PLフィルターとCPLフィルターの違いを徹底解説!写真表現の幅を広げよう

写真撮影において、光のコントロールは作品の質を大きく左右します。特に、反射光を抑えたり、空の色を鮮やかにしたりする際に活躍するのがPLフィルターとCPLフィルターです。今回は、この二つのフィルターの基本的な違いから、それぞれの特性、そしてどのような場面で使い分けるべきなのかを、わかりやすく解説していきます。 pl フィルター と cpl フィルター の 違い を理解することで、あなたの写真表現はさらに豊かになるでしょう。

PLフィルターとCPLフィルターの基本的な違い

まず、PLフィルターとCPLフィルターの最も大きな違いは、その構造と機能にあります。PLフィルターは「偏光フィルター」の総称であり、光の振動方向を一定に揃えることで、不要な反射光をカットする役割を果たします。一方、CPLフィルターは「円偏光フィルター」の略で、PLフィルターの一種ではありますが、より高度な設計がされています。

pl フィルター と cpl フィルター の 違いを理解するために、それぞれの特性を見てみましょう。

  • PLフィルター(Linear Polarizer) : 光の偏光を直線的に制御します。一部のオートフォーカス(AF)システムを持つカメラでは、AFの精度に影響を与える可能性があるというデメリットがありました。
  • CPLフィルター(Circular Polarizer) : 円偏光を作り出すことで、PLフィルターのAFへの影響を解消しました。現代のほとんどのデジタルカメラはこのCPLフィルターを使用しています。

つまり、現代のデジタルカメラで一般的に「PLフィルター」として販売されているものの多くは、実際にはCPLフィルターであることがほとんどです。しかし、この二つの言葉が混同されることも多いため、その違いを正確に把握しておくことが重要です。

フィルター名 主な特徴 AFへの影響
PLフィルター 直線偏光。光の振動方向を一定に揃える。 AF精度に影響を与える可能性あり。
CPLフィルター 円偏光。AFへの影響を軽減。 ほとんど影響なし。

CPLフィルターの仕組みと効果

CPLフィルターは、名前の通り「円偏光」を利用しています。これは、光の波が円を描くように振動しながら進む状態を作り出すものです。この円偏光の特性が、カメラのAFセンサーや露出計に悪影響を与えずに、効果的に反射光をカットすることを可能にしています。

CPLフィルターを使うことで、具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。

  1. 反射の除去 : 水面やガラスなどの非金属表面からの反射光を効果的に抑えます。これにより、水中の魚やガラス越しの被写体をクリアに写すことができます。
  2. 空の色の強調 : 空の青色をより深く、鮮やかに表現できます。特に、太陽光が空気中の微粒子に乱反射することで生じる白っぽい霞を抑え、コントラストを高めます。
  3. 葉の色合いの向上 : 木々の葉の表面からの反射を抑えることで、緑色をより鮮やかに、そして鮮明に写すことができます。

CPLフィルターの装着は、レンズの前面にねじ込むだけで非常に簡単です。フィルター自体を回転させることで、効果の強さを調整できます。この回転機構があるため、意図した効果を得るためには、実際にファインダーを覗きながら調整することが大切です。

PLフィルターの歴史的背景と現代での位置づけ

PLフィルター(直線偏光フィルター)は、CPLフィルターが登場する以前から存在していました。フィルムカメラの時代には、AFシステムが現在ほど複雑ではなかったため、PLフィルターも広く使われていました。しかし、デジタルカメラの普及に伴い、AFセンサーの性能が向上し、直線偏光がAFの誤作動を引き起こすことが問題視されるようになりました。

そのため、現代のデジタルカメラユーザーにとっては、pl フィルター と cpl フィルター の 違いを正確に理解し、CPLフィルターを選ぶことが一般的となっています。もし「PLフィルター」と明記されている製品を見かけた場合でも、それが実際にはCPLフィルターである可能性が高いことを覚えておくと良いでしょう。

PL/CPLフィルターの選び方

PLフィルターとCPLフィルターのどちらを選ぶべきか迷ったときは、まずご自身のカメラがどのようなAFシステムを採用しているかを確認することが大切です。しかし、前述の通り、現代のほとんどのカメラではCPLフィルターが推奨されます。

フィルターを選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • レンズの口径に合わせる : フィルターはレンズの前面に装着するため、レンズの口径(例: 52mm, 67mm, 77mmなど)に合ったサイズを選ぶ必要があります。
  • 薄型タイプを選ぶ : 特に広角レンズを使用する場合、厚みのあるフィルターだとケラレ(画面の隅が暗くなる現象)が発生しやすいため、薄型設計のフィルターがおすすめです。
  • コーティング性能をチェックする : 高品質なコーティングが施されたフィルターは、不要なフレアやゴーストの発生を抑え、画像の鮮明さを保ちます。

PL/CPLフィルターの使い方

PLフィルターやCPLフィルターの効果を最大限に引き出すには、正しい使い方を理解することが重要です。効果の強さや方向は、フィルターの回転によって調整されます。

効果的な使い方:

  1. カメラにフィルターを装着する : レンズの先端に、フィルターをしっかりとねじ込みます。
  2. ファインダーを覗き、効果を確認しながら回転させる : フィルターのリング部分をゆっくりと回転させ、反射が最も抑えられる位置、または空の色が最も鮮やかになる位置を探します。
  3. 撮影する : 目的の効果が得られたら、その状態でシャッターを切ります。

特に、太陽を基準にしてフィルターを回転させると、反射の抑制効果や空の色味の変化が顕著に現れます。例えば、太陽を背にして撮影する場合、空は最も青くなります。

PL/CPLフィルターの注意点

PLフィルターとCPLフィルターは非常に便利なツールですが、いくつか注意すべき点もあります。

注意すべき点:

  • 不要な反射をカットしすぎる : 意図せず、被写体本来の光沢感まで失ってしまうことがあります。例えば、肌の健康的なツヤを抑えすぎてしまう場合などです。
  • 広角レンズでの使用 : 厚みのあるフィルターは、広角レンズで撮影した際に画面の端にケラレ(黒い縁)を生じさせることがあります。薄型設計のフィルターを選ぶか、使用するレンズとの相性を確認しましょう。
  • 太陽を直接撮影する際 : 太陽を直接ファインダーで覗きながらフィルターを調整するのは、目に非常に危険です。絶対にしないでください。

また、NDフィルター(減光フィルター)など、他のフィルターと併用する際には、さらにケラレや色かぶりに注意が必要です。組み合わせによっては、意図しない結果になることもあります。

PL/CPLフィルターと他のフィルターとの比較

PLフィルターやCPLフィルターは、光の質をコントロールするためのフィルターですが、他の種類のフィルターとも比較してみましょう。

  • NDフィルター(減光フィルター) : 光の量を減らすことで、日中でもシャッタースピードを遅くしたり、絞りを開けたりすることが可能になります。滝の流れを絹のように写したり、動く被写体をブレさせたりするのに使われます。
  • UVフィルター : かつてはレンズ保護や紫外線カットのために使われていましたが、現代のデジタルカメラではほとんど必要とされていません。
  • ソフトフィルター : 画像にソフトな効果を与え、肌を滑らかに見せたり、光のにじみを表現したりするのに使われます。

pl フィルター と cpl フィルター の 違いは、反射光や空の色に直接作用することにあります。NDフィルターのように光の量を減らすわけではなく、またソフトフィルターのように画像に直接的な表現効果を加えるわけでもありません。それぞれのフィルターは、異なる目的のために設計されています。

まとめ:PL/CPLフィルターで写真表現をレベルアップ!

pl フィルター と cpl フィルター の 違い、そしてそれぞれの特性についてご理解いただけたでしょうか。現代のデジタルカメラでは、一般的にCPLフィルターが推奨されますが、その基本的な原理はPLフィルターにあります。これらのフィルターを使いこなすことで、単に光を抑えるだけでなく、写真のコントラストを高め、色を鮮やかにし、不要な反射を取り除くことで、より印象的で美しい作品を撮ることができるようになります。

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