腎盂炎 と 腎盂 腎炎 の 違い、しっかり理解しよう!

「腎盂炎(じんういえん)」と「腎盂腎炎(じんうじんえん)」、名前が似ているけれど、一体どんな違いがあるんだろう? この記事では、 腎盂炎 と 腎盂 腎炎 の 違い を分かりやすく解説していきます。ちょっと複雑に聞こえるかもしれませんが、大丈夫! 身近な例えも交えながら、楽しく学んでいきましょう。

「腎盂炎」と「腎盂腎炎」:言葉の響きに隠された意味

まず、この二つの言葉、「腎盂炎」と「腎盂腎炎」の「違い」を理解するためには、それぞれの言葉が何を表しているのかを知ることが大切です。簡単に言うと、「腎盂炎」は腎臓の「腎盂(じんう)」という部分に炎症が起きている状態を指します。一方、「腎盂腎炎」は、この「腎盂」の炎症がさらに進んで、腎臓そのもの(腎実質:じんじっしつ)にも炎症が広がっている状態を指すことが多いんです。

つまり、 「腎盂腎炎」は「腎盂炎」よりも、炎症がより広範囲に及んでいる、より深刻な状態 と言えるでしょう。例えるなら、公園の入り口(腎盂)にちょっとしたゴミ(炎症)が落ちているのが「腎盂炎」。それが、公園全体(腎臓)に広がってしまっているのが「腎盂腎炎」といったイメージです。

この違いを理解することは、病気の重さや治療法を考える上で、とても重要になってきます。症状が似ているからこそ、正確な診断と適切な対応が求められるのです。

  • 腎盂炎: 腎盂(腎臓の「入口」のような部分)の炎症
  • 腎盂腎炎: 腎盂の炎症が腎臓全体に広がった状態

「腎盂」ってどこ? 腎臓の「集水エリア」

「腎盂」という言葉、あまり聞かないかもしれませんね。これは、腎臓の中にある、尿を一時的にためて、細い管(尿管)に送り出すための「漏斗(ろうと)」のような形をした部分です。例えるなら、雨水を地面から集めて、排水溝へ流していくための「集水エリア」のような役割をしています。

この腎盂に細菌などが感染して炎症を起こした状態が「腎盂炎」です。しかし、しばしば、この炎症は腎臓の奥深くまで広がってしまうことがあります。その広がった状態を指して「腎盂腎炎」と呼ぶのです。

腎盂が炎症を起こすと、以下のようなことが起こりやすくなります。

  1. 尿の流れが悪くなる
  2. 細菌が繁殖しやすくなる
  3. 炎症が広がりやすくなる

「腎盂腎炎」:腎臓全体への「炎症の波」

「腎盂腎炎」という言葉には、「腎盂」に加えて「腎」という字が入っています。これは、先ほども触れたように、腎臓そのもの、つまり「腎実質」にも炎症が及んでいることを示唆しています。炎症が腎盂から腎臓の組織へと「波」のように広がっていくイメージです。

腎盂腎炎になると、症状がより重くなる傾向があります。高熱が出たり、背中(腰のあたり)に強い痛みを感じたりすることが多くなります。これは、腎臓の組織自体がダメージを受けているサインなのです。

腎盂腎炎の主な特徴をまとめると、以下のようになります。

症状 程度
発熱 高熱が出やすい
痛み 背部痛(腰のあたり)が強い
全身症状 倦怠感、悪寒(さむけ)など

原因:細菌感染が主な犯人

腎盂炎や腎盂腎炎の主な原因は、細菌感染です。特に、大腸菌などの腸内細菌が、尿道から逆行するように侵入して、膀胱(ぼうこう)に感染し、さらに腎盂へと上がっていくケースが多いのです。

ただし、単純な膀胱炎(ぼうこうえん)で終わらず、腎盂炎や腎盂腎炎にまで進行してしまうには、いくつかの要因が関係していることがあります。

  • 尿の流れが滞る :腎臓結石(じんぞうけっせき)や、前立腺肥大(ぜんりつせんひだい)などで尿の通り道が狭くなっている場合。
  • 免疫力が低下している :病気やストレスなどで体の抵抗力が弱っている場合。
  • 逆流 :膀胱から腎盂へ尿が逆流してしまう病気がある場合。

症状:体からの「SOS」サイン

腎盂炎と腎盂腎炎の症状は、重症度によって異なりますが、共通するものも多くあります。初期の段階では、膀胱炎のような症状(頻尿:ひんにょう、排尿時の痛み:はいにょうじのいたみ、残尿感:ざんにゅうかん)が出ることがあります。しかし、炎症が腎盂まで進むと、より顕著な症状が現れます。

「腎盂炎 と 腎盂 腎炎 の 違い」を症状で判断するのは難しい場合もありますが、一般的に以下のような症状が見られます。

  1. 高熱 :38度以上の熱が出ることが多い。
  2. 背部痛 :背中、特に腰のあたりがズキズキと痛む。
  3. 悪寒・戦慄(せんりつ) :急に寒気がして、体が震える。
  4. 全身倦怠感 :体がだるく、ぐったりしてしまう。

検査:原因を特定するための「探偵ごっこ」

医師は、患者さんの症状を聞き、体の状態を診察するだけでなく、いくつかの検査を行って、正確な診断を下します。「腎盂炎 と 腎盂 腎炎 の 違い」を明確にするためにも、これらの検査は欠かせません。

主な検査には、以下のようなものがあります。

  • 尿検査 :尿の中に細菌や白血球(はっけっきゅう)が多くないか調べます。
  • 血液検査 :炎症の反応や、腎臓の働き具合を調べます。
  • 画像検査 :超音波(エコー)検査やCT検査などで、腎臓の形や、結石などがないかを確認します。

治療:原因に合わせた「お薬の力」

腎盂炎や腎盂腎炎の治療の基本は、抗生物質(こうせいぶっしつ)による薬物療法です。細菌感染が原因なので、その細菌を退治するお薬を使います。 「腎盂炎 と 腎盂 腎炎 の 違い」によって、使うお薬の種類や治療期間が変わることもあります。

治療は、通常、以下のような流れで行われます。

  1. 初期治療 :まずは抗生物質を内服(ないふく)または点滴で投与します。
  2. 経過観察 :薬の効果を見ながら、熱が下がったり痛みが和らいだりするかを確認します。
  3. 原因への対応 :もし結石などが原因であれば、それに対する治療も並行して行います。

合併症:注意すべき「予期せぬ出来事」

腎盂炎や腎盂腎炎は、適切な治療を受ければ多くの場合回復しますが、まれに合併症(がっぺいしょう)を引き起こすことがあります。合併症を防ぐためにも、早期発見・早期治療が大切です。

注意すべき合併症としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 腎不全(じんふぜん) :腎臓の機能が低下してしまう状態。
  • 敗血症(はいけつしょう) :感染した細菌が血液に乗って全身に広がり、命に関わる状態。
  • 腎膿瘍(じんのうよう) :腎臓に膿(うみ)がたまってしまう状態。

まとめ:早期対応が鍵!

「腎盂炎 と 腎盂 腎炎 の 違い」について、少しは理解が深まったでしょうか? どちらも細菌感染による腎臓の病気ですが、「腎盂腎炎」は炎症がより広範囲に及んでいる状態を指します。症状が似ていることもありますが、早期に適切な診断と治療を受けることが、回復への一番の近道です。

もし、発熱や背中の痛みなど、気になる症状があれば、迷わずお医者さんに相談してくださいね。専門家のアドバイスを受けることが、何よりも大切です。

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