「確定申告」と「源泉徴収」、どちらも税金に関する言葉ですが、一体何が違うのでしょうか?この記事では、この「確定申告と源泉徴収の違い」を分かりやすく、そして少し詳しく解説していきます。難しく考えず、まずはサラッと読んで、税金の基本を理解しちゃいましょう!
源泉徴収ってなに?給料から引かれるアレ!
「源泉徴収」とは、所得税などを、所得を支払う側(会社など)が、支払う時点で先に差し引いて国に納める仕組みのことです。つまり、私たちが会社からお給料をもらうとき、あらかじめ所得税や住民税が引かれているのは、この源泉徴収のおかげなんです。
-
給料明細を見てみよう!
- 「所得税」や「住民税」といった項目で、いくら引かれているか確認できます。
- これは、会社が私たちに代わって税金を払ってくれている、前払いのようなものだと考えると分かりやすいでしょう。
- この源泉徴収があるおかげで、税金がまとめて後でドンと請求されることを避けられます。
源泉徴収の仕組みは、主に会社員やパート・アルバイトの方に適用されます。毎月のお給料から一定額が天引きされるので、自分で税金を計算したり、納めに行ったりする手間が省けるというメリットがあります。
- 会社は、従業員に支払う給料から、あらかじめ定められた税率で所得税などを計算します。
- 計算した税額を給料から差し引き、残りの金額を従業員に支払います。
- 会社は、差し引いた税額をまとめて、税務署に納付します。
この源泉徴収は、あくまで「概算」で税金を納めているに過ぎません。1年間で本当に納めるべき税金額は、その人の年間の所得全体で決まるからです。そこで登場するのが、次の「確定申告」です。
確定申告ってなに?1年間の税金をちゃんと計算しよう!
「確定申告」とは、1年間の所得(稼いだお金)に対して、いくら税金を納めるべきかを自分で計算し、税務署に申告することです。会社員の場合は、会社が源泉徴収をしてくれますが、年間の所得が一定額を超えたり、副業をしていたりすると、自分で確定申告をする必要があります。
| 源泉徴収 | 確定申告 |
|---|---|
| 給料などを受け取る前に、あらかじめ引かれる税金 | 1年間の所得全体で、最終的な税額を計算・申告するもの |
| 毎月行われる(会社が行う) | 年に1回(翌年の2月16日~3月15日) |
確定申告をすることで、源泉徴収で払いすぎた税金があれば、還付(返してもらえる)を受けることができます。逆に、本来納めるべき税金が不足していた場合は、追加で納めることになります。
- 事業所得がある人 :フリーランスや個人事業主など
- 給与所得以外の所得が20万円を超える人 :副業で稼いだ場合など
- 不動産所得がある人
確定申告は、自分の所得と税金を正確に把握し、適正な納税を行うための重要な手続きです。
源泉徴収の「対象」となるもの
源泉徴収は、給料だけでなく、様々な所得に対して行われます。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 給料、賞与
- 退職金
- 報酬、料金(原稿料、デザイン料、講演料など)
- 利子、配当金
源泉徴収の「注意点」
源泉徴収は、あくまで「概算」の税金の前払いであるという点を忘れてはいけません。年末調整や確定申告によって、最終的な税額が確定します。
- 年末調整 :会社員の場合、年末に会社が行う、源泉徴収された税金の過不足を精算する手続きです。
- 確定申告 :源泉徴収だけでは精算できない場合や、特定の条件に当てはまる人が行う手続きです。
確定申告で「できること」
確定申告は、税金を納めるだけでなく、様々なメリットがあります。
- 税金の還付 :医療費控除や住宅ローン控除など、適用できる控除(税金が安くなる制度)がある場合、源泉徴収で払いすぎた税金が返ってきます。
- 正確な納税 :1年間の所得を正しく申告し、本来納めるべき税額を確定させます。
- 信用力の向上 :個人事業主やフリーランスの場合、確定申告をしていることは、金融機関などからの信用を得る上で重要になります。
確定申告の「期間」と「方法」
確定申告の期間は、原則として、その年の翌年の2月16日から3月15日までです。この期間内に、必要書類を揃えて税務署に提出します。
- 申告書の作成 :税務署の窓口、郵送、e-Tax(電子申告)で作成・提出できます。
- 必要書類の準備 :源泉徴収票、各種控除証明書などを準備します。
- 申告書の提出 :税務署に提出します。
源泉徴収と確定申告の「関係性」
源泉徴収と確定申告は、それぞれ独立したものではなく、密接な関係があります。源泉徴収は、所得税などの「前払い」であり、確定申告は、その「最終的な精算」と言えます。
| 源泉徴収 | 所得税などの概算額を、会社などが事前に天引きして納める |
|---|---|
| 確定申告 | 1年間の所得全体で、最終的な税額を計算し、過不足を精算する |
まとめ:賢く税金と付き合おう!
「確定申告と源泉徴収の違い」について、ご理解いただけたでしょうか?源泉徴収は、給料などからあらかじめ引かれる税金の前払い。そして確定申告は、1年間の所得全体で税金を正しく計算し、最終的な精算を行うための手続きです。これらを理解することで、無駄な税金を払わずに済んだり、還付を受けられたり、賢く税金と付き合っていくことができます。もし分からないことがあれば、税務署や税理士さんに相談してみるのも良いでしょう。