知っておきたい! 正 喪服 と 準 喪服 の違いと使い分け

葬儀に参列する際、どんな服装をすれば良いか迷うことはありませんか? 特に「正喪服(せいもふく)」と「準喪服(じゅんもふく)」という言葉を聞いたことがあるけれど、その違いがよく分からない…という方もいらっしゃるでしょう。今回は、この 正喪服と準喪服の違い を分かりやすく解説し、いつ、どちらを選ぶべきかを理解できるようにご説明します。

正喪服とは? 格式高い装いの基本

正喪服は、喪主やご遺族など、葬儀で最も重要な立場にある方が着用する最も格の高い喪服です。一般の参列者が着用することはほとんどありません。この正喪服の着用が求められる場面は限られていますが、その格式の高さは、故人への敬意と弔いの気持ちを最大限に表すためのものです。

  • 正喪服は、喪主やご遺族など、葬儀における正式な役割を担う人のための装いです。
  • 一般の参列者が正喪服を着用する必要はありません。
  • その格式は非常に高く、特別な儀礼の場にふさわしい服装とされています。

具体的にどのような装いになるかというと、:

  1. 男性:モーニングコート、テールコート
  2. 女性:ロングヴェールをつけたブラックフォーマルドレス(アフタヌーンドレスに準ずるもの)

このように、普段の生活ではなかなか目にすることのない、特別な装いと言えます。

準喪服とは? 多くの場面で使える万能な喪服

準喪服は、一般の参列者が着用する喪服として最も一般的で、広く使われています。喪主やご遺族が正喪服を着用する場合でも、親族や親しい友人などは準喪服を着用するのが一般的です。 準喪服は、ほとんどの葬儀で対応できるため、最も基本的な喪服と言えるでしょう。

準喪服の具体的な内容を見ていきましょう。

性別 服装
男性 ブラックスーツ(シングルまたはダブル)、白無地のワイシャツ、黒無地のネクタイ、黒の靴下、黒の革靴
女性 ブラックフォーマルアンサンブル、ブラックフォーマルワンピース、黒無地のタイツまたはストッキング、黒のパンプス

アクセサリーやバッグなども、派手なものは避け、黒で統一するのがマナーです。

正喪服と準喪服の具体的な違い

正喪服と準喪服の最も大きな違いは、その 格式の高さと着用する人の立場 にあります。正喪服は、故人との関係が最も近く、葬儀において中心的な役割を担う方が着用するもの。一方、準喪服は、より幅広い参列者が着用できる、一般的な喪服です。

例えば、

  • 男性の場合: 正喪服はモーニングコートやテールコートですが、準喪服はブラックスーツです。
  • 女性の場合: 正喪服はロングヴェールをつけたブラックフォーマルドレスなどですが、準喪服はアンサンブルやワンピースが一般的です。

「どんな服装で参列すれば良いか迷ったら、まずは準喪服を用意しておけば間違いない」と言われるほど、準喪服は汎用性が高いのです。

喪服の素材と色について

喪服の素材や色も、正喪服と準喪服で若干の違いが見られます。正喪服では、より光沢のある素材や、格式の高い生地が使われることがあります。しかし、 準喪服においては、光沢のない、深い黒色の生地を選ぶことが重要 です。

準喪服の素材を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  1. 素材: ウールやポリエステルなど、フォーマルな素材を選びましょう。
  2. 色: できるだけ深い黒(漆黒)を選ぶのが理想です。
  3. 光沢: 光沢のある素材は避けましょう。

最近では、洗濯機で洗えるウォッシャブル素材の喪服も増えており、手軽に手入れができるのも魅力です。

アクセサリーや小物選びの注意点

喪服だけでなく、アクセサリーや小物選びも重要です。正喪服と準喪服で、アクセサリーの選び方に明確な区別があるわけではありませんが、 いずれの場合も、装飾品は控えめにするのが基本 です。

アクセサリー選びのポイント:

  • ネックレス: 一連のパール(白またはグレー)が一般的です。複数連のものや、大きすぎるものは避けましょう。
  • イヤリング・ピアス: パールや、小ぶりのダイヤなどが適しています。
  • バッグ: 黒無地で、光沢のない革製や布製のものを選びます。フォーマルなデザインが重要です。

結婚指輪以外のアクセサリーは、つけないという選択肢もあります。

靴下やストッキングの選び方

足元にも気を配ることは、喪服のマナーとして大切です。正喪服と準喪服で、靴下やストッキングの基本的な選び方は変わりませんが、 清潔感と控えめな印象を与えることが最も重要 です。

靴下・ストッキングの選び方:

  1. 男性: 黒無地の靴下を選びます。丈はくるぶしが隠れる程度のものが一般的です。
  2. 女性: 黒無地のストッキングまたはタイツを着用します。肌の色が透ける程度の薄さ(伝線しにくいもの)がおすすめです。厚手のタイツは、真夏以外では避けるのが無難です。

派手な柄物や、色物、ラメ入りのものは絶対に避けましょう。

まとめ:葬儀にふさわしい服装で故人を偲ぶ

「正喪服」と「準喪服」の違いは、その格式の高さと着用する人の立場にあることを理解していただけたでしょうか。 ほとんどの葬儀で着用できるのは準喪服 であり、一般の参列者は準喪服を準備しておけば安心です。故人への最後の別れに、ふさわしい服装で心を込めてお悔やみの気持ちを伝えましょう。

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