「xls」と「xlsx」、これらはExcelで作成されたファイルによく見られる拡張子ですが、一体何が違うのでしょうか？ xls と xlsx の 違い を理解することは、Excelをより快適に、そして効率的に使いこなす上でとても重要です。
ファイル形式の基本的な違い：中身はどう違う？
まず、xlsとxlsxの最も大きな違いは、そのファイル形式にあります。xlsは古い形式で、バイナリ形式という、コンピューターが直接理解しやすい形式でデータが保存されていました。一方、xlsxは新しい形式で、XML（Extensible Markup Language）という、人間にもコンピューターにも分かりやすい形式を基盤としています。この違いが、ファイルサイズや機能性、互換性に大きく影響してくるのです。
具体的に見ていきましょう。
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xls (Excel 97-2003 Workbook)
- バイナリ形式で保存される。
- ファイルサイズが大きくなりがち。
- 最大行数や列数に制限がある。
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xlsx (Excel Workbook)
- XMLベースのZIP圧縮形式で保存される。
- ファイルサイズが小さくなりやすい。
- より多くの行数や列数を扱える。
- 新しいExcel機能（条件付き書式、グラフの種類など）に対応している。
どちらの形式が良いかは、使用するExcelのバージョンや、ファイルにどのようなデータを保存するかによって変わってきます。しかし、近年ではxlsx形式が標準となっており、特別な理由がない限りxlsx形式での保存が推奨されています。
互換性の問題：古いバージョンとの付き合い方
xlsとxlsxの互換性も、知っておきたい重要なポイントです。特に、少し前のバージョンのExcelを使っている人とファイルをやり取りする場合、この違いが問題になることがあります。
例えば、最新のExcelで作成したxlsxファイルを、古いバージョンのExcel（2003以前）で開こうとすると、正しく表示されなかったり、一部の機能が使えなかったりすることがあります。これは、古いExcelがxlsx形式のXML構造を理解できないためです。
逆に、古いバージョンのExcelで作成したxlsファイルは、新しいバージョンのExcelでも問題なく開けることが多いです。これは、新しいExcelが古い形式にも対応しているからです。
| ファイル形式 | 新しいExcel (2007以降) での互換性 | 古いExcel (2003以前) での互換性 |
|---|---|---|
| xls | ◎ (問題なく開ける) | ○ (一部機能制限の可能性あり) |
| xlsx | ◎ (問題なく開ける) | × (開けない、または正しく表示されない) |
このような互換性の問題を避けるためには、相手が使っているExcelのバージョンを確認し、必要であれば「Excel 97-2003 ブック」形式（.xls）で保存し直すことも検討しましょう。
ファイルサイズの比較：どちらが軽やか？
ファイルサイズも、xlsとxlsxで違いが見られます。一般的に、xlsxファイルの方がxlsファイルよりもファイルサイズが小さくなります。
これは、xlsx形式がXMLベースであり、さらにZIP圧縮されているためです。XMLは人間にも読みやすいテキストデータですが、これを効率的に保存するために圧縮技術が使われています。一方、xls形式はバイナリ形式であり、ZIP圧縮のような効果は期待できません。
例えば、同じ内容のデータでも、xlsx形式で保存するとxls形式よりも数十パーセント小さくなることも珍しくありません。これは、メールでファイルを送ったり、クラウドストレージに保存したりする際に、大きなメリットとなります。
ファイルサイズが小さいということは、それだけ保存容量を節約でき、転送速度も速くなるということです。
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xlsx
- XMLベース + ZIP圧縮
- ファイルサイズが小さい
- 保存・転送が速い
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xls
- バイナリ形式
- ファイルサイズが大きくなりがち
- 保存・転送に時間がかかる場合がある
セキュリティ機能の違い：より安全に
セキュリティの面でも、xlsx形式はxls形式よりも進化しています。xlsx形式は、マクロ（VBA）を含むファイルと、マクロを含まないファイルを区別して保存することができます。
マクロは便利な機能ですが、悪意のあるプログラムが仕込まれている可能性もあります。そのため、xlsx形式では、マクロが含まれているファイルには「.xlsm」という拡張子が付き、マクロが含まれていないファイルとは明確に区別されるようになっています。
これにより、ユーザーはファイルを開く前に、そのファイルがマクロを含んでいるかどうかを把握でき、セキュリティリスクを低減することができます。
- マクロありのxlsxファイル : 拡張子は「.xlsm」
- マクロなしのxlsxファイル : 拡張子は「.xlsx」
xls形式の場合、マクロが含まれていても「.xls」という拡張子で保存されるため、見た目だけではマクロの有無を判断するのが難しい場合があります。
機能性の向上：どんな新しいことができる？
xlsx形式が登場したことで、Excelで利用できる機能も格段に増えました。新しいExcelバージョンで搭載された高度な関数、条件付き書式、新しいグラフの種類などは、xlsx形式でなければ正しく保存・利用できないことがあります。
例えば、画像や図形をより柔軟に配置したり、スライサーなどのインタラクティブな要素を加えたりすることも、xlsx形式ならではの機能です。これらの新しい機能を最大限に活用したい場合は、xlsx形式での保存が不可欠となります。
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つまり、最新のExcelの機能をフルに使いこなしたいのであれば、xlsx形式を選ぶのが賢明です。
データ容量の限界：より多くのデータを扱える
Excelで扱えるデータの量にも、xlsとxlsxで違いがあります。xlsx形式は、xls形式に比べて、より多くの行数と列数を扱うことができます。
具体的には、xls形式では最大で65,536行、256列までしか扱えませんが、xlsx形式では最大で1,048,576行、16,384列まで扱うことが可能です。これは、大量のデータを分析したり、複雑な計算を行ったりする際に、非常に大きな違いとなります。
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もし、これまでExcelの行数や列数の上限に悩まされた経験があるなら、それはxlsx形式に移行することで解決される可能性が高いです。
まとめ：どちらを選ぶべき？
ここまで、xlsとxlsxの様々な違いを見てきました。 xls と xlsx の 違い は、ファイル形式、互換性、ファイルサイズ、セキュリティ、機能性、そしてデータ容量の限界と多岐にわたります。
結論から言うと、特別な理由がない限り、 xlsx形式での保存を強くお勧めします 。xlsx形式は、ファイルサイズが小さく、セキュリティが高く、最新のExcel機能をフルに活用できるからです。もし、古いバージョンのExcelを使っている人とファイルを共有する必要がある場合は、相手のバージョンを確認し、必要に応じて「Excel 97-2003 ブック」形式（.xls）で保存する、といった対応をすれば問題ありません。
これらの違いを理解して、あなたのExcelライフをより快適なものにしてくださいね！