英語で「病気」を表現するとき、"sick" と "ill" のどちらを使うか迷うことはありませんか? 実はこの二つの単語、意味は似ているようで少し違いがあります。今回は、この「sick と ill の違い」を、分かりやすく、そして具体例を交えながら解説していきますね。
「sick」と「ill」の基本的な違い
"sick" は、一般的に「吐き気がある」「気分が悪い」「(一時的な)体調不良」といった、比較的軽度な、あるいは一時的な不調を表すことが多いです。一方、"ill" は、より重い病気や、長期にわたる病状、健康状態が悪いことを指す傾向があります。
この違いを理解することは、英語で自分の体調を正確に伝える上で非常に重要です。 状況に応じて適切な単語を選ぶことで、相手に意図が正確に伝わるようになります。
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sick
:
- 吐き気がある (I feel sick.)
- 気分が悪い (The smell made me feel sick.)
- 風邪をひいた(口語的) (I'm sick with a cold.)
-
ill
:
- 重い病気にかかっている (He has been seriously ill for months.)
- 健康状態が悪い (The patient is ill and needs constant care.)
- 入院している(場合が多い) (She is ill in hospital.)
ちょっとした体調不良なら "sick"、深刻な病気なら "ill" と覚えておくと、おおよそ間違いありません。ただし、地域や文脈によって使い分けられることもあります。
「sick」のニュアンスと使い方
"sick" は、先ほども触れたように、吐き気や乗り物酔い、食あたりなどで「気持ち悪い」と感じる状態を指すのに非常によく使われます。「胃がムカムカする」といった感覚を表現するのにぴったりです。
また、日常会話では、軽い風邪や体調不良を指して "sick" と言うことも一般的です。「風邪ひいちゃったんだ」というような感覚ですね。例えば、「I'm sick today.」と言えば、「今日は体調が悪いです。」という意味になります。
さらに、スラングとして「最高!」「すごい!」という意味で使われることもありますが、これはあくまで俗語なので、フォーマルな場面では避けるのが賢明です。
| 状況 | よく使われる表現 | 意味 |
|---|---|---|
| 吐き気 | I feel sick. | 吐き気がします。 |
| 乗り物酔い | I'm sick from the bus ride. | バスで乗り物酔いしました。 |
| 軽い風邪 | I'm a bit sick. | 少し体調が悪いです。 |
「ill」のニュアンスと使い方
"ill" は、より深刻な病気や、健康状態が芳しくない場合に使われます。例えば、手術を受けた、長期の治療が必要な病気にかかっている、といった状況です。
「病気で寝込んでいる」というような、本格的な病状を表す際に "ill" を使うのが自然です。そのため、"illness" という名詞形は「病気」「疾患」といった、より重い意味合いで使われることがほとんどです。
- She is seriously ill with pneumonia. (彼女は肺炎で重い病状です。)
- The government is trying to tackle the rising rates of chronic illness. (政府は慢性疾患の増加率に対処しようとしている。)
- He was too ill to attend the meeting. (彼は病気で会議に出席できなかった。)
「健康」を意味する "health" の反対語として "ill health" という表現もよく耳にします。これは「健康状態が悪いこと」を意味し、一時的な不調というよりは、持病や慢性的な健康問題を指すことが多いです。
「sick」と「ill」を使い分ける例文集
具体的な例文を見てみると、より「sick と ill の違い」がはっきりするでしょう。どのような文脈でどちらが使われるのか、確認してみてください。
「sick」が使われる例:
- "I ate too much cake and now I feel sick." (ケーキを食べすぎて、気分が悪くなりました。)
- "Don't come to school if you're sick." (病気なら学校に来ないでください。)
- "He looks a little sick. Maybe he needs some rest." (彼は少し具合が悪そうに見えます。休息が必要かもしれません。)
「ill」が使われる例:
- "The patient has been ill for a long time and is now recovering." (その患者は長い間病気でしたが、今は回復しています。)
- "She was too ill to go to work." (彼女は病気で仕事に行けませんでした。)
- "Many people suffer from mental illness." (多くの人々が精神疾患に苦しんでいます。)
「sick」が「気分が悪い」以外の意味で使われる場合
「sick」は、体調不良以外にも、比喩的な意味で使われることがあります。例えば、何かを見て「うんざりした」「嫌になった」という気持ちを表すときにも使われます。
また、若者言葉やスラングとして、驚くほどすごいことや、最高にクールなものを指して「sick!」と言うこともあります。これは、本来の「病気」という意味とは全く異なりますが、英語圏ではよく使われる表現です。
- "I'm so sick of this rainy weather." (この雨の天気には本当にうんざりだ。)
- "That skateboard trick was sick!" (あのスケートボードのトリックは最高だった!)
これらの用法は、文脈で判断する必要があります。知らないと戸惑うかもしれませんが、これも英語の面白さの一つですね。
「ill」が「病気」以外の意味で使われる場合
"ill" は、「悪く」「不十分に」といった副詞的な意味合いで使われることもあります。例えば、"ill-treated"(ひどく扱われた)や "ill-equipped"(装備が不十分な)といった熟語があります。
これらの場合、"ill" は形容詞ではなく、形容詞を修飾する副詞、または複合語の一部として機能しています。単独で「病気」という意味になるわけではありません。
| 熟語 | 意味 |
|---|---|
| ill-treated | ひどく扱われた |
| ill-equipped | 装備が不十分な |
| ill-mannered | 無作法な |
このように、「ill」という単語一つでも、様々な使われ方があることを知っておくと、読解力も深まります。
まとめ:どちらを使うか迷ったら
ここまで「sick と ill の違い」について詳しく見てきましたが、結局どちらを使えばいいのか迷ったときは、以下の点を参考にしてみてください。
吐き気や一時的な気分の悪さ、軽い体調不良なら "sick" 。
- 例: I feel sick. (気分が悪い。)
より重い病気、長期的な病状、健康状態が全体的に悪いなら "ill" 。
- 例: He is seriously ill. (彼は重い病気です。)
また、アメリカ英語では "sick" が「病気」全般を指す傾向が強く、イギリス英語では "ill" がより一般的である、という地域差も存在します。しかし、基本的には上記のような使い分けで、ほとんどの場合通じます。
英語でのコミュニケーションは、相手に正確に伝えることが大切です。今回の「sick と ill の違い」をマスターして、自信を持って英語を使えるようになりましょう!
これで「sick と ill の違い」についての解説は終わりです。どちらも「体調が悪い」というニュアンスは共通していますが、その度合いや状況によって使い分けることで、より自然で正確な英語表現が可能になります。ぜひ、今回の内容を参考に、英語での体調表現を楽しんでくださいね!