「ビフィズス菌と乳酸菌の違いって何？」って思ったことはありませんか？ どちらも「体に良い菌」としてよく耳にするけれど、具体的にどう違うのか、実はよく知らないという人も多いはず。今回は、そんなビフィズス菌と乳酸菌の違いを、わかりやすく徹底解説します！
菌の種類と生息場所：ビフィズス 菌 と 乳酸菌 の 違い
まず、ビフィズス菌と乳酸菌の最も大きな違いは、その種類と、人の体の中で主にどこに住んでいるかという点です。ビフィズス菌は、その名の通り「ビフィズス菌属」に属する菌で、私たちの腸、特に大腸にたくさん住んでいます。一方、乳酸菌はもっと広いグループで、ヨーグルトや漬物などの発酵食品にもたくさん含まれており、私たちの腸内にも存在しますが、ビフィズス菌ほど大腸に集中しているわけではありません。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
- ビフィズス菌：
- 酸素が苦手な「偏性嫌気性菌」
- 主に大腸に生息
- ヒトが母乳を飲んでいた頃に増えやすい
- 乳酸菌：
- 酸素があってもなくても生きられる「通性嫌気性菌」
- 小腸や大腸、口腔内など、体の様々な場所に生息
- 発酵食品にも多く含まれる
この生息場所の違いは、それぞれが体に与える影響にも関わってくる、とても大切なポイントです。
ビフィズス菌の得意技とは？
ビフィズス菌は、私たちの健康に欠かせない、たくさんの良い働きをしてくれます。その中でも特に注目したいのが、悪玉菌を減らして腸内環境を整えてくれることです。ビフィズス菌は、オリゴ糖などのエサを食べて、乳酸や酢酸を作り出します。この酢酸が、悪玉菌の増殖を抑え、腸のぜん動運動を活発にする手助けをしてくれるのです。
ビフィズス菌の働きを具体的に見ていきましょう。
- 腸内環境の改善： 悪玉菌を減らし、善玉菌を増やすことで、腸内フローラ（腸内細菌のバランス）を健康な状態に保ちます。
- 免疫機能のサポート： 腸は免疫細胞の約7割が集まる場所と言われています。健康な腸内環境は、免疫機能の正常な働きを助けます。
- 整腸作用： 便通を改善する効果も期待できます。
このように、ビフィズス菌はまさに「腸の番人」のような存在と言えますね。
乳酸菌の多彩な働き
乳酸菌も、ビフィズス菌と同様に、私たちの健康をサポートしてくれる頼もしい存在です。乳酸菌は、糖を分解して乳酸を作り出すのが得意な菌たちの総称です。この乳酸が、悪玉菌の増殖を抑える働きを持っています。また、乳酸菌の種類によって、免疫を活性化させたり、アレルギー症状を緩和したりする効果が期待できるものもあります。
乳酸菌の主な働きは以下の通りです。
| 働き | 詳細 |
|---|---|
| 悪玉菌の抑制 | 乳酸を作り出し、腸内を酸性に保つことで悪玉菌の増殖を抑えます。 |
| 免疫機能の調整 | 腸内の免疫細胞に働きかけ、免疫システムを正常に保つ助けをします。 |
| アレルギー症状の緩和 | 一部の乳酸菌には、アレルギー反応を抑える効果が研究されています。 |
乳酸菌は、その種類が非常に豊富で、それぞれにユニークな働きを持っています。そのため、「〇〇菌」といった具体的な菌の名前で呼ばれることが多いのが特徴です。
ビフィズス菌と乳酸菌、どちらが優れている？
「結局、ビフィズス菌と乳酸菌、どっちが良いの？」と疑問に思うかもしれませんが、これは「どちらが優れている」という単純な話ではありません。なぜなら、それぞれ得意とする働きや、腸のどの部分で活躍するかが異なるからです。ビフィズス菌は主に大腸で悪玉菌を抑え、乳酸菌は小腸や大腸で乳酸を生成して環境を整えるなど、お互いを補い合うように働いています。
ここで、両者の働きを比較してみましょう。
- ビフィズス菌：
- 酢酸の生成による強力な悪玉菌抑制
- 腸内環境全体のバランス調整
- 乳酸菌：
- 乳酸による腸内環境の酸性化
- 免疫調整やアレルギー緩和への期待（菌種による）
どちらか一方だけを摂るのではなく、両方をバランス良く摂ることが、より健康的な腸内環境を作るためには大切なのです。
ビフィズス菌を増やすには？
ビフィズス菌を増やすためには、彼らの「エサ」となるものを積極的に摂ることが重要です。ビフィズス菌は、オリゴ糖を好んで食べます。オリゴ糖は、単糖類が複数結合したもので、自然界の食品にも含まれていますし、サプリメントなどでも手軽に摂取できます。
ビフィズス菌のエサとなる食品の例：
- オリゴ糖を多く含む食品： バナナ、ごぼう、玉ねぎ、大豆製品（きな粉など）
- オリゴ糖製品： プレバイオティクス製品として市販されているもの
また、ビフィズス菌そのものを多く含む食品を摂ることも効果的です。例えば、ビフィズス菌入りのヨーグルトや乳酸菌飲料は、手軽にビフィズス菌を補給できる良い方法です。
乳酸菌を増やすには？
乳酸菌を増やすには、乳酸菌そのものが多く含まれる発酵食品を日常的に取り入れるのが一番です。ヨーグルトは、最も身近な乳酸菌食品と言えるでしょう。他にも、チーズ、味噌、醤油、納豆、キムチ、漬物なども、それぞれに多様な乳酸菌を含んでいます。
乳酸菌を多く含む食品の例：
- 乳製品： ヨーグルト、チーズ
- 発酵大豆製品： 味噌、納豆
- 発酵野菜： キムチ、漬物
- その他： 甘酒
これらの食品をバランス良く食べることで、様々な種類の乳酸菌を摂取することができ、腸内環境の多様性を高めることができます。
ビフィズス菌と乳酸菌の摂取源
ビフィズス菌と乳酸菌を効率よく摂るためには、それぞれの特徴を理解した上で、食品を選ぶことが大切です。一般的に、ヨーグルトには「乳酸菌」と表示されているものが多いですが、中には「ビフィズス菌」が添加されているものや、ビフィズス菌を主体とした商品も多く存在します。商品のパッケージをよく見て、どのような菌が含まれているかを確認すると良いでしょう。
摂取源の選び方のポイント：
- ヨーグルト： 「ビフィズス菌」または「乳酸菌」と表示されているもの、または特定の菌種名が記載されているものを選ぶ。
- 発酵食品： 味噌、納豆、キムチなどを積極的に食卓に取り入れる。
- オリゴ糖食品： バナナ、ごぼう、玉ねぎなどを日々の食事に加える。
「〇〇菌」と名前がついているものだけでなく、多様な食品から菌を摂ることが、腸内環境を豊かにする秘訣です。
まとめ：ビフィズス 菌 と 乳酸菌 の 違い を 活かした 腸 活
ここまで、ビフィズス菌と乳酸菌の違いについて詳しく見てきました。どちらも私たちの健康にとって大切な役割を果たしていますが、その働きや生息場所には違いがあることがお分かりいただけたかと思います。ビフィズス菌は主に大腸で悪玉菌を抑え、乳酸菌は小腸や大腸で乳酸を生成して腸内環境を整えるという、それぞれの得意分野があります。
このビフィズス菌と乳酸菌の違いを理解した上で、オリゴ糖や発酵食品をバランス良く摂取することが、健康的な腸内環境を育むための鍵となります。日々の食生活に少し意識して、あなたも「腸活」を始めてみませんか？