書類 送検 と 逮捕 の 違い:事件の進展を分かりやすく解説!

「書類送検」と「逮捕」、どちらもニュースで耳にする言葉ですが、具体的に何が違うのでしょうか?事件の進展において、 書類送検と逮捕の違い を理解することは、状況を把握する上でとても大切です。今回は、この二つの言葉の意味と、それぞれの持つ意味合いを、分かりやすく解説していきます。

事件の幕開け:書類送検とは?

まず、「書類送検」について見ていきましょう。これは、警察が事件の捜査を終え、事件の証拠となる書類や物品などを検察官に引き渡す手続きのことです。つまり、 容疑者が現時点で逮捕されていない場合でも、捜査が行われ、事件として検察に送られる ことを意味します。この段階では、まだ本人が警察署に連行されているわけではないことが多いです。

  • 目的: 事件の記録や証拠を検察官に提出し、今後の起訴や処分を判断してもらう。
  • 実施主体: 主に警察。
  • 身柄: 通常、容疑者の身柄は拘束されていない(在宅事件)。

書類送検は、事件の捜査が一定の段階に進んだことを示すものです。検察官は、送られてきた書類を精査し、被疑者を起訴するかどうかを決定します。このプロセスは、裁判所に訴訟を起こす(起訴)ための重要なステップと言えるでしょう。

突然の連行:逮捕とは?

一方、「逮捕」は、犯罪の疑いのある人物を、裁判官が発する逮捕状に基づいて、または現行犯で、その身柄を強制的に拘束する手続きです。 逮捕は、被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐために行われます。 逮捕された場合、被疑者は警察署などに連行され、身柄を拘束された状態での取り調べが始まります。

逮捕の種類 説明
通常逮捕 裁判官が発する逮捕状に基づく逮捕。
現行犯逮捕 犯罪を行っている最中、または直後に行われる逮捕。逮捕状は不要。
緊急逮捕 一定の重大犯罪で、逮捕状の請求を待っている時間がない場合に、逮捕状なしで行われる逮捕。後日、逮捕状が必要。

逮捕は、被疑者の自由を一時的に奪う、より重大な処分です。逮捕された後は、原則として72時間以内に検察官に送致されるか、釈放されるかの判断が下されます。この期間は、捜査を進める上で非常に重要な時間となります。

書類送検と逮捕の決定的な違い

ここで、書類送検と逮捕の最も大きな違いを明確にしましょう。それは、 「身柄の拘束の有無」 です。書類送検は、あくまで捜査記録を検察に送る手続きであり、通常は被疑者の身柄は拘束されません。対して逮捕は、被疑者の身柄を強制的に拘束する手続きです。この違いが、その後の事件の展開に大きく影響します。

  1. 身柄拘束: 書類送検は身柄拘束なし、逮捕は身柄拘束あり。
  2. 緊急性: 逮捕は逃亡や証拠隠滅の恐れがある場合に、迅速な対応として行われることが多い。
  3. 被疑者の状況: 書類送検された人は、普段通りの生活を送りながら捜査を受ける場合があるが、逮捕された人は警察署などで身柄を拘束される。

書類送検後の流れ

書類送検された後、事件は検察官の手に委ねられます。検察官は、警察から提出された書類や証拠を基に、事件の真相をさらに詳しく調べます。

  • 検察官による捜査: 検察官は、必要に応じて被疑者に事情聴取を行ったり、追加の捜査を指示したりします。
  • 起訴・不起訴の判断: 検察官は、十分な証拠があり、犯罪が成立すると判断すれば「起訴」します。証拠が不十分であったり、犯罪が成立しないと判断すれば「不起訴」となります。
  • 起訴された場合: 刑事裁判となります。

書類送検されたからといって、必ずしも裁判になるわけではありません。不起訴処分となるケースも少なくありません。しかし、検察官の判断を待つ間、被疑者は不安な日々を送ることになります。

逮捕後の流れ

逮捕された場合、その後の手続きはより迅速に進められます。逮捕から検察官への送致、そして勾留(裁判官の許可を得て身柄を拘束し続けること)へと移行する可能性があります。

逮捕後の主な流れ:

  1. 検察官への送致: 逮捕から48時間以内に検察官に送致されます。
  2. 勾留請求: 検察官は、さらに捜査が必要だと判断した場合、裁判官に勾留を請求します。
  3. 勾留期間: 勾留が認められると、原則10日間(延長もあり得る)身柄が拘束されます。
  4. 最終的な処分: 勾留期間中に、検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します。

逮捕された場合、身柄を拘束されるため、日常生活に大きな影響が出ます。弁護士に相談し、早期の釈放や有利な処分を目指すことが重要となります。

書類送検と逮捕、どちらが重い?

一般的に、 逮捕の方が被疑者の自由を直接的に制限するため、より重い処分 と言えます。書類送検は、あくまで捜査の過程であり、身柄の拘束を伴わない場合が多いからです。しかし、書類送検されたとしても、その後の検察官の判断によっては起訴され、裁判になる可能性は十分にあります。

まとめ:事件の進展を正しく理解するために

「書類送検」と「逮捕」は、事件の捜査における重要な節目ですが、その意味合いや手続きは大きく異なります。書類送検は捜査記録の送付、逮捕は身柄の強制拘束。この違いを理解することで、ニュースなどで報じられる事件の進展を、より正確に把握できるようになるはずです。

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