夏になると、急にかゆみが出たり、ぶつぶつができたりして、「これってあせも?それとも蕁麻疹?」と悩むことはありませんか?実は、あせもと蕁麻疹は原因も見た目も少し違うんです。今回は、そんな あせも と 蕁 麻疹 の 違い を分かりやすく解説していきますね。
原因と症状で見る、あせも と 蕁 麻疹 の 違い
まず、一番大きな違いは「原因」です。あせもは、汗をかきすぎて汗の通り道が詰まってしまうことで起こります。特に、暑い日や運動の後、汗をかいたのにすぐに拭けなかったり、着替えられなかったりするとできやすいですよね。症状としては、小さな赤いぶつぶつ(丘疹)や水ぶくれ(小水疱)がたくさん現れるのが特徴です。かゆみはチクチクするような感じや、じゅくじゅくするような感じがすることがあります。
一方、蕁麻疹は、アレルギー反応や、食べ物、薬、虫刺され、ストレスなど、様々な刺激によって、皮膚の表面に急に現れる、境界がはっきりした盛り上がり(膨疹)が特徴です。この膨疹は、赤みを帯びていることもあれば、皮膚と同じ色をしていることもあります。そして、 蕁麻疹の最大の特徴は、症状が数時間から長くても24時間以内には消え、また別の場所に現れるという「移動性」があること です。かゆみは、むずむずしたり、刺すような強いかゆみを感じることが多いです。
それぞれの特徴をまとめた表を見てみましょう。
| 項目 | あせも | 蕁麻疹 |
|---|---|---|
| 主な原因 | 汗の詰まり | アレルギー反応、様々な刺激 |
| 見た目 | 小さな赤いぶつぶつ、水ぶくれ | 境界がはっきりした盛り上がり(膨疹) |
| かゆみ | チクチク、じゅくじゅく | むずむず、刺すような強いかゆみ |
| 症状の消え方 | 比較的長く続く | 数時間~24時間で消え、移動性がある |
症状の現れ方:どこに、どうやってできる?
あせもは、汗をかきやすい首の周り、脇の下、肘の内側、膝の裏など、皮膚が蒸れやすい場所にできやすいです。特に、赤ちゃんの肌にできることが多いのも、あせもならではの特徴と言えます。症状は、汗をかくたびに悪化したり、涼しくなると少し落ち着いたりしますが、数日続くことも珍しくありません。
蕁麻疹は、体のどこにでも現れる可能性があります。顔、手足、お腹、背中など、予想外の場所に突然現れることが多いです。そして、先ほども触れましたが、 蕁麻疹は症状が刻々と変化する「移動性」が特徴 です。今、腕にあったものが、数時間後にはお腹に現れている、ということもよくあります。
症状の発生箇所や変化を整理すると、以下のようになります。
- あせも: 汗をかきやすい部分(首、脇、肘の内側など)に、汗をかいた後に集中的にできる。
- 蕁麻疹: 体のどこにでも、突然現れる。数時間で消え、他の場所に移動することがある。
かゆみの質:どんなかゆみ?
かゆみの感じ方も、あせもと蕁麻疹では少し異なります。あせものかゆみは、どちらかというと「ムズムズする」「チクチクする」「じゅくじゅくして不快」といった感覚が多いです。特に、汗をかいた後や、服でこすれたりすると、かゆみが増すことがあります。
一方、蕁麻疹のかゆみは、もっと強烈で「刺されるような」「耐えられないような」強いかゆみであることが多いです。掻けば掻くほど、さらにかゆみが増してしまう悪循環に陥りやすいのが特徴です。時には、かゆみだけでなく、ピリピリとした痛みや熱感を伴うこともあります。
かゆみの種類を比較してみましょう。
- あせものかゆみ: ムズムズ、チクチク、じゅくじゅくとした不快感。
- 蕁麻疹のかゆみ: 強い、刺すような、耐えられないかゆみ。
発疹の形と数:どう見える?
発疹の見た目も、あせもと蕁麻疹では大きく違います。あせもは、汗の出口が詰まることでできるため、小さな赤いぶつぶつ(丘疹)が密集して現れることが多いです。汗をかく量が多い場合や、皮膚がこすれやすい場所では、水ぶくれ(小水疱)になったり、それが破れてじゅくじゅくしたりすることもあります。
蕁麻疹は、「膨疹(ぼうしん)」と呼ばれる、皮膚が盛り上がった状態が特徴です。この膨疹は、境界がはっきりしていて、蚊に刺された跡が大きくなったような形をしていることが多いです。大きさは様々で、数ミリから数センチのものまであります。あせものように細かいぶつぶつが密集するのではなく、ポツンと現れたり、いくつかの膨疹がくっついて大きな塊になったりします。
発疹の形と数について、さらに詳しく見ていきましょう。
- あせも: 小さな赤いぶつぶつ、密集していることが多い。場合によっては水ぶくれやじゅくじゅく。
- 蕁麻疹: 境界がはっきりした盛り上がり(膨疹)。蚊に刺された跡に似ている。大きさは様々。
原因となる要因:何が引き金になる?
あせもの主な原因は、先ほども触れたように「汗」です。特に、
- 高温多湿な環境
- 激しい運動
- 衣類による蒸れ
- 入浴後やシャワー後の水分・汗の拭き取り不足
一方、蕁麻疹の原因は非常に多岐にわたります。代表的なものを挙げると、
- 食物: エビ、カニ、卵、乳製品、果物など
- 薬: 抗生物質、痛み止めなど
- 物理的刺激: 圧迫、摩擦、日光、寒冷、温熱など
- 感染症: ウイルスや細菌
- ストレスや疲労: 自律神経の乱れ
対処法:どっちもかゆい!どうすればいい?
あせもになってしまったら、まずは「汗をかかないようにする」「汗をかいたらすぐに拭き取る」「皮膚を清潔に保つ」ことが大切です。涼しい場所で過ごしたり、通気性の良い服を着たり、シャワーを浴びて汗を洗い流すだけでも症状が和らぎます。かゆみが強い場合は、市販の塗り薬(抗ヒスタミン薬など)を使うことも効果的ですが、皮膚を掻き壊さないように注意しましょう。
蕁麻疹の場合は、原因となっているものを特定し、避けることが一番の治療法になります。もし、食べ物や薬が原因で蕁麻疹が出た場合は、今後その原因物質を摂らないようにする必要があります。かゆみが強い場合や、全身に広がっている場合は、早めに皮膚科を受診して、適切な飲み薬(抗ヒスタミン薬など)や塗り薬を処方してもらうことが大切です。稀に、呼吸困難や血圧低下といった重篤な症状(アナフィラキシー)を伴うこともあるため、注意が必要です。
それぞれの対処法をまとめると、以下のようになります。
- あせも: 汗をかかない、汗を拭く、清潔にする。
- 蕁麻疹: 原因を特定し避ける。医療機関で適切な治療を受ける。
まとめ:正しく知って、快適な夏を!
あせもと蕁麻疹、違いがお分かりいただけましたでしょうか?あせもは「汗のトラブル」、蕁麻疹は「体の過剰な反応」と考えると覚えやすいかもしれません。どちらもかゆくてつらい症状ですが、原因や対処法が異なります。もし、どちらか判断に迷ったり、症状がひどい場合は、自己判断せずに皮膚科のお医者さんに相談するのが一番安心ですよ。正しい知識を持って、今年の夏はかゆみ知らずで快適に過ごしましょう!