上 新 粉 と 白玉粉 の 違い:お団子作りの悩みを解決!

お団子やお餅作りでよく耳にする「上新粉(じょうしんこ)」と「白玉粉(しらたまこ)」。どちらも米粉の一種ですが、その違いを知らずに使うと、思っていた食感と違う…なんてことになりかねません。このページでは、 上新粉と白玉粉の違い を分かりやすく解説し、それぞれの特徴を活かした使い方をご紹介します。

上新粉と白玉粉、基本の「キ」

上新粉と白玉粉の最も大きな違いは、原料となるお米の種類と、その製法にあります。上新粉は、うるち米(普段私たちが食べているご飯のお米)を原料としています。一方、白玉粉はもち米を原料としているのが特徴です。この原料の違いが、最終的な食感に大きく影響してくるのです。

具体的に見ていきましょう。上新粉は、うるち米を精米して粉にしたものです。そのため、加熱した際に粘り気があまり出ず、 しっかりとした食感 が生まれます。一方、白玉粉はもち米のでんぷんを精製して作られるため、加熱すると非常に強い粘りと、つるんとした、もちもちとした食感が特徴です。この違いを理解することが、おいしいお団子作りの第一歩です。

それぞれの特徴をまとめた表を見てみましょう。

粉の種類 原料 加熱時の粘り気 食感
上新粉 うるち米 少ない しっかり、やや硬め
白玉粉 もち米 多い もちもち、つるん

上新粉で楽しむ、素朴な味わい

上新粉は、その名の通り「新しい(=新米)」のお米から作られることが多いのですが、現在では品種を問わず、うるち米が原料となっています。製法としては、お米を水に浸してから挽く「湿式製粉」と、乾燥させたお米を挽く「乾式製粉」がありますが、一般的に上新粉と呼ばれるものは乾式製粉で作られたものが多いです。これにより、サラサラとした粉末になり、保存性も高まります。

上新粉を使った代表的な和菓子といえば、柏餅やういろうが挙げられます。柏餅の独特の歯ごたえや、ういろうのしっかりとした食感は、上新粉ならではのものです。また、お団子に使う場合でも、みたらし団子のようにタレを絡めて食べる場合に、タレが絡みやすく、それでいて崩れにくいという利点があります。

上新粉を使ったお料理では、以下のようなものが楽しめます。

  • 柏餅
  • ういろう
  • みたらし団子
  • お好み焼きの生地(もちもち感を抑えたい場合)

白玉粉の、とろけるようなもちもち感

白玉粉は、もち米のでんぷんを水で晒して精製することで作られます。この「晒す」という工程によって、もち米本来の甘みや風味が凝縮され、独特のなめらかさと強い粘り気を持つ粉になります。そのため、白玉粉は冷たいままでも美味しく食べられるのが特徴で、白玉団子や大福などに最適です。

白玉粉で作る白玉団子は、もちもちとした食感と、つるんとした舌触りが魅力です。きな粉やあんこをまぶしたり、ぜんざいに入れたり、様々なデザートに活用できます。また、白玉粉は非常に扱いやすく、水で練るだけで団子状になるため、手軽に作れるのも嬉しいポイントです。

白玉粉で作るお団子の魅力は以下の通りです。

  1. 圧倒的なもちもち感
  2. つるんとした滑らかな舌触り
  3. 冷めても固くなりにくい

両者の使い分け:お菓子作りのポイント

上新粉と白玉粉の使い分けは、どんな食感のお菓子を作りたいかによって決まります。例えば、しっかりとした歯ごたえのあるお団子や、素朴な味わいの和菓子を作りたい場合は上新粉を選びましょう。一方、もちもち、つるんとした食感を楽しみたい場合は、白玉粉がおすすめです。

また、両者を混ぜて使うことで、食感のバリエーションを広げることも可能です。例えば、上新粉に少量の白玉粉を混ぜることで、もちもち感をプラスしつつ、ある程度のしっかりとした食感も残したお団子を作ることができます。この配合比率を調整することで、自分好みの食感に近づけることができます。

例えば、以下のような配合で食感を変えられます。

お菓子の種類 上新粉の割合 白玉粉の割合 期待される食感
しっかりめのお団子 8割 2割 ややもちもち、しっかり
もちもちのお団子 3割 7割 もちもち、つるん

製法による違い:より細かく見てみよう

上新粉の製法には、主に乾式製粉と湿式製粉があります。乾式製粉は、乾燥させた米を挽くため、粉がサラサラしていて保存性に優れています。一方、湿式製粉は、水に浸した米を挽くため、よりきめ細かく、なめらかな粉になります。市販されている上新粉の多くは乾式製粉ですが、和菓子店などでは、より繊細な食感を出すために湿式製粉の上新粉を使うこともあります。

白玉粉も、製法によってその特性が少し変わってきます。一般的に「白玉粉」として販売されているものは、もち米を水に浸して粉砕し、でんぷんを精製したものです。この精製度合いによって、仕上がりのなめらかさや粘りが変わってきます。より高品質な白玉粉は、きめ細かく、水との馴染みが良いとされています。

製法による違いをまとめると、以下のようになります。

  • 上新粉:
    1. 乾式製粉:サラサラ、保存性◎
    2. 湿式製粉:きめ細かく、なめらか
  • 白玉粉:
    • 精製度合いでなめらかさ・粘りが変わる
    • 水との馴染みが良いものが高品質

歴史と伝統:それぞれのルーツ

上新粉の歴史は古く、古くから日本の食文化に根付いてきました。特に、お米が貴重であった時代には、うるち米を有効活用するための粉として重宝されていました。地域によっては、その土地で採れるうるち米の種類や、伝統的な製法によって、独自の「上新粉」が存在することもあります。

一方、白玉粉も古くから親しまれてきた食材ですが、その製造方法が確立されてからは、より手軽に、そして安定した品質で「もちもち」とした食感を楽しめるようになりました。お祝い事やお祭りなどのハレの日に食べられるお菓子に、白玉粉が使われることが多いのも、その特別な食感と親しみやすさからでしょう。

それぞれのルーツをたどると、日本の食文化の奥深さを感じられます。

  1. 上新粉:古くからうるち米の活用法として発展
  2. 白玉粉:もち米のでんぷんを精製する技術の発展とともに普及

アレンジレシピ:こんな使い方も!

上新粉と白玉粉は、お団子だけでなく、様々な料理やお菓子にアレンジできます。上新粉は、パンケーキやクッキーの生地に混ぜ込むことで、香ばしさと少ししっかりとした食感をプラスできます。また、唐揚げの衣に使うと、カリッとした食感になり、冷めても美味しさが長持ちするという効果も期待できます。

白玉粉は、グルテンフリーのパンやマフィンの生地に使うと、もちもちとした食感が楽しめます。また、スープにとろみをつけたり、ヨーグルトに混ぜてデザートにしたりと、意外な使い方もたくさんあります。例えば、白玉粉を少量の水で溶いて、カレーやシチューに加えると、自然なとろみがついて、まろやかな味わいになります。

いくつかのアレンジ例をご紹介します。

  • 上新粉アレンジ:
    • パンケーキ、クッキーへの混ぜ込み
    • 唐揚げの衣
  • 白玉粉アレンジ:
    1. グルテンフリーパン、マフィン
    2. スープやカレーのとろみ付け
    3. ヨーグルトデザート

保存方法:おいしさを長持ちさせるコツ

上新粉と白玉粉の保存方法も、それぞれの特性を理解することが大切です。上新粉は、乾式製粉されたものは比較的保存性が良いですが、湿気や直射日光を避けて、密閉容器に入れて冷暗所に保存するのが基本です。開封後は、早めに使い切るようにしましょう。

白玉粉は、湿気に弱いため、開封後は必ず密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存することをおすすめします。冷蔵庫で保存することで、カビの発生を防ぎ、風味を保つことができます。こちらも、開封後はなるべく早く使い切るのが、おいしくいただくための秘訣です。

保存の際の注意点をまとめました。

粉の種類 保存場所 注意点
上新粉 冷暗所 密閉容器、湿気・直射日光を避ける
白玉粉 冷蔵庫 密閉容器、湿気に注意

これで、上新粉と白玉粉の主な違い、それぞれの特徴、そして使い分けについて理解が深まったはずです。どちらの粉も、日本の食卓に欠かせない美味しい食材です。ぜひ、この記事を参考に、ご家庭で様々なお菓子作りや料理に挑戦してみてください。きっと、今まで以上に美味しい「和」の味を楽しめるはずですよ!

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