損益 と 利益 の 違いをスッキリ解説!ビジネスの基本をマスターしよう

ビジネスをしていると「損益(そんえき)」や「利益(りえき)」という言葉をよく耳にしますが、この二つの言葉、実は少し意味が違うんです。 損益 と 利益 の 違い をしっかり理解することは、会社のお金の流れを知る上でとっても大切。今回は、この二つの違いを分かりやすく解説していきますね!

損益と利益、何が違うの?基本を押さえよう

まず、一番大切なのは「損益」と「利益」の定義です。「損益」とは、収入から支出を差し引いた、その期間のプラスマイナス全体を指します。つまり、儲かった場合は「利益」、損をした場合は「損失」となり、これらをまとめて「損益」と呼ぶんです。

一方、「利益」は、一般的には「売上から売上原価を引いたもの(売上総利益)」や「さらに経費を引いたもの(営業利益)」など、儲けの部分を指すことが多いです。だから、損益がプラスであっても、それは必ずしも「利益」とは言えない場合があるんです。

例えば、こんなイメージです。

項目 説明
収入 会社に入ってくるお金(売上など)
支出 会社から出ていくお金(仕入れ、家賃、給料など)
損益 収入 - 支出 (プラスなら利益、マイナスなら損失)
利益 儲かった部分。色々な種類がある!

損益 と 利益 の 違い を把握することで、会社が本当に儲かっているのか、それとも一時的にプラスになっているだけなのかが見えてきます。

損益計算書(P/L)で見る損益 と 利益 の 違い

会社のお金の成績表である「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」、通称P/Lを見ると、損益と利益の違いがより具体的に分かります。

P/Lには、以下のような項目が並んでいます。

  • 売上高:一番最初の収入
  • 売上原価:商品を売るためにかかった直接的な費用
  • 売上総利益(粗利):売上高から売上原価を引いたもの
  • 販売費及び一般管理費(販管費):人件費、家賃、広告費などの間接的な費用
  • 営業利益:売上総利益から販管費を引いた、本業での儲け
  • 営業外収益・費用:利息収入や利息支払いなど
  • 経常利益:営業利益に営業外収益・費用を加減したもの
  • 特別利益・損失:固定資産の売却益など、一時的なもの
  • 税引前当期純利益:経常利益に特別利益・損失を加減したもの
  • 法人税等:国や地方に払う税金
  • 当期純利益:最終的に会社に残る利益

このように、P/Lでは段階ごとに色々な「利益」が計算されており、一番下の「当期純利益」が、最終的に会社に残る儲けの合計額と言えます。そして、P/L全体で、収入と支出のプラスマイナスを追っていくことで、「損益」が分かってくるのです。

「粗利」と「営業利益」:儲けのレベルが違う!

先ほどのP/Lにも出てきた「粗利(そり)」と「営業利益」は、損益と利益の違いを理解する上で、特に重要なポイントです。

「粗利」は、売上から商品を仕入れるのにかかった費用(売上原価)を引いたものです。これは、商品そのものの儲け具合を示しています。例えば、100円で仕入れた商品を200円で売れば、粗利は100円になります。

  1. 売上高:200円
  2. 売上原価:100円
  3. 粗利:200円 - 100円 = 100円

一方、「営業利益」は、粗利から、お店の家賃、従業員の給料、広告費といった、お店を運営するためにかかる色々な経費(販売費及び一般管理費)を引いたものです。これは、会社の本業でどれだけ儲かっているかを示す、より実質的な利益と言えます。

つまり、粗利がたくさんあっても、経費がかかりすぎて営業利益が少なくなってしまうこともあります。 損益 と 利益 の 違い を、この二つの視点で見ると、経営の改善点が見えやすくなりますね。

「経常利益」:本業以外の儲けも加味した実力!

「経常利益」は、営業利益に、営業活動以外の収入や支出(例えば、銀行からの利息収入や、借入金にかかる利息の支払いなど)を加減したものです。これは、会社が日常的に(経常的に)どれだけ儲ける力があるかを示す指標と言えます。

もし、会社が副業で儲けたり、逆に投資で損をしたりしても、経常利益ではその影響はそれほど大きくありません。なぜなら、経常利益は、毎日のように繰り返される「通常の」営業活動から得られる利益を測るためだからです。

例を挙げると:

  • 本業で儲けたお金:営業利益
  • 銀行に預けているお金から入ってくる利息:営業外収益
  • 借金をしていることでかかる利息:営業外費用

経常利益は、これらの「いつもの」活動の合計なので、会社の継続的な儲け具合を把握するのに役立ちます。

「当期純利益」:最終的に会社に残るお金!

「当期純利益」は、損益計算書の最後に出てくる数字で、文字通り、その期(例えば1年間)に会社が最終的に稼いだ、税金などをすべて差し引いた後の純粋な利益のことです。

ここには、本業の儲け(営業利益)だけでなく、臨時的な収入(例えば、古い建物を売って得た利益)や、臨時的な支出(例えば、災害による損失)などもすべて考慮されて計算されます。

計算の流れは以下のようになります。

  1. 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用 = 経常利益
  2. 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 = 税引前当期純利益
  3. 税引前当期純利益 - 法人税等 = 当期純利益

この当期純利益がプラスであれば、会社は儲かったことになり、マイナスであれば損をしたことになります。 損益 と 利益 の 違い を、この当期純利益の視点で見ると、最終的な会社の成績がはっきりと分かります。

「キャッシュ・フロー」との違いも知っておこう!

損益や利益と並んで、ビジネスでよく聞くのが「キャッシュ・フロー」です。これは、会社に入ってくるお金(キャッシュ・イン)と、出ていくお金(キャッシュ・アウト)の流れのこと。損益計算書に書かれている利益とは、少し違う視点のお金の話なんです。

例えば、商品を売ったけれど、まだお金はもらっていない(掛売り)場合、損益計算書上では売上として計上され、利益は出ていることになります。しかし、実際にはまだ現金は入ってきていません。これがキャッシュ・フローとの違いです。

キャッシュ・フローは、主に以下の3つの活動で分けられます。

  • 営業活動によるキャッシュ・フロー:普段の営業活動でのお金の出入り
  • 投資活動によるキャッシュ・フロー:設備投資など、将来のためのお金の出入り
  • 財務活動によるキャッシュ・フロー:借入や返済、株式の発行など

利益がたくさん出ていても、キャッシュ・フローが悪ければ、会社は支払いができなくなってしまうこともあります。だから、利益だけでなく、キャッシュ・フローの動きも理解することが大切なんです。

まとめ:損益 と 利益 の 違いを理解して、賢いビジネス判断を!

ここまで、「損益」と「利益」の基本的な違いから、損益計算書の各項目、そしてキャッシュ・フローとの違いまで見てきました。 損益 と 利益 の 違い を理解することは、会社の健康状態を知るための第一歩です。それぞれの言葉が何を意味しているのかをしっかり把握して、ビジネスの世界で役立てていきましょう!

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