l2 と l3 の 違い:ネットワークの基本を分かりやすく解説!

コンピューターネットワークの世界には、さまざまな「階層(かいそう)」という考え方があります。その中でも「l2」と「l3」は、データをどのように送るかを決める上でとても大切な役割を担っています。今回は、この l2 と l3 の 違い を、皆さんが理解しやすいように、身近な例を交えながら解説していきます。

l2 と l3 の 違い:データ転送の「住所」と「道順」

まず、l2 と l3 の 違いを理解するために、インターネットでデータを送る仕組みを「郵便」に例えてみましょう。l2は、同じ建物内(LANなど)での「部屋番号」のようなものです。一方、l3は、建物から建物へ(インターネット全体)の「住所」のようなものです。どちらもデータを届けるためには必要ですが、役割が異なります。

l2(レイヤー2)は、「データリンク層」と呼ばれ、主に同じネットワーク内でのデータ転送を担当します。例えば、皆さんが学校で使っているWi-Fiや、教室内のコンピューター同士をつなぐネットワークがこれにあたります。 l2 と l3 の 違い を理解するには、l2が「隣の友達に手紙を渡す」ような、近距離でのやり取りをイメージすると良いでしょう。

l3(レイヤー3)は、「ネットワーク層」と呼ばれ、異なるネットワーク間でのデータ転送を担当します。インターネットは、世界中のたくさんのネットワークがつながっています。l3は、この複雑なネットワークの中から、目的地までの最適な「道順」を見つけ出す役割を担います。l2との違いは、より広範囲で、複雑な通信を可能にする点にあります。

  • l2の役割:
  • 同じネットワーク内でのデータ転送
  • MACアドレス(物理的なアドレス)を使用
  • 例:同じLAN内のパソコン同士の通信

l2 と l3 の 違い:具体的な通信方式

l2 と l3 の 違いをより具体的に見ていきましょう。l2の代表的な通信方式には、「イーサネット(Ethernet)」があります。これは、LANケーブルを使ってコンピューター同士をつなぐ際に使われる規格です。イーサネットでは、「MACアドレス」という、各ネットワーク機器に固有の識別番号が使われます。

一方、l3の代表的な通信方式は「IP(インターネットプロトコル)」です。皆さんがインターネットでウェブサイトを見たり、メールを送ったりする際に使われているのがIPです。IPでは、「IPアドレス」という、インターネット上の各機器に割り当てられる「住所」が使われます。このIPアドレスを使って、l3はデータを目的地まで届けます。

l2 と l3 の 違い は、通信の「範囲」と「アドレスの種類」にあります。

  1. l2: 同じネットワーク内(LANなど)、MACアドレス
  2. l3: 異なるネットワーク間(インターネット)、IPアドレス
階層 主な役割 使用されるアドレス 通信範囲
l2 同一ネットワーク内でのデータ転送 MACアドレス ローカル(限定的)
l3 異なるネットワーク間でのデータ転送 IPアドレス グローバル(広範囲)

l2 と l3 の 違い:ルーティングとスイッチング

l3 の最も重要な機能の一つに「ルーティング」があります。これは、IPアドレスを見て、データが目的地にたどり着くための最適な経路(ルート)を選択する作業のことです。ルーターという機器がこのルーティングを行っています。

一方、l2 では「スイッチング」という機能が使われます。スイッチングは、MACアドレスを見て、データがどのポート(接続口)から出ていくかを判断し、同じネットワーク内の他の機器にデータを届ける作業です。スイッチという機器がこれを担当します。

つまり、 l2 と l3 の 違い は、データを「どこへ」送るかを決めるl3のルーティングと、データを「どの道筋で」送るかを決めるl2のスイッチングという、異なるレベルでの役割分担にあるのです。

  • ルーティング (l3):
  • IPアドレスに基づき、ネットワーク間の最適な経路を選択
  • ルーターが担当
  • グローバルな通信に不可欠

l2 と l3 の 違い:パケットの仕組み

ネットワークで送られるデータは、「パケット」と呼ばれる小さな塊に分割されます。このパケットには、宛先や送信元の情報が含まれています。l2 と l3 の 違いは、このパケットにどのような情報が付加されるかにも現れます。

l3は、パケットにIPアドレスなどの情報を付加して、インターネット全体を迷子にならずに旅できるようにします。これは、大きな荷物に宛先の住所をしっかりと書くようなものです。

l2は、そのパケットを受け取った後、同じネットワーク内の次の機器に届けるために、MACアドレスなどの情報を付加します。これは、荷物が建物に届いた後、さらに部屋番号を付けて個別の部屋に届けるようなイメージです。 l2 と l3 の 違い は、このパケットの「ヘッダー」と呼ばれる部分に、どの層の情報が付加されるか、という点でも表れます。

  1. l3ヘッダー: IPアドレス、送信元IPアドレスなど
  2. l2ヘッダー: 送信元MACアドレス、宛先MACアドレスなど

l2 と l3 の 違い:OSI参照モデルでの位置づけ

ネットワークの仕組みを理解するためのモデルとして、「OSI参照モデル」というものがあります。このモデルでは、ネットワークの機能を7つの階層に分けて考えています。l2 はこのモデルの第2層(データリンク層)、l3 は第3層(ネットワーク層)にあたります。

l2 と l3 の 違い は、このOSI参照モデルにおける階層の違いから来ており、それぞれが担う役割が明確に定義されています。l2が物理的な接続やエラー検出、l3が論理的なアドレッシングやルーティングを担当するというように、役割が分かれていることで、複雑なネットワーク通信が効率的に行われています。

この階層構造のおかげで、私たちユーザーは、ネットワークの細かい部分を意識することなく、インターネットを利用できているのです。

OSI参照モデルの階層 名称 l2 と l3 の 違いにおける担当
第2層 データリンク層 同一ネットワーク内でのデータ転送、MACアドレス
第3層 ネットワーク層 異なるネットワーク間でのデータ転送、IPアドレス、ルーティング

l2 と l3 の 違い:家庭用ルーターの役割

皆さんの家庭にあるルーターは、l2 と l3 の両方の機能を持っています。ルーターは、インターネット回線(WAN側)と、家の中のWi-Fiや有線LAN(LAN側)をつなぐ役割を担っています。

インターネットから届くデータは、まずl3の機能を使って、家の中のどのコンピューターに届けるべきか判断されます(ルーティング)。そして、そのデータが最終的にWi-FiやLANケーブルを通じて、目的のコンピューターに届けられる際には、l2の機能(スイッチング)が使われます。

つまり、 l2 と l3 の 違い を理解することは、私たちの日常生活で使っているインターネットが、どのようにして情報を届けているのかを知る第一歩なのです。

  • 家庭用ルーターの機能:
  • WAN側(インターネット)とLAN側(家庭内ネットワーク)を接続
  • l3機能(ルーティング)で、インターネットからのデータを家の中に振り分け
  • l2機能(スイッチング)で、家の中の機器間でデータをやり取り

l2 と l3 の 違い:セキュリティとの関連性

l2 と l3 の 違いは、ネットワークセキュリティにも影響を与えます。例えば、l2レベルでは、同じネットワーク内の機器同士がMACアドレスを使って直接通信するため、悪意のある第三者が同じネットワークに侵入すると、他の機器の通信を傍受(盗聴)しやすくなる可能性があります。

一方、l3レベルでは、IPアドレスを使って通信が行われるため、異なるネットワークとの通信を制御することが比較的容易です。ファイアウォールなどのセキュリティ機器は、このl3レベルのIPアドレス情報などを元に、不正な通信をブロックする役割を担っています。

l2 と l3 の 違い を理解することで、どこでどのようなセキュリティ対策が必要になるのかが見えてきます。

  1. l2セキュリティの注意点:
  2. 同一ネットワーク内での通信傍受のリスク
  3. MACアドレスの偽装(なりすまし)による不正アクセス
  4. 対策例: VLANによるネットワークの分割、ポートセキュリティ

このように、l2とl3は、それぞれ異なる役割を持ちながら、協力して私たちのインターネット通信を支えています。この両者の違いを理解することは、ネットワークの基本的な仕組みを把握する上で非常に重要です。これからも、身近な技術に目を向けて、さらに理解を深めていきましょう!

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