投資 信託 と 株 の 違い って、ちょっと複雑に感じますよね? でも、実はそんなに難しくないんです。この二つの違いをしっかり理解することが、賢くお金を増やす第一歩。今回は、投資信託と株のそれぞれの特徴から、どっちが自分に合っているのかまで、分かりやすく解説していきます。
投資 信託 と 株 の 基本を理解しよう
まず、投資信託と株の根本的な違いから見ていきましょう。株というのは、特定の企業の「所有権の一部」を買うことです。例えば、トヨタ自動車の株を買ったら、あなたはトヨタ自動車という会社のごく一部のオーナーになった、ということになります。会社の業績が良くなれば株価が上がり、配当金(利益の一部)をもらえることもあります。
一方、投資信託は、たくさんの投資家から集めたお金を、専門家(ファンドマネージャー)がまとめて、色々な株や債券などに分散して投資してくれる「詰め合わせパック」のようなものです。つまり、あなたは直接株を買うのではなく、投資信託という商品を買うことで、間接的に多くの企業に投資している、ということになります。
この「直接投資か間接投資か」という点が、投資信託と株の最も大きな違いであり、初心者の方にとっては、どちらを選ぶかの重要なポイントになります。
- 株: 個別企業の所有権。自分でどの企業に投資するか決める。
- 投資信託: 複数銘柄の詰め合わせパック。専門家が運用。
リスクとリターンの考え方
投資には必ず「リスク」と「リターン」がつきものです。リスクとは、投資したお金が減ってしまう可能性のこと。リターンとは、投資したお金が増える可能性のことです。
株の場合、あなたが選んだ企業の業績が大きく悪化したり、業界全体が不況になったりすると、株価が大きく下がる可能性があります。しかし、逆にその企業が予想以上に成長すれば、大きなリターンを得られる可能性もあります。つまり、 株は、個別企業の状況によって、リスクもリターンも大きくなる傾向があります。
投資信託は、多くの銘柄に分散投資しているので、一つの企業がダメになっても、他の企業の成長でカバーされる可能性が高くなります。そのため、株に比べるとリスクは抑えられる傾向があります。しかし、分散されている分、一つの企業が急成長したときのような、爆発的なリターンを得ることは難しくなります。 投資信託は、リスクを抑えつつ、安定したリターンを目指すのに向いています。
以下に、リスクとリターンのイメージをまとめました。
| 株 | 投資信託 | |
|---|---|---|
| リスク | 高い(個別企業に依存) | 中程度(分散効果) |
| リターン | 大きい可能性(成長性) | 安定(平均的な成長) |
投資の始めやすさ
投資を始めるにあたって、どれくらい手軽に始められるかも大切なポイントです。株を始める場合、証券口座を開設し、買いたい株を選んで、いくらで買うかを自分で決める必要があります。個別株は、1株から買える場合もありますが、ある程度のまとまった金額が必要になることもあります。
一方、投資信託は、少額から始めることができる商品が多いです。例えば、100円や1,000円といった単位で買えるものもあり、給料から天引きで積み立てることも可能です。また、どのような銘柄に投資するかを自分で選ぶ必要がなく、運用のプロにお任せできるので、投資初心者の方でも始めやすいと言えます。
投資信託は、手軽さと始めやすさで、投資への第一歩を踏み出しやすい と言えるでしょう。
- 株: 銘柄選定、購入金額の決定など、自分でやるべきことが多い。
- 投資信託: 少額から始めやすく、プロに運用を任せられる。
運用方法と専門家
株を自分で買っている場合、その株がどの企業なのか、どういった事業をしているのか、将来性はあるのかなどを、自分で調べて判断する必要があります。これは、ある意味で「自分のビジネス」を始めるような感覚かもしれません。 自分で企業を分析し、投資判断を下すことにやりがいを感じる方には、株投資が向いているでしょう。
投資信託の場合は、ファンドマネージャーという専門家が、日々、世界中の経済状況や企業の動向を分析し、最適なポートフォリオ(投資先の組み合わせ)を組んでくれます。あなたは、そのファンドマネージャーが運用する投資信託を選ぶだけで、プロの運用を受けられるのです。 時間があまり取れない方や、専門的な知識がない方でも、安心して投資を始められます。
- 株: 自己責任での運用。自分で企業分析が必要。
- 投資信託: 専門家(ファンドマネージャー)による運用。
手数料について
投資には、様々な手数料がかかります。株の場合、売買するたびに「売買手数料」がかかるのが一般的です。また、保有している期間に応じて「管理費」のようなものはありません。
投資信託の場合、購入時に「購入時手数料」がかかるものや、保有している間ずっとかかる「信託報酬(運用管理費用)」があります。この信託報酬は、投資信託の基準価額から日々差し引かれるため、手軽に感じやすいですが、長期間保有すると無視できない金額になることもあります。 手数料は、投資リターンに直接影響するので、事前にしっかり確認することが大切です。
以下に、主な手数料をまとめました。
- 株: 売買手数料
- 投資信託: 購入時手数料、信託報酬
情報収集の負担
株投資をする場合、自分が投資している企業のニュースを常にチェックしたり、決算発表を見たり、業界の動向を追ったりと、継続的な情報収集が欠かせません。 情報収集を怠ると、思わぬ損失につながる可能性もあります。
一方、投資信託は、運用をプロに任せているため、個別の企業に関する詳細な情報を自分で集める必要はほとんどありません。定期的に、投資信託の運用報告書を確認したり、市場全体の動向に目を向けたりする程度で十分です。 情報収集の負担が少ないのは、投資信託の大きなメリットの一つです。
1. 株:継続的な情報収集が重要。 2. 投資信託:個別の企業情報収集の負担は少ない。
税金について
投資で得た利益には、原則として税金がかかります。株の場合、売却して得た利益(譲渡益)や、受け取った配当金には、約20%の税金がかかります。これは、証券会社で特定口座(源泉徴収あり)を選んでいれば、自動的に差し引かれる場合が多いです。
投資信託の場合も、換金して得た利益(譲渡益)や、投資信託が分配する利益(収益分配金)には、株と同様に約20%の税金がかかります。ただし、投資信託の場合は、運用益が自動的に再投資される「積立投資」をする場合、その都度税金がかかるわけではなく、換金する際にまとめて課税されるのが一般的です。 NISA(ニーサ)などの非課税制度を活用することで、税金がかからない期間を設けることも可能です。
投資信託と株、どちらも税金がかかる点は同じですが、非課税制度の活用方法によって、将来的な手取り額に差が出てくることもあります。
- 株: 譲渡益、配当金に税金がかかる。
- 投資信託: 譲渡益、収益分配金に税金がかかる。非課税制度の活用で税負担を軽減できる場合がある。
このように、投資信託と株にはそれぞれ異なる特徴があります。どちらが良いというわけではなく、ご自身の投資目的、リスク許容度、かけられる時間などを考慮して、最適な方を選ぶことが大切です。まずは少額から、興味のある方から始めてみてはいかがでしょうか。