年末調整と源泉徴収の違い、スッキリ理解!

「年末調整」と「源泉徴収」、どちらも給料明細でよく見かける言葉ですが、具体的に何が違うのでしょうか? 実は、この二つは似ているようで全く違う役割を持っています。 年末調整と源泉徴収の違いを理解することは、賢く税金を納め、場合によっては手元に残るお金を増やすためにもとっても重要なんです!

源泉徴収って、そもそも何?

まず、源泉徴収について見ていきましょう。源泉徴収とは、会社が従業員に給料を支払う際に、あらかじめ所得税や住民税などを天引きして、国や自治体に代わりに納めてくれる制度のことです。これは、税金を毎月少しずつ納めることで、一度に大きな負担にならないようにするための工夫なんですよ。

給料明細を見ると、基本給から「所得税」や「住民税」が引かれているのがわかるはずです。これが源泉徴収された税金です。会社は、従業員一人ひとりの給料や扶養家族の人数などを基に、おおよその税額を計算して徴収します。

  • 源泉徴収のポイント
  • 給料からあらかじめ税金が引かれている。
  • 税金を毎月少しずつ納めるための制度。
  • 会社が従業員に代わって納めてくれる。

年末調整とは、源泉徴収された税金の「お直し」!

次に、年末調整についてです。年末調整は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に支払われた給料から源泉徴収された税金が、本当はいくらになるのかを最終的に計算し直す手続きのことです。年間の所得や、各種控除(税金が安くなる仕組み)を考慮して、過不足を調整します。

源泉徴収はあくまで「概算」なので、1年を通して見ると、本来納めるべき税金よりも多く徴収されていたり、逆に少なかったりすることがあります。年末調整は、この「ズレ」をなくして、正しい税額に合わせるための作業なのです。

制度 役割 時期
源泉徴収 給料から税金を天引きして、概算で納める 毎月
年末調整 1年間の税額を確定させ、過不足を調整する 年末(11月〜12月頃)

年末調整で調整される「控除」って何?

年末調整で税金が安くなるのは、主に「控除」という仕組みがあるからです。控除には色々な種類があり、例えば、扶養している家族がいる場合や、生命保険料、医療費などを支払った場合に、その金額に応じて所得から一定額が差し引かれます。これにより、課税される所得が減り、結果として納める税金も少なくなるんです。

控除の種類を知っているかどうかで、年末調整での還付金(払いすぎた税金が返ってくること)が変わってくることもあります。

  1. 主な控除の種類
  2. 配偶者控除:配偶者の所得が一定額以下の場合に受けられる控除。
  3. 扶養控除:扶養している子供などがいる場合に受けられる控除。
  4. 社会保険料控除:健康保険料や年金保険料などを支払った場合に受けられる控除。
  5. 生命保険料控除:生命保険料などを支払った場合に受けられる控除。
  6. 医療費控除:1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる控除。

年末調整で還付金がある場合とは?

年末調整で還付金が出るのは、主に1年間で源泉徴収された税金の合計額が、最終的に計算された本来納めるべき税金額よりも多かった場合です。これは、年の途中で結婚して配偶者控除が適用されるようになったり、多額の医療費を支払ったりした場合などに起こりやすいです。

会社から「年末調整の書類を提出してください」と言われたら、これらの控除に関する書類をしっかり準備して提出することが大切です。 正確な書類提出は、還付金を受け取るために不可欠です。

  • 還付金が発生しやすいケース
  • 年の途中で結婚・出産などにより扶養家族が増えた。
  • 多額の医療費を支払った。
  • 生命保険などに加入した。
  • 年の途中で退職し、再就職せずに年末を迎えた(この場合は確定申告が必要な場合もあります)。

源泉徴収票の役割

年末調整が終わると、会社から「源泉徴収票」という書類が発行されます。この源泉徴収票には、1年間の給料の総額や、そこから源泉徴収された所得税額、社会保険料などが記載されています。これは、自分で確定申告をする際や、転職する際に必要になる大切な書類なので、大切に保管しましょう。

源泉徴収票は、自分の年間の収入や税金の状況を把握するための「成績表」のようなもの。

  1. 源泉徴収票で確認できること
  2. 支払金額:1年間に会社から支払われた給料の総額
  3. 給与所得控除額:給料から差し引かれる経費のようなもの
  4. 所得金額:控除などを差し引いた後の、税金を計算するもとになる金額
  5. 源泉徴収税額:1年間で源泉徴収された所得税の合計額
  6. 社会保険料等の金額:健康保険料、年金保険料などの合計額

年末調整をしないとどうなる?

もし、年末調整をせずに1年が終わってしまった場合、どうなるのでしょうか? 通常、会社員であれば、会社が年末調整を行ってくれます。しかし、自分で年末調整の書類を提出しなかったり、年の途中で退職して再就職しなかったりした場合は、自分で確定申告をする必要があります。確定申告をしないと、本来納めるべき税金よりも多く税金を払ったままになる可能性があり、損をしてしまうことも。

年末調整を怠ると、払いすぎた税金が戻ってこないだけでなく、場合によっては追加で税金を納める必要が出てくることもあります。

年末調整をしない場合 取るべき行動
通常、会社員は会社が行う (自分で書類提出が必要な場合を除く)
年の途中で退職し、再就職しなかった場合 自分で確定申告をする
年末調整の書類を提出しなかった場合 自分で確定申告をする

まとめ:年末調整と源泉徴収の違い、これでバッチリ!

これまで見てきたように、源泉徴収は給料から毎月天引きされる「仮の税金」であり、年末調整は1年間の最終的な税額を確定させる「お直し」作業であることがわかりますね。どちらも、私たちが税金を正しく、そして賢く納めるために大切な役割を果たしています。

年末調整と源泉徴収の違いを理解し、必要な書類をきちんと提出することで、払いすぎた税金が戻ってきたり、節税につながったりすることがあります。 自分の給料明細や源泉徴収票をしっかり確認して、賢く税金と付き合っていきましょう!

関連記事: