配偶 者 控除 と 扶養 控除 の 違いをスッキリ解説!税金でお得になるヒント

「配偶 者 控除」と「扶養 控除」、どちらも税金がお得になる制度ですが、具体的に何が違うのでしょうか?この二つの控除の 違いを理解することは、賢く税金と付き合っていく上で非常に重要 です。この記事では、この二つの控除の基本的な違いから、それぞれの適用条件、さらには注意点まで、わかりやすく解説していきます。

配偶者控除と扶養控除、根本的な違いとは?

まず、一番大切なのは「誰に対して」適用される控除なのか、という点です。配偶者控除は、文字通り「配偶者」、つまり結婚している相手(夫または妻)がいる場合に受けられる控除です。一方、扶養控除は、自分自身が生活費などを援助している「扶養親族」がいる場合に受けられる控除です。この「配偶者」と「扶養親族」という対象の違いが、両者の最も大きな違いと言えます。

具体的には、以下のような違いがあります。

  • 対象者: 配偶者控除は配偶者のみ、扶養控除は子供や親などの扶養親族が対象。
  • 所得制限: 配偶者控除には、納税者本人と配偶者の両方に所得制限があります。扶養控除は、納税者本人の所得制限が主ですが、扶養親族にも所得制限があります。
  • 控除額: 一般的に、配偶者控除の方が扶養控除よりも控除額が高くなる傾向があります。

このように、配偶者控除と扶養控除は、控除の対象となる人物や、適用されるための条件が異なります。それぞれの制度を正しく理解し、ご自身の状況に合わせて活用することが大切です。

配偶者控除の基本

配偶者控除は、納税者本人の所得が一定額以下であり、かつ配偶者の年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)である場合に適用されます。この条件を満たすことで、納税者本人の所得税や住民税が軽減されます。配偶者控除の控除額は、配偶者の年齢や納税者本人の所得によって変動します。

配偶者控除を受けるための主な条件をまとめると、以下のようになります。

  1. 納税者本人と生計を一にしている配偶者であること。
  2. 配偶者の年間の合計所得金額が48万円以下であること。
  3. 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること。

配偶者控除は、共働きのご家庭や、専業主婦・主夫のいるご家庭など、多くのご家庭で関係してくる控除です。特に、配偶者の働き方や収入によって適用されるかどうかが変わってくるため、注意が必要です。

参考までに、配偶者控除の控除額の例をいくつか見てみましょう。

納税者本人の合計所得金額 配偶者の年齢 控除額
900万円以下 70歳未満 38万円
900万円以下 70歳以上 48万円
900万円超1,000万円以下 70歳未満 26万円

扶養控除の基本

扶養控除は、16歳以上の扶養親族(子供や両親など)がいる場合に受けられる控除です。扶養親族の所得が一定額以下であることが条件となります。扶養親族の年齢によって、控除額が変わってきます。

扶養控除の対象となる扶養親族は、以下の条件を満たす必要があります。

  • 納税者本人と生計を一にしていること。
  • 扶養親族の年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与収入のみの場合は103万円以下)。
  • 原則として、他の人の扶養親族になっていないこと。

扶養控除は、子育て世帯や、高齢の親を扶養している方にとって、税負担を軽減してくれる重要な制度です。扶養している親族の人数や年齢を把握しておきましょう。

扶養控除の控除額は、扶養親族の年齢によって異なります。

  1. 一般の扶養親族(16歳以上23歳未満): 38万円
  2. 特定扶養親族(19歳以上23歳未満): 63万円(一般の扶養親族の控除額に25万円が加算)
  3. 老人扶養親族(70歳以上): 38万円(同居していない場合は33万円)

配偶者特別控除について

配偶者控除の対象とならない場合でも、配偶者の年間の合計所得金額が48万円を超え133万円以下であれば、「配偶者特別控除」という制度を利用できる場合があります。この配偶者特別控除は、配偶者控除と異なり、配偶者の所得が高くなるにつれて控除額が段階的に減少していくのが特徴です。

配偶者特別控除を受けるための条件は以下の通りです。

  • 納税者本人と生計を一にする配偶者であり、その年分の合計所得金額が1,000万円以下であること。
  • 配偶者の年間の合計所得金額が48万円超133万円以下であること。

配偶者特別控除は、配偶者がパートなどで少し収入を得ている場合に、税金面でのメリットがある制度です。夫婦どちらかの収入が一定額を超えてしまって配偶者控除が受けられなくなっても、この配偶者特別控除で節税できる可能性があります。

配偶者特別控除の控除額は、配偶者の合計所得金額によって決まります。

配偶者の合計所得金額 控除額
48万円超95万円以下 38万円
95万円超100万円以下 36万円
100万円超105万円以下 31万円
105万円超110万円以下 26万円
110万円超115万円以下 21万円
115万円超120万円以下 16万円
120万円超125万円以下 11万円
125万円超130万円以下 6万円
130万円超133万円以下 3万円

「生計を一にする」とは?

配偶者控除や扶養控除を受ける上で、「生計を一にする」という言葉がよく出てきます。これは、単に同じ家に住んでいるということだけでなく、生活費や家賃、光熱費などを共有して、日常的な生活を共にしている状態を指します。例えば、単身赴任で別居している場合でも、仕送りなどで生活費を援助していれば「生計を一にする」とみなされることがあります。

「生計を一にする」の具体的な例としては、以下のようなケースが挙げられます。

  • 夫婦が別々の場所に住んでいても、夫が妻に毎月仕送りをして生活費を援助している場合。
  • 子供が大学進学で実家を離れて一人暮らしをしているが、親が学費や生活費を援助している場合。

この「生計を一にする」という条件は、控除を受ける上で非常に重要なので、ご自身の状況がこれに該当するかどうか、しっかり確認することが大切です。

扶養親族の所得制限について

扶養控除の対象となる扶養親族には、所得制限があります。具体的には、扶養親族の年間の合計所得金額が48万円以下である必要があります。これは、扶養親族自身が一定以上の収入を得て、自立しているとみなされる場合に、扶養控除の対象から外れるようにするためです。給与収入のみの場合は103万円が目安となります。

扶養親族の所得制限について、さらに詳しく見ていきましょう。

  1. 扶養親族の合計所得金額: 48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)
  2. 対象年齢: 16歳以上の扶養親族

この所得制限は、扶養親族がアルバイトやパートなどで働いている場合に特に注意が必要です。年末調整や確定申告の際に、扶養親族の収入を正確に把握しておくことが重要になります。

年末調整と確定申告

配偶者控除や扶養控除を受けるためには、年末調整や確定申告の手続きが必要です。会社員の方であれば、通常、勤務先で行われる年末調整でこれらの控除を申告することになります。一方、自営業の方や、年末調整で申告しきれなかった場合などは、確定申告を行う必要があります。

年末調整と確定申告における手続きの違いは以下の通りです。

  • 年末調整: 会社員などが、勤務先を通じて税務署に納税額を確定させる手続き。
  • 確定申告: 自営業者や、年末調整で申告できない人が、自分で税務署に所得や税額を申告する手続き。

どちらの手続きをする場合でも、必要な書類(源泉徴収票、扶養親族の所得を証明する書類など)を漏れなく準備することが大切です。

まとめ

配偶者控除と扶養控除は、それぞれ対象となる人が異なり、適用されるための条件も違います。ご自身の家族構成や収入状況を把握し、これらの控除を上手に活用することで、税金をお得にすることができます。不明な点があれば、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

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