id と class の 違いを徹底解説!Web制作の基本をマスターしよう

Webサイトを作るとき、HTMLで要素に名前をつけることがありますよね。「id」と「class」、どちらも要素に名前をつけるためのものですが、実はまったく違う役割を持っています。この二つの違いをしっかり理解することが、Web制作の第一歩であり、とても重要なんです。今回は、この「id と class の 違い」を分かりやすく解説していきます。

id と class の根本的な違い:ユニークさ vs 複数適用

まず、一番大きな違いは「ユニークさ」にあります。HTML文書全体で、idは「この要素だけに!」という、たった一つしかない名前につけることができます。例えるなら、あなたの「マイナンバー」のようなもの。世界に一つしかない、あなただけの番号ですよね。だから、idがついた要素は、文書の中に一つしか存在できません。

一方、classは「このグループの要素!」というように、複数の要素に同じ名前をつけることができます。まるで、学校の「クラス」や、趣味の「サークル」のようなもの。同じクラスやサークルには、たくさんの人が所属できますよね。classもそれと同じで、一つのclass名を、たくさんのHTML要素に適用できるんです。

この「idは一つだけ」「classは複数OK」というルールを覚えておくと、使い分けがぐっと楽になります。

  • id: 文書内で一意(ユニーク)
  • class: 複数適用可能

この「idは一つだけ」「classは複数OK」という原則を理解することが、id と class の 違いを把握する上で最も重要です。

id の使い方:特別な場所への目印

idは、その要素が文書の中で「ここだけ!」という特別な意味を持つ場合に使うと便利です。例えば、サイトのヘッダー部分、フッター部分、メインコンテンツエリアなど、ページの中で一番目立つ、あるいは重要な部分にidをつけることが多いです。CSSで特定の要素だけを大きくしたり、色を変えたりする際に、idを指定してピンポイントでスタイルを適用できます。

また、JavaScriptで特定の要素を操作したいときにもidはよく使われます。例えば、「このボタンをクリックしたら、この部分の表示を変えたい!」という場合、その「この部分」にidをつけておけば、JavaScriptで簡単に見つけ出して操作できるのです。

idを使った具体的な例を見てみましょう。

HTMLコード 説明
<div id="main-content">...</div> このdiv要素は、ページの中で「メインコンテンツ」という特別な場所であることを示します。
<h1 id="page-title">...</h1> このh1要素は、ページ全体の「タイトル」という特別な見出しであることを示します。

class の使い方:共通のスタイルを適用する

classは、同じような見た目や振る舞いをしたい要素に、まとめてスタイルを適用したいときに大活躍します。例えば、ボタンのデザインをいくつか作りたいとき、共通のスタイル(色、形、文字の大きさなど)はclassでまとめて定義しておき、個別のスタイルだけをidで指定するといった使い方ができます。

また、リストの項目や、カード形式のコンテンツなど、繰り返し現れる要素に同じデザインを適用したい場合にもclassは最適です。これにより、コードの重複を減らし、メンテナンスしやすいWebサイトを作ることができます。

classの便利な使い方をいくつかご紹介します。

  1. 汎用的なスタイル定義: 例えば、「button」というclass名で、ボタンの基本的なデザインを定義します。
  2. バリエーションの追加: 「button-primary」「button-secondary」のように、基本のclassに加えて、色や状態を変えるためのclassを追加します。
  3. 複数のclassの適用: 一つの要素に複数のclassを適用することも可能です。例えば、 <button class="button button-primary"> のように使えます。

id と class の使い分け:いつ、どちらを選ぶべきか?

では、具体的にどのような場面でidとclassを使い分けるのでしょうか。これは、その要素が「全体で一つだけなのか、それとも複数あるのか」という視点で考えると分かりやすいです。

  • idが適している場合:
    • ページ内の特定のセクション(ヘッダー、フッター、サイドバー、メインコンテンツなど)
    • ページ内リンクの飛び先(アンカーリンク)
    • JavaScriptで絶対に一つだけ操作したい要素
  • classが適している場合:
    • 複数の要素に同じスタイルを適用したい場合(ボタン、カード、リストアイテムなど)
    • 要素のグループ化や分類
    • 再利用可能なデザインコンポーネント

原則として、特別な理由がない限りはclassを優先して使うのが良いとされています。 なぜなら、classの方が再利用性が高く、コードの管理がしやすいためです。idは、どうしても「この要素だけ!」という場合に限定して使うのが、より良いWeb制作の習慣と言えるでしょう。

JavaScript からのアクセス:id と class の挙動の違い

JavaScriptを使ってHTML要素を操作する際にも、idとclassではアクセス方法が異なります。idは「一つしかない」という特性を活かして、JavaScriptで簡単にその要素を取得できます。

一方、classは複数の要素に適用されている可能性があるため、JavaScriptで取得すると「要素のリスト(配列のようなもの)」として返ってきます。そのため、複数の要素の中から特定の要素を選んで操作したい場合は、リストのインデックス(番号)を指定したり、ループ処理を使ったりする必要があります。

JavaScriptでのアクセス方法の例を以下に示します。

  • idで要素を取得する場合: document.getElementById('yourId');
  • classで要素を取得する場合: document.getElementsByClassName('yourClass'); (これは要素のリストを返します)
  • より新しい方法(querySelector/querySelectorAll): CSSセレクタと同じように指定できるため、 document.querySelector('.yourClass'); (最初に見つかった要素を返す)や document.querySelectorAll('.yourClass'); (見つかった全ての要素のリストを返す)といった方法もよく使われます。

CSS からのアクセス:id と class の優先順位

CSSでスタイルを指定する際にも、idとclassには「優先順位」というものがあります。これは、もし同じ要素に対してidとclassの両方でスタイルが指定された場合に、どちらのスタイルが優先されるか、というルールです。

一般的に、CSSのスタイルには「重要度」のようなものがあり、idセレクタはclassセレクタよりも優先度が高いとされています。つまり、同じプロパティ(例えば色)をidとclassの両方で指定した場合、idで指定された色の方が優先されて適用されることが多いのです。

ただし、CSSには「 !important 」という、さらに強力な指定方法もあります。しかし、これは乱用するとコードが読みにくくなるため、特別な理由がない限りは避けるべきです。idとclassの優先順位を理解し、基本的にはclassでスタイルを定義し、idは特別な要素の装飾に使う、という使い分けがおすすめです。

まとめ:id と class の違いをマスターして、より良いWebサイトを!

これまで、idとclassの根本的な違い、それぞれの使い方、JavaScriptやCSSでの挙動の違いについて解説してきました。idは「唯一無二」、classは「複数適用可能」というのが一番のポイントです。この違いを理解し、適切に使い分けることで、より構造が分かりやすく、メンテナンスしやすい、そして表現力豊かなWebサイトを作ることができます。さあ、今日からidとclassをマスターして、あなたのWeb制作スキルをさらにレベルアップさせていきましょう!

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