AEDと除細動器の違い、徹底解説!~もしもの時のために知っておきたいこと~

「AED」と「除細動器」、この二つの言葉、普段あまり意識しないかもしれませんが、実は非常によく似ていて、混同されがちです。では、具体的にaed と 除 細 動 器 の 違いは何なのでしょうか?簡単に言うと、AEDは「自動体外式除細動器」のことで、誰でも使えるように設計された、より身近な除細動器の一種なのです。つまり、AEDは除細動器の仲間であり、その中でも特に使いやすさに重点が置かれたものがAEDと言えます。

AEDは「誰でも使える」除細動器

まず、aed と 除 細 動 器 の 違いを理解する上で最も大切なのは、AEDが「誰でも使える」ように作られているという点です。心臓が止まってしまう(心停止)と、電気ショックを与えて心臓のリズムを正常に戻す「除細動」という処置が必要になります。この除細動を行うための機器が除細動器なのですが、医療従事者ではない一般の人が使うのは難しい場合がありました。

そこで、一般の人でも、音声ガイドやイラストに従って簡単に操作できるようになったのがAED、つまり自動体外式除細動器なのです。AEDは、心電図を自動で解析し、電気ショックが必要かどうかを判断してくれます。もし電気ショックが必要な場合は、機器が音声で手順を指示してくれるので、迷うことなく対応できます。 この「誰でも使える」という点が、AEDの最も重要な特徴であり、救命率を大きく左右するポイントなのです。

  • 除細動器:医療従事者向け
  • AED:一般の人も使用可能

例えば、AEDが普及していなかった時代は、救急隊員が到着するまで、心停止した人を助けることが非常に困難でした。しかし、AEDが駅や公共施設などに設置されるようになったことで、一般の人でも迅速に除細動を行うことができるようになり、多くの命が救われています。

除細動器の種類とAEDの位置づけ

除細動器と一口に言っても、実は様々な種類があります。aed と 除 細 動 器 の 違いをより深く理解するために、これらの種類を知っておきましょう。大きく分けると、「除細動器」という大きなカテゴリーの中に、AEDが含まれていると考えると分かりやすいです。

主な除細動器の種類としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 手動式除細動器: これは、医療従事者が心電図を読み取り、電気ショックのエネルギー量やタイミングを自分で判断して操作するタイプの除細動器です。高度な専門知識と技術が求められます。
  2. 患者監視機能付き除細動器: これは、心電図モニターの機能も備わっており、患者さんの状態を詳しく把握しながら除細動を行うことができます。
  3. 自動体外式除細動器(AED): これが、私たちが街中でよく見かけるタイプです。自動で心電図を解析し、音声で操作をガイドしてくれるため、特別な訓練を受けていない人でも使用できます。

このように、AEDは除細動器という大きな枠組みの中で、一般の人にも使いやすく改良された、いわば「進化系」の除細動器と言えます。

AEDと除細動器の操作方法の違い

aed と 除 細 動 器 の 違いを、操作方法という観点からも見ていきましょう。これが、一般の人にとって最も気になる部分かもしれません。

まず、手動式の除細動器の場合、操作は非常に複雑です。

ステップ 操作内容
1 患者さんの心電図をモニターで確認し、波形から不整脈の種類を判断する。
2 除細動が必要な不整脈(心室細動など)と判断した場合、適切なエネルギー量を選択する。
3 paddles(パッド)を患者さんの胸に正確に貼り付ける。
4 安全を確認し、充電ボタンを押して、ショックボタンを押す。

このように、専門的な知識がないと、適切な判断や操作はできません。間違った操作は、かえって患者さんの状態を悪化させてしまう可能性もあります。

一方、AEDの操作は、先ほども触れたように、非常にシンプルです。

  1. 電源ボタンを押す。
  2. 本体の指示に従って、電極パッドを患者さんの胸に貼り付ける。
  3. AEDが心電図を解析するのを待つ。
  4. 「ショックが必要です」と音声が流れたら、周囲の安全を確認し、ショックボタンを押す。
  5. ショック後も、本体の指示に従い、心臓マッサージなどを続ける。

この簡便さこそが、AEDが普及し、多くの人の命を救うことに貢献している理由なのです。

AEDと除細動器の設置場所の違い

aed と 除 細 動 器 の 違いは、その設置場所にも現れています。これも、それぞれの機器の目的や使用対象者に関係しています。

手動式の除細動器は、高度な医療機器であり、専門的な知識を持った人が操作することを前提としています。そのため、主に以下のような場所で使われています。

  • 病院(救急外来、手術室、集中治療室など)
  • 救急車
  • ドクターヘリ

これらの場所では、常に医療従事者が配置されており、万が一の際にも迅速かつ適切に対応できる体制が整っています。つまり、医療機関の専門的な環境で、専門家が使用するための機器と言えます。

対してAEDは、前述の通り、一般の人でも使用できるよう設計されています。そのため、より多くの人が利用する可能性のある場所、つまり「公共の場所」に設置が進んでいます。

  1. 駅、空港、商業施設、学校
  2. 公共のスポーツ施設、公園
  3. オフィスビル、イベント会場
  4. 自治体の公共施設

これらの場所では、いつ、誰が心停止になるか分かりません。AEDが身近な場所にあることで、発見者がすぐに使用を開始でき、救命のチャンスを増やすことができます。

AEDと除細動器の価格帯の違い

aed と 除 細 動 器 の 違いは、価格帯にも反映されます。これも、機器の機能や製造コスト、そして普及させるための目的など、様々な要因が関係しています。

手動式の除細動器は、高度な医療機器であり、精密な機能が多く搭載されています。そのため、一台あたりの価格は数十万円から数百万円と、非常に高価になる傾向があります。また、メンテナンスにも専門的な知識が必要であり、維持費もかかります。

一方、AEDは、一般の人でも使いやすいように、機能がシンプル化されています。それでも、心電図解析機能や音声ガイド機能など、高度な技術が使われているため、安価なものではありません。おおよそ、数十万円程度で購入することができます。公共施設への設置を促進するために、補助金制度などが用意されている場合もあります。

普及価格帯としては、手動式除細動器の方が圧倒的に高価であり、AEDはそれに比べれば、個人や企業でも導入を検討しやすい価格帯と言えます。

AEDと除細動器の「心臓マッサージ」との関係

aed と 除 細 動 器 の 違いについて説明してきましたが、これらの機器が使われる場面では、多くの場合、「心臓マッサージ」、つまり胸骨圧迫を並行して行うことが非常に重要です。これは、AEDや除細動器が直接的な「心臓マッサージ」を行うわけではないからです。

心臓が停止すると、血液を全身に送り出すポンプ機能が失われます。心臓マッサージは、このポンプ機能を人工的に補うための処置です。胸骨を強く、速く、絶え間なく圧迫することで、脳や臓器に最低限の血液を送り続けます。これは、AEDや除細動器で電気ショックを与えても、すぐに心臓が正常に動き出すとは限らないからです。

AEDは、電気ショックが必要かどうかを判断し、ショックを与えるための装置です。そして、ショックを与えた後や、ショックが不要と判断された場合でも、意識のない人には心臓マッサージを続けることが指示されます。つまり、AEDは「電気ショック」という処置を、心臓マッサージは「血液循環の維持」という処置を、それぞれ担当しているのです。

  • AED:電気ショックによる心臓のリズムの正常化
  • 心臓マッサージ(胸骨圧迫):全身への血液循環の維持

この二つは、心停止した人を救うために、互いに連携して行われるべき、不可欠な処置なのです。

aed と 除 細 動 器 の 違いは、その操作性、対象者、そして設置場所などにありますが、どちらも心停止した人の命を救うために不可欠な機器であることに変わりはありません。AEDが普及したことで、より多くの人が救命処置に参加できるようになり、救命率の向上に大きく貢献しています。いざという時に慌てないためにも、AEDの場所を確認しておいたり、使い方を学んでおくと安心ですね。

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