「つみたてNISAとNISAの違いって何?」そう思っているあなた! この二つは、どちらも「少額から始められる税金がお得になる投資制度」ですが、実はいくつか大切な違いがあります。この違いをしっかり理解することで、あなたにぴったりの方を選べるようになりますよ。今回は、そんな「つみたてNISAとNISAの違い」を分かりやすく解説していきます。
知っておきたい!つみたてNISAとNISAの基本的な違い
まず、一番大きな違いは「投資できる商品」と「投資の仕方」です。つみたてNISAは、名前の通り「毎月コツコツ積み立てていく」のが基本。投資できる商品も、国が選んだ「長期・積立・分散投資」に適した投資信託やETFに限定されています。一方、NISA(現行NISA、2024年以降は新NISAの「一般NISA」に引き継がれます)は、もっと自由度が高いのが特徴。投資信託はもちろん、個別株にも投資できますし、一度にまとめて投資することも可能です。
この「投資できる商品」と「投資の仕方」の違いが、それぞれどんな人に向いているかに大きく影響します。つみたてNISAは、投資初心者の方や、忙しくてあまり投資に時間をかけられない方、とにかくリスクを抑えて堅実に増やしたい方におすすめです。反対に、NISAは、自分でしっかり勉強して投資したい方や、より大きなリターンを狙いたい方、色々な投資に挑戦してみたい方に向いています。 自分に合った制度を選ぶことが、賢く資産を増やす第一歩です。
さらに、非課税で運用できる期間も異なります。
- つみたてNISA:最長20年間
- NISA(一般NISA):最長5年間
投資できる商品ラインナップの違い
つみたてNISAの対象商品は、金融庁が定めた基準を満たしたものに限られています。これは、投資初心者でも安心して投資できるように、手数料が安く、長期的な値上がり益や分配金が期待できる、いわゆる「優良な投資信託」ばかりが選ばれているからです。
具体的には、以下のような特徴を持つ商品が中心です。
- インデックスファンド:市場全体の動きに連動するように運用
- バランスファンド:複数の資産(株や債券など)を組み合わせて分散投資
一方、NISA(現行NISAの一般NISA)では、つみたてNISAの対象商品に加えて、個別株や、つみたてNISAにはない種類の投資信託なども購入できます。例えば、特定の企業の株を買って、その会社の成長を応援しながら値上がり益を狙う、といった投資も可能です。
まとめると、
| 制度 | 投資できる商品 |
|---|---|
| つみたてNISA | 厳選された投資信託・ETF |
| NISA(一般NISA) | 投資信託・ETF、個別株など |
投資の仕方(積立か一括か)
つみたてNISAの最大の特徴は、「積立投資」に特化している点です。毎月決まった金額を、決まった日に自動的に買い付けてくれるので、忙しい人でも手間なく投資を続けられます。さらに、「ドルコスト平均法」という、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うという仕組みが自動的に適用されるため、高値掴みのリスクを抑え、平均購入単価を平準化する効果が期待できます。
この積立投資のメリットは、感情に左右されずに投資を続けられることです。市場が下落して不安になっても、自動的に買い付けが続くため、結果的に安く仕込むチャンスを逃しにくくなります。
対して、NISA(現行NISAの一般NISA)では、積立投資も可能ですが、「一括投資」もできます。例えば、まとまったお金ができた時に、一度にまとめて株や投資信託を購入するといったやり方です。これにより、市場が上昇トレンドの時にタイミング良く投資できれば、より大きなリターンを得られる可能性もあります。
つまり、
- つみたてNISA:毎月コツコツ積立が基本
- NISA(一般NISA):積立も一括もOK
非課税で運用できる期間
非課税で運用できる期間は、つみたてNISAとNISA(現行NISAの一般NISA)で大きく異なります。
- つみたてNISA:最長20年間
- NISA(現行NISAの一般NISA):最長5年間
例えば、100万円を年利5%で運用できたと仮定しましょう。
- つみたてNISA(20年間):約265万円
- NISA(一般NISA)(5年間):約127万円
ただし、2024年からは新NISA制度が始まり、一般NISAとつみたてNISAが統合され、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という形で、より柔軟に利用できるようになります。
| 制度 | 非課税保有期間 |
|---|---|
| つみたてNISA | 最長20年 |
| NISA(一般NISA) | 最長5年 |
非課税投資枠の年間限度額
非課税で投資できる「年間限度額」も、つみたてNISAとNISA(現行NISAの一般NISA)では異なります。
- つみたてNISA:年間40万円
- NISA(現行NISAの一般NISA):年間120万円
例えば、毎月3万円(年間36万円)を積み立てる場合、つみたてNISAの枠(年間40万円)で十分に収まります。しかし、毎月10万円(年間120万円)を積み立てたい場合は、NISA(一般NISA)の枠を利用する必要があります。
新NISA制度では、
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
年間限度額について、簡単にまとめると以下のようになります。
| 制度 | 年間投資上限額 |
|---|---|
| つみたてNISA | 40万円 |
| NISA(一般NISA) | 120万円 |
生涯で投資できる総額(非課税保有限度額)
つみたてNISAとNISA(現行NISAの一般NISA)には、それぞれ「生涯で投資できる総額」の上限(非課税保有限度額)も設定されています。
- つみたてNISA:800万円
- NISA(現行NISAの一般NISA):600万円
例えば、つみたてNISAで毎年40万円を20年間投資し続けた場合、総額800万円が非課税で運用できる上限となります。同様に、NISA(一般NISA)で毎年120万円を5年間投資した場合、総額600万円が上限となります。
2024年からの新NISAでは、この生涯投資枠が大幅に拡大され、
- つみたて投資枠:生涯1,800万円(うち、成長投資枠の買付残高は1,200万円まで)
- 成長投資枠:生涯1,800万円(うち、つみたて投資枠の買付残高は1,800万円まで)
どちらを選ぶべき?あなたに合った選び方
ここまで、つみたてNISAとNISA(現行NISAの一般NISA)の主な違いを見てきました。では、一体どちらを選べば良いのでしょうか? 結論から言うと、 「あなた自身の投資経験、目標、リスク許容度」 によって最適な選択肢は変わってきます。
もしあなたが、
- 投資初心者で、何から始めれば良いか分からない
- 忙しくて、投資に時間をかけられない
- リスクを抑えて、堅実に資産を増やしたい
一方、あなたが、
- ある程度投資の知識があり、自分で商品を選びたい
- 個別株にも投資してみたい
- より積極的にリターンを狙いたい
2024年からの新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠が併用できるため、両方のメリットを活かした投資が可能になります。ご自身の状況に合わせて、この二つの制度のどちらか、あるいは両方を組み合わせるのが賢い選択と言えるでしょう。
「つみたてNISAとNISAの違い」を理解することは、将来の資産形成への第一歩です。どちらの制度も、税金がお得になる素晴らしい機会なので、ぜひご自身の目的に合わせて活用してみてください。