでも、社会的な課題解決という「事業活動」を行っていれば、広義には企業と捉えられることもあります。
企業が目指すものは、単に儲かることだけではありません。社会に貢献したり、新しい価値を生み出したり、といった大きな目標を掲げていることが多いです。具体的には、以下のような要素が企業にはあります。
- 事業活動（商品やサービスの提供）
- 利益の追求
- 継続性（一時的ではない）
- 社会との関わり
例えば、有名なIT企業は、革新的なサービスを開発して世界中の人々の生活を便利にする、という大きな目標を持っています。それによって利益も得ていますが、その根底には「世界を変えたい」というような、より大きなビジョンがあるんですね。
「会社」とは？ 法的な形を持つ組織！
一方、「会社」は、もっと具体的で法的な側面が強い言葉です。 「会社法という法律に基づいて設立された、法人格を持つ組織」 のことを指します。つまり、会社は「企業」という大きな枠組みの中の一つ、というイメージです。会社には、株式会社、合同会社、合資会社など、いくつかの種類があります。
会社を設立するには、登記という手続きが必要です。これにより、会社は「法人」として、個人とは別の権利や義務を持つことができるようになります。例えば、契約を結んだり、裁判を起こしたり、財産を持ったりすることができます。これは、会社という「箱」が、法的に認められた存在になるということです。
会社には、以下のような特徴があります。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 法人格 | 法的に認められた権利・義務を持つ |
| 設立手続き | 登記が必要 |
| 組織形態 | 株式会社、合同会社などがある |
私たちが普段「〇〇株式会社」と呼んでいるものが、まさに「会社」ですね。これは、法的な手続きを経て、社会の中で活動する「事業を行う組織」であり、さらに「企業」という大きなカテゴリーにも含まれる、ということです。
企業と会社の関係性：包含関係を理解しよう
「企業」と「会社」の関係は、まるで「果物」と「りんご」のようなものです。りんごは果物の一種ですが、果物はりんごだけではありませんよね。同じように、 会社は企業の一種ですが、企業は会社だけではありません。
この包含関係を整理してみましょう。
- 企業 ：利益を目的として事業を行う組織全般。個人事業主や、場合によってはNPO法人も含まれる。
- 会社 ：会社法に基づいて設立された法人格を持つ組織。株式会社、合同会社など。
つまり、すべての「会社」は「企業」ですが、すべての「企業」が「会社」とは限らない、ということです。例えば、個人でインターネットで商品を売っている「個人事業主」は、利益を求めて事業を行っているので「企業」と言えますが、会社法に基づいて設立された「会社」ではありません。
この違いを理解することは、将来、自分で事業を始めたいと思った時や、会社で働く上での組織の仕組みを理解する上で、とても役立ちます。
「事業」という言葉との関連性
「企業」や「会社」の話をする上で、「事業」という言葉もよく出てきます。 「事業」とは、利益を得るために行う経済活動そのもの を指します。例えば、パン屋さんならパンを焼いて売る行為、IT企業ならソフトウェアを開発して販売する行為などが「事業」です。
企業や会社は、この「事業」を行うための「器」や「組織」だと言えます。企業は、事業を継続的に行って利益を得ることを目指し、会社はその事業を行うための法的に定められた形です。
事業を成功させるためには、
- どんな商品・サービスを作るか
- 誰に売るか
- どうやって売るか
などを考え、実行していく必要があります。そして、その活動を支えるのが「企業」であり、法的に守られた「会社」なのです。
「法人」という視点
「会社」を理解する上で欠かせないのが「法人」という言葉です。 「法人」とは、法律によって「人」と同じように権利や義務を持つことができる存在 のこと。人間（自然人）以外で、法律上の権利・義務の主体になれるものを指します。
会社は、登記をすることで「法人」になります。これにより、会社名義で契約を結んだり、不動産を購入したり、従業員を雇用したりすることができます。これは、会社という「組織」が、まるで独立した「人格」を持っているかのように扱われるということです。
法人には、大きく分けて
- 営利法人（会社など）
- 非営利法人（NPO法人、学校法人、宗教法人など）
があります。会社は、その中でも「営利法人」に該当します。
法人格を持つことで、会社の活動はより円滑に進み、社会的な信用も得やすくなります。
「営利」と「非営利」の違い
「企業」と「会社」の違いを考える上で、 「営利」を目的とするのか、「非営利」を目的とするのか も重要なポイントです。私たちが一般的に「企業」や「会社」と聞いてイメージするのは、利益を追求する「営利」を目的とした組織です。
しかし、社会には利益を最優先にしない活動を行う組織もあります。例えば、
- NPO法人：貧困、環境問題、医療支援など、社会的な課題の解決を目指す
- 学校法人：教育を行う
- 宗教法人：宗教活動を行う
これらは、社会貢献や公益の実現を目的としており、直接的な利益追求よりも、その目的達成を優先します。もちろん、活動を続けるためには資金が必要なので、寄付や事業収入を得ることもありますが、その収入を内部に蓄えたり、役員に分配したりすることはありません。
「会社」は、基本的に「営利」を目的とした法人です。一方、「企業」という言葉は、営利目的だけでなく、非営利の組織も広義には含みうる、というニュアンスがあります。
まとめ：社会との関わりを意識しよう
さて、ここまで「企業」と「会社」の違いについて見てきました。簡単にまとめると、
- 企業 ：利益を得ることを目的として事業を行う組織全般。
- 会社 ：会社法に基づいて設立された、法人格を持つ組織。
となります。 会社は企業の一種 であり、事業を行うための法的な「器」と言えます。
これらの違いを理解することは、単に言葉の知識としてだけでなく、社会で働くこと、事業を営むこと、そして社会全体がどのように成り立っているのかを理解する上での第一歩です。これから社会に出ていく皆さんにとって、きっと役立つはずですよ。