get と become の 違い、これでスッキリ!

英語で「~になる」を表すとき、get と become のどちらを使えばいいか迷うこと、ありますよね。実は、この二つの単語には、ニュアンスの違いがあります。get と become の違いを理解することで、より自然で正確な英語表現ができるようになりますよ。

「状態の変化」に注目!get と become の根本的な違い

get と become の最大の違いは、「どのような状態の変化を表すか」という点にあります。get は、より幅広く、一時的な変化や、予期しない変化、あるいは努力の結果として得られる変化を表すことが多いです。一方、become は、より段階的で、人格や性質、身分などの根本的な変化や、よりフォーマルな変化を表す傾向があります。

例えば、

  • He got angry. (彼は怒った。) - 突然怒った、というニュアンス
  • He became angry. (彼は怒った。) - 徐々に怒り出した、というニュアンス
このように、同じ「怒る」という状態でも、get と become で少し雰囲気が変わります。 このニュアンスの違いを理解することが、get と become の違いを掴む鍵となります。

では、具体的にどのような場面で使い分けるのか、いくつか例を見てみましょう。

get become
get tired (疲れる) become a doctor (医者になる)
get married (結婚する) become famous (有名になる)
get dark (暗くなる) become a teacher (教師になる)

「所有」や「入手」のニュアンスを持つ get

get は、「何かを手に入れる」「何かを得る」という「所有」や「入手」のニュアンスを強く持つことがあります。この場合、become では置き換えられません。

  • I got a new book yesterday. (昨日、新しい本を手に入れた。)
  • Can you get me a glass of water? (水を一杯もらえませんか?)

また、get は、受動態の代わりに使われることもよくあります。

  1. The window got broken . (窓が壊れた。) - broken は過去分詞
  2. My hair got cut short. (髪を短く切ってもらった。) - cut は過去分詞

さらに、get は「~させる」という意味で使われることもあります。これは、誰かに何かをしてもらう、という状況で使われます。

get + 目的語 + to不定詞 意味
I got my father to help me. 父に手伝ってもらった。
She got him to study English. 彼女は彼に英語を勉強させた。

「資格」や「地位」の獲得を表す become

become は、より「資格」や「地位」、「職業」などの、しっかりとした変化や獲得を表す場合によく使われます。

例えば、

  • She became a lawyer after years of study. (彼女は長年の勉強の末、弁護士になった。)
  • He became the president of the company. (彼はその会社の社長になった。)

これらの文で get を使うと、少し不自然に聞こえることがあります。

また、become は、形容詞の比較級と組み合わせて「ますます~になる」という進行を表すこともあります。

  1. The weather is becoming colder . (ますます寒くなってきた。)
  2. He is becoming more and more confident. (彼はますます自信を持つようになった。)

become は、感情や状態が「徐々に変化していく」様子を表すのにも適しています。

become + 形容詞 状態の変化
become happy 幸せになる (徐々に、あるいはじっくりと)
become sad 悲しくなる
become interested in ~に興味を持つようになる

「自然な変化」 vs 「意図的な変化」

get は、どちらかというと、自然に起こる変化や、予期せぬ出来事、あるいはさほど努力を必要としない変化を表すことが多いです。一方、become は、より意図的であったり、計画的であったり、ある程度の努力や時間をかけて達成される変化を表す傾向があります。

例:

  • The leaves got red in autumn. (葉っぱは秋に赤くなった。) - 自然な変化
  • He became a great musician through hard work. (彼は一生懸命練習して、偉大な音楽家になった。) - 意図的・努力

もちろん、例外もありますが、このような「自然さ」と「意図」のニュアンスも、get と become の違いを理解する上で役立ちます。

いくつかの慣用的な表現も見てみましょう。

  1. get sick (病気になる)
  2. become ill (病気になる) - よりフォーマル
  3. get old (年をとる)
  4. become an adult (大人になる)

このように、同じような意味でも、文脈やフォーマルさの度合いによって使い分けられます。

「一時的」 vs 「永続的」な変化

get で表される変化は、一時的なものであることが多いです。対して become で表される変化は、より永続的、あるいは結果として定着した状態を表すことが多いと言えます。

例えば、

  • I got cold. (寒くなった。) - 一時的に寒くなった
  • He became famous all over the world. (彼は世界中で有名になった。) - 永続的な状態

この「一時的」か「永続的」か、という視点も、get と become の違いを判断するヒントになります。

さらに、get は、ある状態から別の状態へ「移り変わる」プロセスを強調することがあります。

get become
get tired become a teacher
get hungry become a doctor
get dark become happy

「口語的」 vs 「文語的」な響き

一般的に、get は口語的で、日常会話でよく使われます。一方、become は、やや文語的で、書き言葉やフォーマルな場面で使われることが多いです。もちろん、これは絶対的なものではありませんが、そのような傾向があることを知っておくと良いでしょう。

例:

  • "Hey, I got a good grade on the test!" (ねえ、テストで良い点取ったよ!) - 口語的
  • "She will become a renowned scholar in her field." (彼女は、その分野で著名な学者になるでしょう。) - 文語的・フォーマル

さらに、get は、否定的な意味合いを含む変化にも使われやすいです。

  1. The food got rotten. (食べ物が腐った。)
  2. His situation got worse. (彼の状況は悪化した。)

一方、become は、より中立的、あるいは肯定的な変化を表す際に使われることが多いです。

まとめ:get と become の違いをマスターしよう!

get と become の違いは、単に「~になる」という訳語だけでなく、そこに含まれるニュアンスや文脈によって決まります。今回ご紹介したポイントを参考に、色々な例文に触れて、実際に使ってみることで、get と become の違いがより深く理解できるようになるはずです。これらの違いを意識することで、あなたの英語表現はさらに豊かになるでしょう!

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