日焼け止めを選ぶとき、必ず目にする「SPF」と「PA」。でも、この二つの表示、具体的に何が違うのか、しっかり理解していますか?今回は、この spf と pa の 違い を分かりやすく解説し、あなたにぴったりの日焼け止め選びをお手伝いします。
SPFとPA、それぞれの役割とは?
まず、SPFとPAは、どちらも紫外線から肌を守るための指標ですが、それぞれ守ってくれる紫外線の種類と、その効果の現れ方が異なります。SPFは主に「UVB」、PAは主に「UVA」という、肌にダメージを与える2種類の紫外線をカットする度合いを示しています。
SPFは、肌に赤み(サンバーン)が出るのを防ぐ効果を表します。数字が大きいほど、UVBによる日焼けを防ぐ時間が長くなります。例えば、SPF10なら、何も塗らない場合に比べて約10倍の時間、日焼けを防ぐことができるとされています。しかし、これはあくまで目安であり、汗をかいたり、タオルで拭いたりすると効果は落ちてしまうため、こまめな塗り直しが大切です。
一方、PAは、肌の老化やシミ・シワの原因となるUVAを防ぐ効果を表します。「+」の数が多いほど、UVAを防ぐ効果が高いことを示します。PAは、
- PA+:かなり﹀ (やや効果がある)
- PA++:﹀ (効果がある)
- PA+++:﹀﹀ (非常に効果がある)
- PA++++:﹀﹀﹀ (極めて効果がある)
のように表示されます。 肌の老化をしっかり防ぎたい場合は、PA値の高いものを選ぶことが重要です。
UVBとUVA、肌への影響の違い
SPFとPAの違いを理解するためには、まずUVBとUVAが肌にどのような影響を与えるかを知ることが大切です。それぞれ、肌の表面と奥深くに届き、異なるダメージを与えます。
UVBは、主に肌の表面に作用し、短時間で肌を赤くしたり、ヒリヒリさせたりする日焼け(サンバーン)を引き起こします。これは、肌の細胞が傷ついているサインなのです。SPFはこのUVBによるダメージを防ぐ効果を示します。
UVAは、UVBよりも波長が長く、肌の奥深くまで届きます。そのため、肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみといった肌の老化を促進します。また、メラニン色素を酸化させることで、シミやくすみの原因にもなります。PAはこのUVAによるダメージを防ぐ効果を示します。
このように、UVBとUVAはそれぞれ異なるメカニズムで肌にダメージを与えるため、両方から肌を守ることが美肌を保つ秘訣です。
SPF値の選び方
SPF値は、UVBによる日焼けを防ぐ効果の強さを示すものですが、日常生活やレジャーによって適切なSPF値は変わってきます。
例えば、
- 日常生活(室内中心) :SPF10~20程度で十分な場合が多いです。窓ガラスを透過する紫外線もあるため、短時間の外出でも意識すると良いでしょう。
- 軽い外出(近所への買い物など) :SPF20~30程度がおすすめです。
- 屋外での活動(公園、散歩など) :SPF30~50程度が目安となります。
- 海や山でのレジャー、長時間の屋外活動 :SPF50+など、最高値に近いものを選ぶのが安心です。
ただし、SPF値が高いほど肌への負担が大きいというわけではありません。最近では、低刺激で高SPFの日焼け止めも多く販売されています。
PA値の選び方
PA値は、UVAによる肌の老化やシミ・シワを防ぐ効果の強さを示します。こちらも、活動内容によって選ぶべきPA値が変わってきます。
PA値の表示は以下の通りです。
| 表示 | 効果 |
|---|---|
| PA+ | やや効果がある |
| PA++ | 効果がある |
| PA+++ | 非常に効果がある |
| PA++++ | 極めて効果がある |
一般的に、
- 普段使い :PA++程度あれば、日常的なUVA対策としては十分です。
- 屋外での活動や、日焼けによるシミ・シワが気になる方 :PA+++以上を選ぶのがおすすめです。
- 特に紫外線対策をしっかりしたい方(海、山、リゾート地など) :PA++++を選ぶと、より強力なUVA防御が期待できます。
PA値は、SPF値と組み合わせて、目的に合った日焼け止めを選ぶ際の重要なポイントとなります。
SPFとPAの組み合わせで選ぶ
SPFとPAは、それぞれ異なる紫外線を防ぐ効果を持つため、どちらか一方だけでなく、両方の表示をチェックして、目的に合った製品を選ぶことが大切です。
例えば、
- 「SPF50+ PA++++」 :これは、UVBとUVAの両方に対して最も高い防御効果を持つ日焼け止めであることを意味します。海や山など、強い紫外線を長時間浴びる場面に最適です。
- 「SPF30 PA+++」 :日常使いや、屋外での軽い活動に適しています。
日焼け止めのパッケージに記載されているSPFとPAの値を、ご自身のライフスタイルや活動内容に合わせて確認してみてください。
敏感肌や子供向けの日焼け止めの選び方
敏感肌の方や小さなお子さんが日焼け止めを使用する際は、肌への優しさを重視した製品選びが重要です。SPFやPA値も大切ですが、それに加えて以下の点に注目しましょう。
敏感肌の方へ :
- 紫外線吸収剤フリー :紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して熱に変えるタイプの日焼け止めに使われます。肌に負担がかかる場合があるため、敏感肌の方は紫外線散乱剤(紫外線反射剤)のみを使用した「ノンケミカル」タイプを選ぶのがおすすめです。
- 低刺激処方 :アルコールフリー、無香料、無着色、パラベンフリーなどの表示があるか確認しましょう。
お子さんへ :
- 低刺激・無添加処方 :大人用よりもさらに肌に優しい成分で作られているものを選びましょう。
- 石鹸で落とせるタイプ :肌に負担をかけずに落とせるタイプは、小さなお子さんの肌に安心です。
- SPF/PA値 :日常使いならSPF20~30、PA++程度でも十分な場合が多いです。レジャーなど、より強い日差しが予想される場合は、SPF/PA値の高いものも検討しましょう。
肌に合う日焼け止めを見つけるために、最初は少量で試してみるのも良い方法です。
まとめ:賢く日焼け止めを選んで、健やかな肌をキープ!
SPFとPAの違い、そしてそれぞれの選び方について解説しました。SPFはUVBによる日焼け、PAはUVAによる肌の老化を防ぐ効果を示します。どちらも紫外線対策には欠かせない指標であり、ご自身の活動内容や肌質に合わせて、最適な組み合わせの日焼け止めを選ぶことが大切です。今回ご紹介した情報を参考に、賢く日焼け止めを選び、一年を通して健やかで美しい肌をキープしましょう!