it と there の 違いをマスターしよう! これで迷わない

英語を勉強していると、「it」と「there」の使い分けに悩むことがありますよね。「it と there の 違い」は、英語の基礎をしっかりと理解するためにとても重要です。この二つの単語は、文の主語として使われることがありますが、その役割は全く異なります。この記事では、「it と there の 違い」を分かりやすく解説し、皆さんが自信を持って英語を使えるようになるお手伝いをします。

it と there の 基本的な役割の違い

「it」と「there」の最も大きな違いは、その役割にあります。「it」は、具体的な名詞(物、人、動物、場所、概念など)の代わりとして使われる代名詞です。一方、「there」は、場所や存在を示す「形式主語」として使われることが多いです。つまり、「it」は「~は」という具体的なものを指し、「there」は「~がある」「~がいる」という存在そのものを示すことが多いのです。

例えば、「It is a book.」という文では、「it」が「a book」という具体的な物を指しています。しかし、「There is a book on the table.」という文では、「there」は「机の上に本がある」という状況や場所を示しています。この基本的な使い分けを理解することが、 「it と there の 違い」をマスターする第一歩 です。

いくつか例文を見てみましょう。

  • it の例:
    • It is raining. (雨が降っている。) - 「it」は天候を表す
    • I saw a cat. It was cute. (猫を見た。それは可愛かった。) - 「it」は「a cat」を指す
  • there の例:
    • There is a park near here. (この近くに公園がある。) - 「there」は場所を示す
    • There are many people. (たくさんの人がいる。) - 「there」は存在を示す

it の 多様な使い方

「it」は、単に名詞の代わりになるだけでなく、様々な文脈で使われます。例えば、時間、距離、天気などを表す場合、「it」は特定のものを指すのではなく、形式的な主語として機能します。

具体的には、以下のようなケースで「it」が形式主語として使われます。

  1. 時間: It is 3 o'clock. (3時です。)
  2. 距離: It is about 5 kilometers to the station. (駅まで約5キロメートルです。)
  3. 天気: It is sunny today. (今日は晴れです。)
  4. その他: It is important to study English. (英語を勉強することは重要です。) - この場合、「to study English」という動詞句を主語として受けています。

このように、「it」は文法的に必要とされる主語でありながら、具体的な意味を持たない場合があります。この「形式主語」としての「it」と、具体的な代名詞としての「it」の二つの顔を理解することが大切です。

there の 存在を示す役割

「there」の最も一般的な使い方は、「~がある」「~がいる」という存在を示す場合です。この時、「there」は「形式主語」として機能し、その後に続く名詞が実際の主語となります。この形は「There is ~」や「There are ~」という形でよく目にします。

「There is ~」と「There are ~」の使い分けは、後ろに来る名詞が単数か複数かによって決まります。

説明
There is ~ 単数名詞(一つ)が一つだけある/いる場合 There is a pen on the desk. (机の上にペンが一本ある。)
There are ~ 複数名詞(複数)が複数ある/いる場合 There are two apples in the basket. (かごの中にりんごが二つある。)

また、「there」は場所を示す副詞としても使われます。「Go there!」(そこへ行け!)のように、具体的な場所を指して「そこ」という意味で使われます。

it と there の 疑問文での違い

「it」と「there」を使った文を疑問文にする際も、それぞれの役割に応じた変化が見られます。

「it」が主語の文の疑問文は、be動詞を主語の前に置くのが基本です。

  • 肯定文: It is cold. (寒い。)
  • 疑問文: Is it cold? (寒いの?)

「there」が形式主語の文の疑問文も同様に、be動詞を「there」の前に置きます。

  1. 肯定文: There is a cat. (猫がいる。)
  2. 疑問文: Is there a cat? (猫がいるの?)

このように、疑問文の形は似ていますが、文全体の意味は「it」と「there」によって大きく変わります。

it と there の 否定文での違い

否定文にする場合も、「it」と「there」の使い分けが重要になります。

「it」が主語の文の否定文は、be動詞の後に「not」を置きます。

  • 肯定文: It is raining. (雨が降っている。)
  • 否定文: It is not raining. (雨は降っていない。)

「there」が形式主語の文の否定文も、be動詞の後に「not」を置きます。

  1. 肯定文: There are books on the shelf. (棚に本がある。)
  2. 否定文: There are not books on the shelf. (棚に本はない。)

「There is not」は「There isn't」、「There are not」は「There aren't」と短縮されることも多いので覚えておきましょう。

it と there を使った慣用表現

「it」と「there」は、単独で使われるだけでなく、様々な慣用的な表現にも登場します。これらを覚えることで、より自然な英語表現が可能になります。

「it」を使った慣用表現の例:

  • It's a pleasure. (どういたしまして。)
  • It's no use crying over spilled milk. (覆水盆に返らず。)
  • It takes time. (時間がかかる。)

「there」を使った慣用表現の例:

  1. There you go. (ほら、できたよ。/はい、どうぞ。)
  2. There's no telling when... (いつ~になるかわからない。)
  3. There's something wrong. (何かおかしい。)

これらの慣用表現は、文脈によって様々な意味合いを持つため、丸暗記するだけでなく、実際に使われている場面で意味を理解していくことが大切です。

it と there の 応用的な使い方(強調構文など)

「it」と「there」には、さらに応用的な使い方もあります。例えば、「it is ~ that ~」や「there is ~ that ~」といった強調構文です。

「it is ~ that ~」は、文の特定の部分を強調したいときに使われます。

  • 例: It was John who broke the window. (窓を割ったのはジョンだった。) - 「John」を強調

「there is ~ that ~」は、存在を強調したり、特定の状況を説明したりする際に使われます。

  1. 例: There is a way that you can do it. (君ができる方法がある。) - 「a way」を強調

これらの構文を理解することで、より複雑な文構造やニュアンスを表現できるようになります。

「it」と「there」の使い分けは、最初は少し難しく感じるかもしれませんが、それぞれの基本的な役割を理解し、たくさんの例文に触れることで、必ずマスターできます。今日学んだことを参考に、ぜひ英語の練習に励んでみてください。自信を持って英語を話せるようになることを応援しています!

関連記事: