「戸籍謄本(こせきとうほん)」と「戸籍証明書(こせきしょうめいしょ)」、どちらも戸籍に関する書類だけど、一体何が違うの?と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。実は、この二つの書類、名前は似ているけれど、その内容や用途には明確な違いがあるんです。ここでは、 戸籍謄本と戸籍証明書の違い を分かりやすく解説します。
戸籍謄本と戸籍抄本:何が違うの?
まず、一番大切なのは、「戸籍謄本」と「戸籍抄本」という言葉です。「戸籍証明書」というのは、これらの総称のようなものと考えてください。戸籍謄本は、戸籍に記載されている全員の情報が記載されている「全部事項証明書」のこと。一方、戸籍抄本は、戸籍に記載されている人のうち、一部の人だけを抜粋した「個人事項証明書」のことです。どちらも有効な証明書類ですが、必要な情報によって使い分ける必要があります。
- 戸籍謄本(全部事項証明書): 戸籍に記録されている全員の情報が網羅されています。
- 戸籍抄本(個人事項証明書): 戸籍に記録されている中から、指定した人の情報だけが記載されています。
例えば、相続の手続きなどで戸籍が必要になった場合、亡くなった方だけでなく、その配偶者やお子さんなど、関係者全員の戸籍情報が必要になることがあります。このような場合は、戸籍謄本を取得するのが一般的です。逆に、ご自身の身分証明書として戸籍の情報が必要なだけであれば、戸籍抄本で十分な場合もあります。
戸籍謄本と戸籍抄本のどちらが必要かは、提出先や手続きの内容によって異なります。 事前に確認することが大切です。
「戸籍証明書」とは?
「戸籍証明書」という言葉を聞くと、戸籍謄本や戸籍抄本とどう違うのか、さらに混乱してしまうかもしれませんね。実は、「戸籍証明書」というのは、法務局や市町村役場で発行される戸籍に関する証明書類全般を指す、より広い意味の言葉です。ですから、戸籍謄本も戸籍抄本も、どちらも「戸籍証明書」の一種なのです。
具体的には、以下のようなものが戸籍証明書に含まれます。
- 戸籍謄本(全部事項証明書)
- 戸籍抄本(個人事項証明書)
- 除籍謄本(全部事項証明書)
- 除籍抄本(個人事項証明書)
- 改製原戸籍謄本(全部事項証明書)
- 改製原戸籍抄本(個人事項証明書)
このように、「戸籍証明書」という言葉は、これらの書類をまとめて指す場合に便利に使われます。
取得できる場所と方法
戸籍謄本や戸籍抄本は、本籍地の市区町村役場で取得するのが基本です。窓口で申請書に必要事項を記入して提出する方法が一般的ですが、郵送で請求したり、オンラインで申請できる自治体もあります。役所が閉まっている時間帯でも、コンビニエンスストアのマルチコピー機で取得できるサービスもありますよ。
取得する際には、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)が必要になるので、忘れずに持参しましょう。また、代理人に依頼する場合は、委任状が必要になります。
それぞれの用途:いつどちらが必要?
では、具体的にどのような場面で戸籍謄本と戸籍抄本が使い分けられるのでしょうか。これは、どのような情報を証明する必要があるかによって決まります。
戸籍謄本が必要になる主なケース:
- 相続の手続き(遺産分割協議書、遺言書などと合わせて必要になることが多いです)
- 親族関係を証明する必要がある場合(例えば、外国人との婚姻手続きなど)
- 親権者を証明する必要がある場合
戸籍抄本が必要になる主なケース:
- ご自身の身分証明書として(例えば、婚姻届の提出時、パスポートの申請時など)
- 特定の親族関係を証明する場合(例えば、子供の入学手続きで親権を証明する際など)
表で整理してみましょう。
| 書類名 | 記載内容 | 主な用途例 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本(全部事項証明書) | 戸籍の全員の情報 | 相続、複雑な親族関係の証明 |
| 戸籍抄本(個人事項証明書) | 指定した人の情報 | 身分証明、単一の親族関係の証明 |
取得にかかる費用と時間
戸籍謄本や戸籍抄本の取得には、発行手数料がかかります。手数料は自治体によって多少異なりますが、一般的に1通あたり450円程度です。郵送で請求する場合は、それに加えて郵送費がかかります。
窓口で申請した場合は、即日発行されることが多いです。しかし、郵送での請求や、遠方の役所に申請する場合は、数日から1週間程度かかることもあります。時間に余裕をもって申請することが大切です。
まとめ:違いを理解してスムーズに手続きを!
「戸籍謄本」は戸籍に記載されている全員の情報が載ったもの、「戸籍抄本」は一部の人の情報だけが載ったもの。そして、「戸籍証明書」は、これらの書類全般を指す言葉。この違いを理解していれば、必要な書類を間違えて取得してしまう心配もありません。それぞれの書類がどのような情報を含み、どのような場面で使われるのかを把握しておくと、役所での手続きや各種申請がスムーズに進むはずです。