「特定記録郵便」と「簡易書留郵便」、どちらも大切な書類を送る際によく耳にする言葉ですよね。でも、具体的に何が違うのか、いまいちピンとこないという方もいるかもしれません。この記事では、 特定記録郵便と簡易書留郵便の違い を分かりやすく解説し、どんな時にどちらを選べば良いのか、そのポイントをしっかりお伝えしていきます。
追跡できる?補償は?徹底比較!
まず、特定記録郵便と簡易書留郵便の最も大きな違いは、「追跡サービス」と「損害賠償」の有無です。どちらも配達の記録が残るという点では共通していますが、その手厚さが異なります。
特定記録郵便は、郵便物が差し出されたこと、そして配達されたことを記録するサービスです。つまり、「ちゃんと送ったよ」「ちゃんと届いたよ」という証明になります。しかし、万が一郵便物が紛失したり破損したりした場合の損害賠償はありません。そのため、貴重品や金銭、壊れやすいものを送るのには向いていません。
一方、簡易書留郵便は、特定記録郵便の機能に加えて、損害賠償が付いています。万が一の事故の際には、一定の金額まで補償されるのです。そのため、より安心して大切な書類を送りたい場合に適しています。
- 特定記録郵便 :配達の記録のみ。損害賠償なし。
- 簡易書留郵便 :配達の記録+損害賠償あり。
料金の違いと割増額
特定記録郵便と簡易書留郵便では、基本の郵便料金に加えて、それぞれのサービスに対する加算料金がかかります。この料金体系も、どちらを選ぶかの判断材料になるでしょう。
特定記録郵便の加算料金は、簡易書留郵便に比べて安価です。これは、提供されるサービス内容が限定的であるためです。手軽に配達の記録を付けたいけれど、それほど高額な補償までは必要ない、という場合にコストを抑えられます。
簡易書留郵便の加算料金は、特定記録郵便よりも高くなります。これは、損害賠償が付いていることによるものです。補償を手厚くしたい分、料金もそれに応じて高くなるという仕組みです。
具体的にどれくらいの料金差があるかは、日本郵便の公式サイトなどで確認できますが、一般的には簡易書留郵便の方が数100円程度高くなると考えておくと良いでしょう。
| サービス | 加算料金(目安) | 損害賠償 |
|---|---|---|
| 特定記録郵便 | 安価 | なし |
| 簡易書留郵便 | やや高価 | あり |
どのような書類を送るのに適している?
では、具体的にどのような書類を送る際に、特定記録郵便と簡易書留郵便がそれぞれ適しているのでしょうか。
特定記録郵便は、配達されたという事実だけを記録しておきたい場合に便利です。例えば、契約書や請求書など、相手に送付した記録を残したいが、紛失のリスクが低く、万が一の場合でもそれほど大きな損失にならないような書類に適しています。
簡易書留郵便は、より重要な書類を送る際に利用されます。例えば、身分証明書のコピー、保証書、保険証券、そして金銭や有価証券(ただし、限度額があります)など、紛失や破損した場合に大きな損害につながる可能性のあるものを送るのに適しています。
以下に、それぞれの代表的な利用シーンをまとめました。
-
特定記録郵便の利用シーン
- 重要書類の送付(例:契約書、申込書、請求書)
- 配達記録を残したいが、高額な補償は不要な場合
-
簡易書留郵便の利用シーン
- 高価な物品や貴重な書類の送付
- 金銭や有価証券(送付限度額あり)
- 身分証明書のコピー、保証書、保険証券など
- 紛失・破損時の損害補償を重視したい場合
窓口での手続きの違い
郵便局の窓口で「特定記録郵便」や「簡易書留郵便」で送る場合、手続きにも若干の違いがあります。
特定記録郵便は、窓口で差し出す際に、郵便局員さんが配達記録を付けるための処理を行います。特に複雑な手続きはありません。
簡易書留郵便も同様に窓口で差し出しますが、万が一の際の損害賠償に関わるため、書留伝票などに必要事項を記入する場合があります。また、送付できる品目や金額に制限があることも、窓口で確認されることがあります。
インターネットでの追跡方法
どちらのサービスも、インターネット上で荷物の状況を追跡することができます。しかし、追跡できる情報の詳細さには違いがあります。
特定記録郵便の場合、主に「差し出し」と「配達完了」の記録を確認できます。途中経路の詳細な追跡まではできません。
簡易書留郵便は、特定記録郵便よりも詳細な追跡情報を提供している場合があります。差し出しから配達完了までの途中経過を確認できることが多く、より安心感があります。
追跡を行う際は、郵便物の控えに記載されている「お問い合わせ番号」を使用します。日本郵便のウェブサイトにある「郵便追跡サービス」などで検索することで、現在の状況を確認できます。
損害賠償の限度額
簡易書留郵便で最も重要なポイントの一つが、損害賠償の限度額です。万が一、郵便物が破損したり紛失したりした場合に、どれくらいの金額まで補償されるのかは、利用する上で知っておくべき情報です。
簡易書留郵便の損害賠償額は、原則として50,000円までと定められています。これは、送付した郵便物の実際の損害額が50,000円を超えたとしても、最大で50,000円までの補償になるということです。それ以上の価値のあるものを送る場合は、別途、書留(一般書留)を利用するか、他の配送方法を検討する必要があります。
特定記録郵便には損害賠償がありませんので、この点でも簡易書留郵便が安心と言えます。
以下に、損害賠償に関する比較をまとめました。
- 簡易書留郵便 :最高50,000円までの損害賠償あり。
- 特定記録郵便 :損害賠償なし。
このように、特定記録郵便と簡易書留郵便には、それぞれ異なる特徴があります。大切な書類を送る際には、送るものの価値や重要度、そしてご自身の安心感を考慮して、どちらのサービスが最適かを選ぶことが大切です。