「副鼻腔炎」と「蓄膿症」、この二つの言葉、よく耳にしませんか？ 実は、これらは同じ病気を指すことが多いのです。 副 鼻腔 炎 と 蓄膿症 の 違い を理解することは、ご自身の体調を正しく把握し、適切な対処をするためにとても重要です。今回は、この二つの言葉がなぜ混同されがちなのか、そしてその関係性について、分かりやすく解説していきます。
「蓄膿症」は昔の呼び方？ 副鼻腔炎との関係
「蓄膿症」という言葉は、以前からよく使われていた病名です。しかし、現在では医学的な正式名称として「副鼻腔炎」が使われています。つまり、 副 鼻腔 炎 と 蓄膿症 の 違い というよりは、「蓄膿症」は「副鼻腔炎」の古い呼び方、あるいは副鼻腔炎の一種を指すことが多いのです。
- 蓄膿症： 膿（うみ）が溜まっている状態を指す、昔から使われていた通俗的な呼び名。
- 副鼻腔炎： 副鼻腔（顔の骨にある空洞）に炎症が起きている状態全般を指す、現在の医学用語。
副鼻腔炎の中でも、特に膿が溜まっている状態を「蓄膿症」と呼ぶことが多かったため、同じような病気として認識されています。しかし、炎症だけが起きている場合（鼻水だけなど）も副鼻腔炎に含まれるため、副鼻腔炎の方がより広い概念と言えます。
例えば、風邪をひいた後に鼻水が長引いたり、顔が重く感じたりする症状は、軽度の副鼻腔炎であることが多いです。しかし、これらの症状が進行し、膿が溜まってしまうと、昔でいう「蓄膿症」の状態になるのです。
副鼻腔炎の症状を詳しく見てみよう
副鼻腔炎の症状は、人によって様々ですが、代表的なものをいくつかご紹介します。これらの症状が一つでも当てはまる場合は、副鼻腔炎の可能性が考えられます。
-
鼻の症状：
- 黄色や緑色の鼻水が続く
- 鼻づまりがひどい
- 鼻の奥に嫌な臭いがする
-
顔の症状：
- 顔（特に頬や額）が重い、痛い
- 頭痛（特に前頭部）
- 歯が痛む（上の歯）
-
その他の症状：
- 咳（特に朝方や夜）
- 声が鼻にかかったようになる
- 味覚・嗅覚の低下
これらの症状が長引く場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。特に、子供の場合は、鼻水の色が濃くなったり、顔の痛みを訴えたりすることがあります。
副鼻腔炎の診断は、医師による問診や鼻の診察、場合によってはレントゲン検査やCT検査によって行われます。早期発見・早期治療が、症状の悪化を防ぐ鍵となります。
「蓄膿症」と呼ばれる状態はどんな時？
「蓄膿症」という言葉は、副鼻腔炎の中でも、特に「膿（うみ）が溜まっている状態」を指すことが多いです。これは、副鼻腔の粘膜に炎症が起こり、その分泌物がうまく排出されずに溜まってしまうことで発生します。
具体的には、以下のような状態が「蓄膿症」と呼ばれることが多いです。
| 症状 | 説明 |
|---|---|
| 粘性の鼻水 | 黄色や緑色で、ドロッとした鼻水が特徴です。 |
| 鼻づまり | 炎症によって鼻の粘膜が腫れ、空気の通り道が狭まることで起こります。 |
| 顔面痛・頭痛 | 膿が溜まっている副鼻腔が圧迫されることで、痛みが生じます。 |
| 悪臭 | 膿による不快な臭いを自覚することがあります。 |
このような症状が長期間続いている場合は、慢性副鼻腔炎、いわゆる「蓄膿症」の可能性が高いと言えます。
ただし、現代の医学では「蓄膿症」という言葉はあまり使われず、「慢性副鼻腔炎」として診断・治療が行われます。膿が溜まっているかどうかは、CT検査などでより正確に確認されます。
副鼻腔炎の原因は？
副鼻腔炎の原因は様々ですが、主に以下のようなものが挙げられます。
- 風邪やインフルエンザなどの感染症： ウイルスや細菌が副鼻腔に入り込み、炎症を引き起こします。
- アレルギー性鼻炎： アレルギー反応によって鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔の出口が塞がってしまうことがあります。
- 鼻の構造の問題： 鼻中隔湾曲症（鼻の真ん中の壁が曲がっている状態）など、鼻の構造に問題がある場合、空気の通りが悪くなり、炎症を起こしやすくなります。
- 歯の病気： 上の歯の根っこが副鼻腔に近い場合、歯の病気が副鼻腔炎の原因となることがあります。
これらの原因が単独で、あるいは複合的に作用して副鼻腔炎を引き起こします。
副鼻腔炎の治療法
副鼻腔炎の治療法は、その原因や重症度によって異なります。
-
薬物療法：
- 抗生物質：細菌感染が原因の場合に処方されます。
- 鼻炎治療薬（抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬など）：アレルギー性鼻炎が関与している場合に有効です。
- 去痰薬：鼻水を排出しやすくするために使われます。
- 鼻洗浄： 鼻の奥の分泌物を洗い流すことで、症状の緩和や治癒を助けます。
- ネブライザー療法： 薬液を霧状にして鼻や喉に噴霧し、炎症を抑えたり、分泌物を排出しやすくしたりします。
- 手術療法： 薬物療法で改善しない場合や、鼻の構造に問題がある場合には、手術が検討されることがあります。内視鏡を使った低侵襲な手術が主流です。
特に慢性副鼻腔炎（蓄膿症）の場合、治療には時間がかかることもあります。根気強く治療を続けることが大切です。
副鼻腔炎を予防するためにできること
副鼻腔炎を予防するためには、日頃の生活習慣が大切です。
- 感染症の予防： 手洗いやうがいをこまめに行い、風邪やインフルエンザにかからないように注意しましょう。
- アレルギー対策： アレルギー性鼻炎がある場合は、原因物質を避ける、適切な治療を受けるなど、アレルギー症状をコントロールすることが重要です。
- 室内の湿度管理： 空気が乾燥すると鼻の粘膜が弱くなるため、加湿器などを利用して適切な湿度（50～60%程度）を保ちましょう。
- 規則正しい生活： 十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、体の免疫力を高め、病気にかかりにくい体を作ります。
これらの予防策を実践することで、副鼻腔炎のリスクを減らすことができます。
まとめ：正しく理解して、健康な鼻へ！
「副鼻腔炎」と「蓄膿症」は、基本的には同じ病気を指すことが多いですが、「副鼻腔炎」がより広い意味で使われる医学用語であり、「蓄膿症」は膿が溜まった状態を指す昔からの呼び方、という違いを理解していただけたかと思います。 副 鼻腔 炎 と 蓄膿症 の 違い を正しく知ることは、ご自身の症状を把握し、適切な治療を受けるための第一歩です。もし、鼻の症状や顔の不調が続く場合は、迷わず医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けてください。