「国民年金」と「国民年金保険料」、この二つの言葉、何となく似ているけれど、実は意味が違うんです。今回は、この 国民 年金 と 国民 年金 保険 の 違い を、分かりやすく解説していきますね。
国民年金ってそもそも何？
まず、「国民年金」についてお話ししましょう。国民年金は、日本に住んでいる20歳から60歳までのすべての人が加入する、公的な年金制度のことです。これは、将来、高齢になったり、障害を負ったり、あるいは働けなくなったりしたときに、みんながお金に困らないように、社会全体で支え合うための仕組みなんです。
国民年金には、大きく分けて二つの種類があります。それが、「老齢基礎年金」と「障害基礎年金」、「遺族基礎年金」です。それぞれ、どんな時にどんな給付が受けられるのか、簡単に見ていきましょう。
- 老齢基礎年金： 65歳から受け取れる、一番馴染みのある年金です。
- 障害基礎年金： 病気や怪我で障害を負ってしまった時に、生活を支えるための年金です。
- 遺族基礎年金： 国民年金の加入者が亡くなった時に、その家族（主に子どものいる配偶者や子ども）に支払われる年金です。
国民年金制度は、私たち一人ひとりが安心して暮らせるようにするための、社会的なセーフティネットなんです。
国民年金保険料は「会費」みたいなもの！
では次に、「国民年金保険料」についてです。これは、先ほど説明した「国民年金」という制度を維持していくために、加入者が毎月支払うお金のことです。例えるなら、スポーツジムの「会費」や、マンションの「管理費」のようなものですね。
この保険料をきちんと納めることで、将来、年金を受け取る権利が得られます。だから、 国民年金保険料を支払うことは、将来の自分への投資であり、社会全体で支え合うための義務でもあるんです。
| 国民年金 | 国民年金保険料 |
|---|---|
| 制度そのもの | 制度を維持するためのお金 |
つまり、国民年金という「箱」があって、その箱を維持するためのお金が国民年金保険料、というイメージですね。
加入者の種類と保険料の納め方
国民年金には、加入者の職業などによって、いくつかの種類があります。それぞれの種類で、保険料の納め方や、受け取れる年金の種類も少し変わってきます。主な加入者の種類を見てみましょう。
- 第1号被保険者： 自営業者、農家、漁業者の人、学生、無職の人など。自分で保険料を納めます。
- 第2号被保険者： 会社員や公務員の人。給料から天引きで保険料が納められます。
- 第3号被保険者： 第2号被保険者に扶養されている配偶者（専業主婦・主夫など）の人。保険料はかかりません（配偶者の加入する年金制度から支払われます）。
国民年金保険料は、原則として毎月、定められた期日までに納める必要があります。 もし、どうしても期日までに納められない場合は、延滞金がかかることもありますし、将来年金を受け取れる期間が短くなってしまう可能性もあります。
納付方法には、口座振替、クレジットカード納付、コンビニ納付、金融機関窓口納付などがあります。早めにまとめて（例えば1年分や2年分）納めると、割引になる制度もありますよ。
保険料の免除・猶予制度
「毎月、国民年金保険料を納めるのが大変…」という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方のために、国民年金保険料の「免除」や「猶予」といった制度があります。
- 免除制度： 所得が一定額以下の場合、保険料の納付が全額または一部免除されます。
- 猶予制度： 学生で、所得が低い場合などに、保険料の納付が猶予されます。
これらの制度を利用する際は、必ず市区町村役場や年金事務所に相談しましょう。 申請をして、承認されないと適用されません。免除や猶予を受けた期間も、将来の年金受給額には、全額納付した場合よりも少なくはなりますが、反映されます。
年金制度の基本：保険料納付と受給資格
国民年金制度の基本は、「保険料を納めた期間」が、将来年金を受け取るための「受給資格期間」になる、ということです。つまり、 保険料をきちんと納めていればいるほど、将来受け取れる年金の金額は増えていく 、ということになります。
受給資格期間は、原則として「保険料を納めた月数」と「免除・猶予された月数」などを合計した期間です。老齢基礎年金を受け取るためには、この受給資格期間が10年以上必要になります。
もし、何らかの理由で保険料を納めることができなかった期間があると、その分、受給資格期間が短くなってしまう可能性があります。そうなると、将来、年金を受け取れない、あるいは受け取れる金額が減ってしまう、ということにもなりかねません。
国民年金と厚生年金の違い
ところで、会社員や公務員の方などが加入する「厚生年金」とは、どう違うのでしょうか？
- 国民年金： 日本に住む20歳から60歳までのすべての人が加入する「基礎年金」です。
- 厚生年金： 会社員や公務員が、国民年金に上乗せして加入する「報酬比例年金」です。
つまり、第2号被保険者の方は、国民年金にも加入しており、その保険料も給料から天引きされています。 厚生年金に加入している人は、国民年金と厚生年金の、二つの年金制度に加入している 、ということになるんですね。
厚生年金は、給料（報酬）によって保険料が変わるので、国民年金よりも受け取れる年金額は多くなる傾向があります。ただ、国民年金は、すべての人が最低限の保障を受けられる、大切な基礎となる年金制度なんですよ。
まとめ：将来のために、しっかり理解しておこう！
ここまで、「国民年金」と「国民年金保険料」の違い、そして関連する制度について解説してきました。少し複雑に感じるかもしれませんが、 国民 年金 と 国民 年金 保険 の 違い を理解することは、将来の生活設計においてとても大切です。
国民年金は、私たち一人ひとりが安心して老後を送るための、社会全体で支え合う仕組みです。その制度を維持するためのお金が国民年金保険料です。もし、保険料の納付に不安がある場合は、一人で悩まず、必ず年金事務所や市区町村役場に相談してくださいね。