IPv4 と IPv6 の 違い:インターネットの未来を理解しよう!

インターネットは、私たちの生活に欠かせないものになりました。そのインターネットの基盤となっているのが「IPアドレス」です。そして、このIPアドレスには「IPv4」と「IPv6」という2つのバージョンがあります。今回は、この IPv4 と IPv6 の 違い について、わかりやすく解説していきます。

アドレスの「数」が一番大きな違い

IPv4 と IPv6 の 違いで、まず一番わかりやすいのが「アドレスの数」です。IPv4は、インターネットが始まった当初から使われてきたもので、約43億個のアドレスしかありません。これは、インターネットを使っている人の数が増えていくにつれて、どんどん足りなくなってきているのです。

例えるなら、IPv4は昔の電話番号のようなものです。電話番号が限られていると、新しい電話を契約したくても、すでに使われている番号ばかりで、なかなか新しい番号がもらえませんよね。それと同じように、IPv4のアドレスも「枯渇」という状態になりつつあるのです。

一方、IPv6は、このアドレスの数を劇的に増やすために作られました。IPv6では、なんと約340澗(かん)個ものアドレスが利用できます。これは、地球上のすべての砂粒よりも多いと言われるほどの数です。 これだけたくさんのアドレスがあれば、今後インターネットに繋がるものがどんどん増えても安心です。

  • IPv4のアドレス数:約43億個
  • IPv6のアドレス数:約340澗個

アドレスの「書き方」も変わった!

IPv4 と IPv6 の 違いは、アドレスの数だけではありません。アドレスの「書き方」も大きく変わりました。IPv4のアドレスは、数字を4つに区切って「.(ドット)」でつないだ形で表されます。例えば、「192.168.1.1」のような形です。

これに対して、IPv6のアドレスは、数字とアルファベットを組み合わせて、8つのグループに「:(コロン)」で区切って表されます。例えば、「2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334」のような、ちょっと長くて複雑な形になります。

でも、IPv6のアドレスは、同じ数字が続く場合に「0」を省略したり、「::」でまとめて表現したりできるので、実際にはもっと短く書くこともできます。例えば、先ほどの例は「2001:db8:85a3::8a2e:370:7334」のように書くことができます。

この書き方の違いは、IPv6がより多くの情報を効率的に扱えるように設計されていることを示しています。

「セキュリティ」が強化された

IPv4 と IPv6 の 違いとして、セキュリティの強化も挙げられます。IPv6では、通信の安全性を高めるための機能が標準で組み込まれています。その代表的なものが「IPsec」という技術です。

IPsecを使うと、通信内容を暗号化したり、通信相手が本当に正しい相手かどうかを確認したりすることができます。これにより、インターネット上での通信がより安全になり、悪意のある第三者から情報を盗まれたり、改ざんされたりするリスクを減らすことができます。

IPv4でもIPsecを使うことは可能ですが、IPv6では最初から標準装備されているため、より簡単に、そしてより確実にセキュリティを確保できるのです。

「自動設定」が便利になった

IPv4 と IPv6 の 違いで、もう一つ注目したいのが「自動設定」の便利さです。IPv4では、コンピューターなどをインターネットに繋ぐ際に、IPアドレスを手動で設定する必要がある場合がありました。これは、設定を間違えるとインターネットに繋がらなくなったり、他のコンピューターとぶつかったりする原因にもなっていました。

しかし、IPv6では「ステートレスアドレス自動設定」という機能が標準で搭載されています。これにより、コンピューターは自分でIPアドレスを生成して、自動的にインターネットに接続できるようになります。これは、家庭やオフィスで新しいデバイスを繋ぐときに、とても楽になります。

例えば、新しいスマートフォンをWi-Fiに繋ぐときに、いちいちIPアドレスを設定する必要がないのは、このIPv6の自動設定機能のおかげなのです。

「通信効率」が良くなった

IPv4 と IPv6 の 違いとして、通信の効率化も挙げられます。IPv6は、IPv4に比べてパケット(データを小さく分割したもの)のヘッダー(パケットの先頭につく、宛先などの情報)がシンプルになっています。これにより、ルーター(インターネットの通り道を作る機械)がパケットを処理するスピードが速くなります。

また、IPv6では、IPv4にはなかった「フローラベル」という機能が追加されました。これは、特定の通信(例えば、動画のストリーミングやオンラインゲームなど)を優先的に処理するための目印です。これにより、重要な通信が途切れることなく、スムーズに届きやすくなります。

まとめると、IPv6はより高速で、より安定した通信を実現するために設計されているのです。

「トンネリング」という工夫

IPv4 と IPv6 の 違いは、それだけではありません。現在、インターネットはまだIPv4が主流ですが、IPv6への移行が進められています。しかし、すべての機器やネットワークがすぐにIPv6に対応できるわけではありません。

そこで、IPv4のネットワーク上でIPv6の通信を可能にするための「トンネリング」という技術が使われています。これは、IPv6のデータをIPv4のデータで包み込み、まるでトンネルを通るように目的地まで運ぶイメージです。

このトンネリング技術のおかげで、IPv6がまだ普及していない環境でも、IPv6のサービスを利用できるようになり、スムーズな移行を助けています。

このように、IPv4 と IPv6 の 違いは、単なる数字の置き換えではなく、インターネットの将来を見据えた、様々な進化が含まれています。IPv6の普及によって、私たちのインターネット生活はさらに便利で安全なものになっていくでしょう。

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