「収入金額」と「所得金額」、どちらもお金に関係する言葉ですが、実は意味が全然違うんです。この二つの言葉の「収入金額と所得金額の違い」をしっかり理解しておくと、税金のことや家計管理がぐっと分かりやすくなりますよ。今回は、この違いを分かりやすく、そして楽しく解説していきます！
収入金額とは？全部入ってくるお金のこと
まず、「収入金額」とは、文字通り、あなたが1年間で「手に入れたすべてのお金」のことです。働いて得た給料はもちろん、副業で稼いだお金、宝くじに当たった一時金、友達から借りたお金、なんていうのも、すべて収入金額に入ります。
例えば、会社員の方なら、毎月のお給料明細に書かれている「総支給額」がこれにあたります。ここから税金や社会保険料が引かれる前の、まるまる入ってくる予定のお金の合計ですね。
収入金額は、あなたの活動によってどれだけのお金が集まったかを見るための、いわば「入り口」のお金です。この「収入金額と所得金額の違い」を理解することは、お金の全体像を掴む第一歩なのです。
収入金額の例：
- 給与収入：会社からもらうお給料
- 事業収入：お店やサービスで稼いだお金
- 不動産収入：アパートなどを貸して得た家賃
- 一時所得：宝くじの当選金、懸賞金など
所得金額とは？税金や経費を引いた、残ったお金のこと
次に、「所得金額」です。これは、収入金額から、その収入を得るためにかかった「経費」や「必要経費」を差し引いた、実際に「あなたの手元に残るお金」のことです。税金を計算する上では、この所得金額が基準になることが多いんです。
例えば、自営業の方であれば、商品を仕入れるための仕入れ代金や、お店の家賃、光熱費などが経費になります。会社員の方でも、仕事で必要なものを買ったり、交通費を払ったりした分は、経費として認められる場合があります（給与所得控除といいます）。
つまり、「収入金額と所得金額の違い」は、「全部入ってきたお金」なのか、「そこから差し引きした、実際に使えるお金」なのか、という点にあります。この所得金額が、私たちが納める税金（所得税や住民税）の計算の基本になる、とっても大事な数字なんですよ。
所得金額の計算例：
| 収入金額 | 100万円 |
|---|---|
| 経費 | 30万円 |
| 所得金額 | 70万円 |
収入金額と所得金額の違い、具体例で見てみよう！
では、具体的な例で「収入金額と所得金額の違い」を見ていきましょう。例えば、あなたがフリーランスのデザイナーだとします。1年間でクライアントから受け取った仕事の代金が、合計で500万円だったとします。これがあなたの「収入金額」です。
でも、この500万円をそのまま使えるわけではありませんよね。デザインをするために、パソコンを買ったり、ソフトウェアを使ったり、電気代がかかったり、事務所の家賃を払ったり…こうした「経費」が、例えば200万円かかったとします。
この場合、あなたの「所得金額」は、収入金額500万円から経費200万円を引いた、300万円になります。つまり、税金は、この300万円を元に計算されるわけです。このように、収入金額と所得金額の違いは、実際の懐に入るお金と、税金計算の基準となるお金を区別する上で非常に重要です。
所得金額の計算には、いくつかの種類があります。
- 総所得金額： 10種類ある所得を合計した金額。
- 課税所得金額： 総所得金額から所得控除（家族の状況や医療費などに応じて差し引けるもの）を引いた、税金がかかる対象となる金額。
会社員の場合の収入金額と所得金額
会社員の方にとって、収入金額と所得金額の違いは、給与明細を見るとよく分かります。まず、給与明細の一番上に「総支給額」と書かれているのが、おおよそ「収入金額」にあたります。これは、残業代や各種手当なども含めた、会社から支払われる予定のお金の総額です。
ここから、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料といった「社会保険料」や、所得税、住民税といった「税金」が差し引かれます。この差し引かれた後の、実際にあなたの銀行口座に振り込まれる金額が「手取り額」ですね。
会社員の場合、所得金額は「給与所得」として計算されます。給与所得は、収入金額（総支給額）から、一定の金額を差し引いた「給与所得控除」を引いて計算されます。この給与所得控除は、会社員が仕事をする上でかかる経費を、会社がまとめて一定額で認めてくれる制度のようなものです。ですから、会社員の場合、自分で細かく経費を計算するのではなく、収入金額から給与所得控除を引いたものが、所得金額（給与所得）となるわけです。
会社員の手取り額は、収入金額から、社会保険料と税金が引かれたものですが、所得金額は、収入金額から「給与所得控除」を引いたものです。この「収入金額と所得金額の違い」を理解すると、なぜ給与明細の総支給額と手取り額に差があるのかが、はっきり理解できるようになります。
自営業・フリーランスの場合の収入金額と所得金額
自営業やフリーランスの方にとって、「収入金額と所得金額の違い」は、日々の経営に直結する大切なポイントです。まず、収入金額とは、文字通り、商品やサービスを提供して得た売上全体の金額を指します。これは、いわばお店の「売上高」にあたるものですね。
しかし、この売上高すべてが、そのまま自分の利益になるわけではありません。商品を仕入れるための「仕入れ代金」、お店を借りているなら「家賃」、電気代や水道代といった「水道光熱費」、仕事で使う道具や材料の購入費、交通費、通信費など、事業を続けるためにかかった様々な費用を「経費」として差し引くことができます。
この「収入金額から経費を差し引いた残りの金額」が、「所得金額」となります。税金（所得税や住民税）は、この所得金額に対して計算されます。そのため、経費を正確に把握し、漏れなく計上することが、税負担を適切にする上で非常に重要になってきます。
自営業・フリーランスの所得金額の計算は、以下のようになります。
- 収入金額： 売上高
- 必要経費： 事業を行う上でかかった費用
- 所得金額： 収入金額 － 必要経費
不動産収入の場合の収入金額と所得金額
アパートやマンションを貸して家賃収入を得ている場合も、「収入金額と所得金額の違い」を理解しておくことが大切です。不動産収入における「収入金額」とは、1年間で入ってきた家賃の総額のことです。例えば、1戸10万円の家賃の部屋が12ヶ月間埋まっていれば、120万円が収入金額となります。
しかし、この家賃収入を得るためには、様々な「経費」がかかります。例えば、:
- 建物の固定資産税
- 修繕費（壁の塗り直しや設備の交換など）
- 管理会社に支払う管理手数料
- 火災保険料
- ローンの金利部分（元本は経費になりません）
これらの経費を収入金額から差し引いたものが、「所得金額」となります。不動産所得の計算では、これらの経費を漏れなく計上することが、税金を計算する上で重要です。
不動産収入の所得金額の計算：
| 収入金額（家賃収入） | 120万円 |
|---|---|
| 必要経費（固定資産税、修繕費など） | 40万円 |
| 所得金額 | 80万円 |
投資（株式・投資信託など）の場合の収入金額と所得金額
株式投資や投資信託などで得た利益も、「収入金額と所得金額の違い」を理解しておきましょう。投資で得られる主な利益には、「配当金」や「譲渡益」があります。
「配当金」は、企業が利益の一部を株主に分配するものです。これは、そのまま「収入金額」とみなされます。一方、「譲渡益」は、株や投資信託を安く買って高く売ったときの差額です。この売却益も「収入金額」に含まれます。
ただし、投資の場合は、売買手数料や、株式を保有するための信託報酬（投資信託の場合）などが「経費」として差し引ける場合があります。また、損失が出た場合は、その損失を他の利益と相殺できる「損益通算」という制度もあります。
投資における所得金額の計算は、このように少し複雑ですが、基本的には「収入金額から経費や手数料などを差し引いたもの」が「所得金額」となり、この所得金額に対して税金（通常は申告分離課税）がかかります。
投資からの収入金額と所得金額を考える上でのポイント：
- 収入金額： 配当金、売却益など、得られた利益の合計
- 経費： 売買手数料、信託報酬など
- 所得金額： 収入金額 － 経費
- 損益通算： 損失が出た場合に、他の所得と相殺できる。
副業の場合の収入金額と所得金額
本業以外に副業をしている方にとって、「収入金額と所得金額の違い」は、確定申告をする際に非常に重要になります。副業での「収入金額」とは、その副業から得られた売上や報酬の総額のことです。例えば、フリマアプリで商品を売ったり、ブログで広告収入を得たり、イラストを描いて依頼されたりした場合の、それらすべてのお金の合計が収入金額になります。
しかし、副業を続けるためには、様々な「経費」がかかっています。例えば、:
- フリマアプリでの販売手数料
- 梱包材などの資材費
- ブログのサーバー代やドメイン代
- 仕事で使うための道具の購入費
- 交通費
- 通信費
これらの「必要経費」を収入金額から差し引いたものが、「所得金額」となります。副業所得が年間20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要になります。その際、この所得金額が申告の対象となるため、経費をしっかり把握しておくことが大切です。
副業所得の計算：
- 収入金額： 副業での売上、報酬の合計
- 必要経費： 副業のためにかかった費用
- 所得金額： 収入金額 － 必要経費
このように、副業の場合も、収入金額と所得金額の違いを理解し、正しく計算することで、適切に税金を納めることができます。
収入金額と所得金額の違いは、お金の流れを理解する上でとても大切です。収入金額は「全部入ってきたお金」、所得金額は「そこから経費などを差し引いて、実際に手元に残ったお金」と覚えておけば大丈夫。この知識があれば、税金のことや、将来のためのお金の計画を立てるのが、もっと楽になるはずですよ！