「検事」と「判事」、どちらも法律に関わる大切なお仕事ですが、一体どんな違いがあるのでしょうか？ 検事 と 判事 の 違いを分かりやすく解説し、それぞれの役割や仕事内容を、まるでドラマやニュースで見るような状況を想像しながら、楽しく学んでいきましょう。
事件を「起訴」するか「不起訴」にするかの判断：検事の役割
検事の主な仕事は、犯罪の疑いがある事件について、捜査機関（警察など）から送られてきた資料を基に、その人が本当に罪を犯したのか、そして罪を犯したとして、裁判にかけるべきかどうかを判断することです。 この「裁判にかける」という行為を「起訴」と言い、検事の最も重要な役割の一つです。
検事は、事件の証拠を調べ、目撃者の話を聞き、時には自分でさらに捜査を指揮することもあります。これらの活動を通して、罪を犯したことが明らかになったと判断すれば、裁判所に訴えを起こします。逆に、証拠が不十分であったり、犯罪とは言えないような場合だったりすれば、「不起訴」という判断を下します。不起訴になれば、裁判にはなりません。
-
検事の主な仕事：
- 犯罪捜査の指揮
- 証拠の収集・分析
- 起訴・不起訴の判断
- 裁判での証拠提出・弁論
「公正な判断」を下す裁判官：判事の役割
一方、判事（裁判官とも呼ばれます）は、検事が「起訴」した事件について、裁判を開き、公正な判断を下す役割を担います。検事や弁護士（被告人の味方をする人）が提出する証拠や主張を聞き、法律に基づいて「有罪」なのか「無罪」なのか、そして有罪であれば「どのような刑罰」を与えるのかを決定するのが判事の仕事です。
裁判官は、どちらか一方の味方をするのではなく、あくまで法律のルールに従って、公平な立場で裁判を進めます。そのため、検事の提出した証拠が十分でないと判断すれば無罪を言い渡すこともありますし、逆に検事の主張が正当であれば有罪を言い渡すこともあります。 裁判官の判断によって、一人の人生が大きく左右されるため、非常に責任のある仕事です。
| 役割 | 主な仕事 |
|---|---|
| 検事 | 犯罪の捜査・起訴・不起訴の判断、裁判での弁論 |
| 判事 | 裁判の進行、証拠・主張の検討、判決の言い渡し |
事件への関わり方の違い
検事と判事の最も大きな違いは、事件にどのように関わるかという点です。検事は、事件の「発端」から関わり、犯罪の証拠を集めて、裁判にかけるかどうかを「主導的に決める」立場にあります。つまり、検事は「攻撃側」あるいは「訴える側」と言えます。
それに対して判事は、検事によって「起訴された」事件を受けて、初めて裁判の場で登場します。判事は、検事と弁護士の間の「仲裁者」のような立場で、どちらの言い分にも耳を傾け、法律というルールブックに基づいて、最も正しい判断を下そうとします。 判事は「判断を下す側」であり、「公平」であることが絶対条件です。
仕事の目的の違い
検事の仕事の目的は、犯罪を捜査し、証拠に基づいて「真実を明らかにし、罪を犯した者を罰すること」にあります。社会の秩序を守り、被害者を救済するために、積極的に捜査を進め、裁判で被告人を罰することを強く目指します。
一方、判事の仕事の目的は、「法に基づいて公正な裁判を行い、最終的な結論（判決）を出すこと」です。検事の主張が法に照らして正しいかどうか、被告人の弁護士の主張も踏まえて、最も適切な判断を下すことが求められます。 判事は、法という眼鏡を通して、事件の善悪を冷静に見極めます。
職業としての道のりの違い
検事になるためには、まず司法試験に合格し、その後、検事になるための研修を受ける必要があります。一方、判事になるためにも、司法試験に合格し、研修を受けた後、裁判官としての任官を目指します。どちらも法律の専門家ですが、その後のキャリアパスや、任命される立場が異なります。
検事は、経験を積むとより大きな事件を担当したり、捜査の指揮を執ったりするようになります。判事も、経験を積むとより複雑な事件を担当したり、より上位の裁判所の裁判官になったりします。 どちらの道も、社会正義のために尽くす、大変やりがいのある仕事です。
事件の「証明」と「判断」
検事は、事件が「本当に起きたこと」であり、「誰かが罪を犯したこと」を、証拠を挙げて「証明」する責任を負います。まるで、探偵が証拠を集めるように、地道な捜査を積み重ねていきます。
それに対して判事は、検事が証明しようとしたことや、被告人側からの反論を聞き、どちらの主張が法律に照らして正しいかを「判断」します。 判事は、検事が提示した「証明」が十分かどうかを、冷静に吟味する役割です。
裁判での立ち位置
裁判の法廷で、検事は被告人が罪を犯したことを立証するために、証拠を提示し、質問を行います。弁護士と対立する形で、被告人の有罪を主張します。
判事は、法廷の中央に座り、検事と弁護士の双方の話を聞き、裁判の進行を管理します。どちらの味方にもならず、中立な立場で、最終的な判決を下します。
検事 と 判事 の 違い、いかがでしたでしょうか？ どちらも法律の世界で、社会を守るために欠かせない大切なお仕事です。それぞれの役割を理解することで、ニュースやドラマで裁判の場面を見たときに、より深く理解できるようになるはずです。