「use to」と「used to」、どちらも似たような意味で使われるので、混乱しやすいですよね。この二つの違いをしっかりと押さえることが、英語の表現力を格段にアップさせる鍵となります。ここでは、「use to と used to の違い」を、誰にでも分かりやすいように、例文を交えながら丁寧に解説していきます。
「use to」と「used to」の基本的な違い
まず、一番重要なポイントは、「used to」が過去の習慣や状態を表す決まった表現であるということです。「used to + 動詞の原形」の形で、「以前は~だった」「以前は~していた」という意味になります。一方、「use to」は、単に「使う」という意味の動詞「use」に「to」がついた形であり、文脈によって意味が変わってきます。
この「used to」が過去の習慣や状態を表すという点を覚えているかが、正確な英語表現の第一歩です。
例えば、「He used to live in Tokyo.」と言えば、「彼は以前東京に住んでいた。」という意味になり、過去のある時点では東京に住んでいたけれど、今は住んでいない、というニュアンスが含まれます。このように、「used to」は過去と現在の変化を示すことが多いのです。
「used to」の正しい使い方:過去の習慣と状態
「used to」は、主に二つの意味で使われます。一つは「過去の習慣」、もう一つは「過去の状態」です。これらの違いを理解することで、より自然な英語を話したり書いたりできるようになります。
- 過去の習慣: 繰り返し行っていた行動を表します。「I used to play soccer every day.」(私は毎日サッカーをしていました。)のように、毎日のようにやっていたことなどを表現します。
- 過去の状態: 現在とは異なる、過去のある時点での状態を表します。「This building used to be a school.」(この建物は以前は学校でした。)のように、建物の用途が変わった、といった例が挙げられます。
否定文では「didn't use to」または「used not to」が使われますが、日常会話では「didn't use to」が一般的です。
例文を見てみましょう。
- She used to be very shy. (彼女は以前はとても内気でした。)- 過去の状態
- We used to go fishing every summer. (私たちは毎夏、釣りに行っていました。)- 過去の習慣
「use to」の様々な用法:単なる「使う」から「~するために」まで
「use to」という形自体は、単独で「~するのに使う」という意味を持つことはありません。「use」が動詞として使われ、その後に「to 不定詞」が続く場合と、「use」が動詞として使われ、その後に「名詞」が続く場合に分けられます。
例えば、「I use a pen to write.」(私は書くためにペンを使います。)という文では、「use」は「使う」という意味の動詞で、「to write」は「書くために」という目的を表す不定詞です。
また、「I use a pen.」(私はペンを使います。)という文では、「use」は「使う」という意味の動詞で、「a pen」はその直接目的語です。
このように、「use to」という並びで特別な意味を持つのではなく、「use」という動詞がどのような目的語や補語とともに使われているかによって意味が決まるのです。
「use to」と「used to」の否定文と疑問文
「use to」と「used to」の否定文と疑問文の作り方は、それぞれ異なります。ここをしっかり理解することで、より正確なコミュニケーションが可能になります。
「used to」の否定文:
- didn't use to ~: 過去には~しなかった(習慣)
- used not to ~: 過去には~でなかった(状態)
- 例:「He didn't use to like vegetables.」(彼は以前は野菜が好きではありませんでした。)
「used to」の疑問文:
- Did + 主語 + use to ~?
- 例:「Did you use to play the piano?」(あなたはピアノを弾いていましたか?)
「use」が動詞の場合の否定文と疑問文:
- 否定文:don't/doesn't use ~ / did not use ~
- 疑問文:Do/Does + 主語 + use ~? / Did + 主語 + use ~?
- 例:「I don't use this computer often.」(私はこのコンピューターをあまり使いません。)
「use to」と「used to」の混同しやすいケース
「used to」と「use to」が混同しやすいのは、特に過去の習慣を表す場合です。しかし、過去の習慣や状態を表す場合は、必ず「used to」を使います。
間違った例:「I use to go to the park every day.」
正しい例:「I used to go to the park every day.」
また、「use to」が「~するために使われる」という意味で使われる場合も注意が必要です。この場合は、「be used to ~」または「get used to ~」という受動態の形になります。
例文:
- This tool is used to cut metal. (この道具は金属を切るのに使われます。)
- I am getting used to the hot weather. (私は暑さに慣れてきています。)
「use to」と「used to」のニュアンスの違いを例文で比較
具体的な例文を通して、二つの表現のニュアンスの違いを比較してみましょう。
| 表現 | 例文 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|---|
| used to | She used to be a teacher. | 彼女は以前は先生でした。 | 過去の状態。今は違う。 |
| use to (to + 動詞) | I use this book to study English. | 私は英語を勉強するためにこの本を使います。 | 「~するために使う」という目的。 |
| used to | They used to play soccer together. | 彼らは以前は一緒にサッカーをしていました。 | 過去の習慣。今はしていない可能性が高い。 |
| use (名詞) | The use of this app is simple. | このアプリの使用は簡単です。 | 「use」が名詞。 |
「use to」と「used to」のその他の表現
「used to」は、過去の習慣や状態を表すだけでなく、少し特別な表現で使われることもあります。例えば、「used to be」という形で、過去の状況を説明する際に使われます。
また、「use to」が「~するのが普通だ」「~するのは当然だ」といった意味で使われることもありますが、これは少しくだけた表現や、文脈によって判断する必要があります。
例えば、「It's natural to use to that kind of situation.」のような表現は、やや不自然に聞こえることがあります。このような場合、「It's natural to get used to that kind of situation.」のように「get used to」を使う方が一般的です。
「use to」と「used to」を使いこなすための練習方法
「use to」と「used to」の使い分けをマスターするには、とにかくたくさん英語に触れることが大切です。例文を読んだり、自分で英文を作ったりする練習を繰り返しましょう。
- 例文を書き写す: 教科書や参考書、オンラインの教材にある例文を、意味を理解しながら書き写してみましょう。
- 自分の体験を英語で書く: 「昔は~だった」「昔は~していた」という自分の経験を英語で表現してみましょう。
- クイズ形式で覚える: 「~に当てはまるのは use to か used to か?」といったクイズ形式で問題を解くのも効果的です。
- ネイティブの会話を聞く: 映画やドラマ、YouTubeなどでネイティブスピーカーがどのようにこれらの表現を使っているか注意して聞いてみましょう。
これらの練習を続けることで、自然と「use to」と「used to」の使い分けができるようになります。
「use to」と「used to」の違いは、最初は難しく感じるかもしれませんが、基本的なルールと例文をしっかり理解すれば、必ずマスターできます。今日からこの知識を活かして、あなたの英語表現をさらに豊かにしていきましょう!